思春期は、人生の中でも家族や友人などの周囲環境から強く影響を受ける大切な時期です。この時期には脳が大きく発達し、感情や社会性をつかさどる脳部位が成熟していきます。イヌは世界で最も広く飼育されている動物で、イヌの飼育による心身の健康への効果が示されてきました。特に思春期にイヌと過ごす経験は、孤独感を減らし、ウェルビーイング(幸福感)を高めることがわかってきました。しかし、イヌの飼育によるウェルビーイングの上昇の背景にある身体変化は明らかにされてきませんでした。一方、菊水教授らはこれまでイヌと生活することでヒトの腸内細菌叢に変化が生じること、また腸内細菌叢は宿主の脳の働きにも影響し、不安や気分を左右することを明らかにしてきました。今回の研究では、イヌの飼育によって児童の細菌叢に変化が生じ、その細菌叢によって児童の社会性が向上すると仮説を立てて研究しました。TTCに参加した13歳児では、イヌの飼育児童は問題行動や非行行動、思考の問題などの心理スコアが非飼育児童と比べて低いことがわかりました。
次に、これらの児童から採取した口腔内細菌叢を無菌マウスに投与しました。無菌マウスでは児童の細菌叢のみが定着するため、児童の細菌叢の機能を調べることができます。
本研究は、日本学術振興会・JSPS科研費(no. 23H05472、21H03333、21H05173)、JST-未来社会創造事業(no. JPMJMI21J3)、JST-RISTEX(JPMJRS24K1)の支援を受けて行われました。
本研究成果は、2025年12月 4日付で国際科学雑誌『iScience』オンライン版に掲載されました。
Dog ownership during adolescence alters the microbiota and improves mental health.
Eiji Miyauchi,Miku Yamaoka, Itsuka Kamimura, Mami Mizuta, Miya Takenaka, Uruma Akiyama, Masami Kawasumi, Nobuo Sasaki, Hiroshi Ohno, Shuntaro Ando, Syudo Yamasaki, Atsushi Nishida, Kazutaka Mogi, Miho Nagasawa, Takefumi Kikusui*
*責任著者
iScience (2025) (25-07710)
情報公開(Embargo)2025年12月4日1:00AM(日本時間)
DOI: 10.1016/j.isci.2025.113948
<関連情報>
群馬大学生体調節研究所
https://www.imcr.gunma-u.ac.jp/
東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター
https://www.igakuken.or.jp/r-center/rc-social/rc-social.html
理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チーム
https://www.riken.jp/research/labs/ims/intest_ecosys/
<参考情報>
●麻布大学について
麻布大学は、2025年に学園創立135周年を迎えました。動物学分野の研究に重点を置く私立大学として、長年の教育研究実績を基盤に新たな人材育成に積極的に取り組んでいます。
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麻布大学の概要: https://www.azabu-u.ac.jp/about/
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・公益財団法人東京都医学総合研究所
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住所:〒156-8506 東京都世田谷区上北沢2-1-6
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・理化学研究所 広報部 報道担当
Tel: 050-3495-0247 / e-mail: ex-press@ml.riken.jp
▼本件に関する問い合わせ先
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住所:神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71
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