株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 重樹、以下、当社)は、NTTドコモビジネスX株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲葉 秀司)が提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に「AI活用を前提としたサービスにおける消費者意識に関する調査」(以下、本調査)を実施しました。
本調査は、AIサービスに対して消費者がどのような期待や不安、抵抗感を抱いているのかを明らかにし、AIサービスや製品の提供者が留意すべき点や提供方針を整理することを目的に、全国の15歳以上の男女1,036人を対象に実施しました。
【主なポイント】
1.AIサービス普及の鍵は「安心感」―多機能よりも、わかりやすさと安全性を重視
2.AIの期待外れな回答に対する寛容度は「キャラ付け」で向上―51.2%が「誤っても許容」、口調は90.1%が「丁寧な敬語・ビジネス口調」を支持
3.AIによる作業指示の受け入れは「簡単な作業」に限定、重要な判断を受け入れられるのは16.3%にとどまる
【調査詳細レポート】はこちらからご覧いただけます:
https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/ncom-survey/260114/
【調査背景】
近年、生成AIをはじめとするAI技術の進展により、AIを活用したサービス(以下、AIサービス)は、ビジネス分野だけでなく、日常生活のさまざまな場面へと急速に広がりつつあります。一方で、入力データの取り扱いや出力結果の妥当性、責任の所在などに対する不安から、AI活用に慎重な姿勢を示す消費者も少なくありません。こうした状況を踏まえ、消費者がAIサービスに対してどのような不安や抵抗感を抱いているのか、また、どのような条件であれば利用が進むのかを明らかにすることが、今後のAIサービスの普及や適切な設計において重要となります。
そこで本調査では、生成AIに対する消費者の意識や利用における心理的ハードルを把握し、AIサービスや製品の提供者が留意すべきポイントを整理することを目的として、消費者向けの調査を実施しました。
【主な調査結果】
1.AIサービス普及の鍵は「安心感」―多機能よりも、わかりやすさと安全性を重視
今後、新たなAIサービスを企画・開発し、普及させるうえで何に留意すべきかを把握するため、全員(n=1,036)を対象にAIサービスを選択する際に最も重要視する要素(最大3つまで)を調査しました。
その結果、最も多かった「利用料金の妥当性・納得感」(41.4%)に次いで、「使いやすさ・UI/UX」(39.1%)、「サービス概要のわかりやすさ」(35.4%)、「プライバシー・個人情報の保護」(33.0%)、「データセキュリティの堅牢性」(31.3%)が上位に挙げられました(図表1)。料金と使いやすさや分かりやすさを前提に、安心して利用できることが利用意向の条件となっていることがうかがえます。
また同回答者を対象に、データの削除要件がAIサービスの利用に対する抵抗感に与える影響を調査したところ、入力データを「いつでも自由に削除可能」(60.3%)または「一定期間後に削除可能」(16.9%)と明示されていれば、利用を許容できると回答した人は全体の約8割に上りました(図表2)。
これらの結果から、AIサービスの普及にあたっては、多機能性や先進性の訴求よりも、直感的に使えるUI/UXとサービス内容の分かりやすさを土台に、データの削除可否などの安心・安全面を明確に示すことが、利用意向形成の鍵となると考えられます。
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【図表1】 AIサービス選択時に最も重視する要素(最大3つまで、MA)
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【図表2】 自身のデータの削除条件について、許容できる最低ライン(SA)
2.AIによる期待外れな回答に対する寛容度は「キャラ付け」で向上―51.2%が「誤っても許容」、口調は90.1%が「丁寧な敬語・ビジネス口調」を支持
生成AIでは、期待した回答が得られない場面が一定程度生じることが想定されます。こうした不確実性に対する心理的抵抗を和らげる手段として、AIサービスにおける「キャラ付け」が利用者の寛容度に与える影響について、回答者全員(n=1,036)を対象に調査を実施しました。
その結果、全体の24.3%が「見た目や口調の変化によって利用意向が変わる」と回答しました。さらに、この該当者(n=252)に対してAIの出力結果に対する寛容度を尋ねたところ、キャラクター性を帯びた方が「間違った結果が出力されても大目に見ることができる」(14.7%)または「無機質なAIサービスと比べたら、多少許すことができる」(36.5%)と回答した人が半数を占め、キャラ付けがAIサービスへの心理的受容を高める可能性が示されました。また見た目の方向性としては「動物のキャラクター(猫・犬など)」や「人間らしいアバター」についても6割以上が利用意向を示しています。一方、口調については「丁寧な敬語・ビジネス口調」を支持する割合が90.1%と最も高い結果となりました(図表3、4)。
これらの結果から、フレンドリーな外見によって心理的ハードルを下げつつ、口調はフォーマルに保つことが、AIサービスの受容を高めるうえで有効な設計であることが示唆されました。
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【図表3】 キャラクター性を持たせたAIサービスに対する寛容度(SA)
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【図表4】 生成AIのキャラ付けの方向性と利用意向(SA)
3. AIによる作業指示の受け入れは「簡単な作業」に限定、重要な判断を受け入れられるのは16.3%にとどまる
AIの高度化により、将来的には「AIが判断・指示し、人が動く」社会の到来が想定されます。そこでAIによる作業指示をどの程度受け入れられるかについて、全員(n=1,036)を対象に調査しました。
その結果、現段階で最も受け入れられているAIの指示は、判断や調整をほとんど伴わない「簡単な作業レベル」(46.0%)であることが明らかになりました。
一方、判断の重さや個人の意思が関わる指示に着目すると、「重要な意思決定の指示(合否判断、大型決裁、大型出費など)」(16.3%)や「自分の意思・意図に反する指示」(19.4%)はいずれも低い水準にとどまりました(図表5)。また、「すべてのAIによる指示を受け入れることができない」(25.8%)と回答した人も一定数存在しており、AIからの指示そのものに対して、依然として慎重な姿勢が強いことがうかがえます。
これらの結果から、判断や調整がほぼ不要な画一的かつマニュアル的な作業指示であれば比較的受け入れられやすい一方、AIが主体的に判断を行う指示については、受容にはなお時間を要することが示唆されました。
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【図表5】AIによる指示をどの程度受け入れられるか(全体、MA)
【調査担当者コメント】
■NTTデータ経営研究所 ソーシャル・デジタル戦略ユニット コンサルタント 宮﨑 芙実
本調査からAIサービスの普及において大きな障壁となっているのは、技術の高度さではなく、データの扱いが見えないことなどによって利用者が抱く「不安感」であることが推察されます。
また、生成AIにありがちな期待外れの結果に対しては、キャラクター性を持たせることで受容度が高まることが分かりました。さらに、AIによる作業時指示については、判断を伴わない簡単な作業に限って受け入れられており、重要な判断への活用は慎重な姿勢が見られます。今後、AIが高度化していく中で、人をAIに置き換えて主体とするのではなく、判断を支える「裏方」として位置付け、「指示」ではなく「選択肢」を提示する仕組みが不可欠です。AIサービスの設計においては、安心感を前提に利用者が納得しながら段階的に体験を積み重ねる設計こそが、AI利活用の裾野を広げる鍵になると考えます。
【調査概要】
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【関連リンク】
NTTデータ経営研究所:https://www.nttdata-strategy.com/
【NTTデータ経営研究所について】
NTTデータ経営研究所は、1991年の設立以来、サステナビリティやヘルスケア、地方創生といった様々な領域の社会課題の解決や、企業変革の支援に向けたコンサルティングを行っています。政策や戦略の立案からプロジェクトの実行支援、新規事業の開発から実証までを一気通貫でお客様に伴走し、持続可能な成長と変革を支援します。NTTデータグループの戦略コンサルティングファームとして、多岐にわたる専門性により業界・組織を超えた連携を作り出し、未来への道筋を照らすことでお客様とともに新たな価値の創造に取り組んでいます。
<調査データについて>
回答者の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいています。
回答の構成比は、小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合があります。
<調査結果の利用について>
本調査は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が共同で行っており、本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスX株式会社が保有します。
調査結果の一部を転載・引用される場合は、出所として「NTTデータ経営研究所/NTTドコモビジネスX」と併記した上で、掲載日・掲載媒体・引用箇所などの情報につきましてはブランド推進担当までお知らせください。
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本アンケート調査の生データは提供いたしかねます。
本件に関するお問合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
コンサルティングサポート部 ブランド推進担当(三輪、宇城)
Tel:03-5213-4016 E-mail:webmaster@nttdata-strategy.com