~前回の調査にて老朽化した道路付属物の認知度が高いワースト 10 県 156 市で市単位での調査を実施~

● 同じ県内の市でも道路附属物の老朽化状況に対する住民の認識に違いがあり、その背景として気象条件や道路事情が影響するだけでなく、自治体の管理方法も大きく影響
● 約8割の回答者が「自治体は道路附属物のメンテナンスに積極的に取り組むべきだと感じる」と回答
● 自治体に望むメンテナンスへの取り組み方針は「傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる」の回答が約4割で最多となり、既存の道路附属物の維持を望む住民意識が明らかに

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也、以下:古河電工)と国立大学法人東北大学大学院工学研究科 久田研究室(以下:久田研究室)は、道路標識や標示などの道路附属物の老朽化状況についての住民アンケートを、前回の調査結果で、老朽化した道路附属物の住民認知度が高かった10県内の全156市約6,836名を対象に実施しました。

■調査の背景
 道路標識や街路樹などの道路附属物は、日本全国で約1,000万本以上存在し、近年では老朽化にともなう落下事故も発生しています。
トンネルや橋梁などの重要構造物については法定点検が定められていますが、道路附属物の点検について法律は制定されておらず、自治体などの道路管理者に一任されています。今後、労働人口がさらに減少することが予想されるなか、標識などの道路附属物においても効率的なメンテナンス方法の確立が求められています。
 古河電工と久田研究室は標識などの道路附属物の効率的なメンテナンス方法を共同で研究していますが、住民通報からメンテナンスすべき道路附属物が明らかになることも多いため、2024年12月に全都道府県における道路附属物の老朽化に対する住民の認知状況等を調査するためにアンケートを実施しました。今回は前回調査で「修繕を必要とする道路附属物を目にする」との回答が特に多かった10県における全156市を対象にアンケートを実施し、市レベルでの道路附属物の老朽化実態を明らかにしました。

■調査概要
● 調査方法:インターネットによる調査
● 調査対象:10県156市に在住の20代~60代の男女6,836名(注)
● 調査実施期間:2025年8月6日~20日
● 調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
(注1)沖縄県、鹿児島県、山梨県、三重県、茨城県、奈良県、群馬県、宮崎県、岐阜県、長崎県 各市約50名、一部サンプル数が50未満の市を含む
(注2)調査結果は住民アンケート詳細欄のリンク先からご確認ください

■久田真教授(東北大学大学院工学研究科)による調査の総括
 

[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1782/118219/200_265_2025091812394768cb7f03631d0.jpg

 
 前回(2024年12月調査実施)は47都道府県の県単位で道路附属物の老朽化状況の住民アンケートを実施し、老朽化の実態は県ごとに大きく乖離があることが分かりました。市単位でも調査してほしいという要望もあり、今回はさらに詳しく原因把握を行うため、前回調査において老朽化した道路附属物の住民認知度が高かったワースト10県に対し、市単位での調査を実施しました。
 その結果、道路附属物の老朽化状況の認知度について、同じ県内でも市単位で大きく傾向が異なることが明らかとなりました。同じ県内においては気象条件や道路事情は比較的近しい部分も多いため、自治体ごとの管理方法による要因が大きいと言えます。
 また、各市における道路附属物のメンテナンスの実施状況についても、約3割の回答者が実施されていないと感じており、8割弱の回答者は自治体が積極的にメンテナンスに取り組むべきだと考えていることが、今回の調査においても明らかとなりました。背景には、約4割の回答者が道路附属物の維持管理の方針として、「傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる」と回答し最多となり、今後は道路附属物を新設するのではなく、既存のものに対して予防的な修繕を進めていくことが望ましいという住民意識があることも調査から分かっています。
 道路附属物のメンテナンスについては、ひとたび道路附属物の倒壊や落下などの不具合や事故が起これば住民が怪我をするリスクも高く、社会として非常に大きな課題と認識しています。今後も久田研究室では、古河電工と共同でより効率的な管理・メンテナンス手法の研究に加え、調査などを通じ情報提供を実施してまいります。


■道路標識などの道路附属物の老朽化状況に対する住民アンケート詳細
https://www.furukawa.co.jp/release/2025/dev_20250919.html

■関連ニュースリリース
(古河電工)道路標識など道路附属物の老朽化状況に関する全国住民アンケートを実施
https://www.furukawa.co.jp/release/2025/dev_20250403.html

■お問い合わせ先
古河電気工業株式会社
広報部
お問い合わせフォーム:https://www.furukawa.co.jp/srm/form/index.php?id=news

(研究に関すること) 
東北大学大学院工学研究科土木工学専攻
インフラ材料工学研究室
教授 久田 真
研究室ホームページ:https://tohoku-concrete.tech

(報道に関すること)
東北大学大学院工学研究科
情報広報室 沼澤
TEL:022-795-5898
E-MAIL:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
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