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特集ページ|https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/52876-1110540219.html
概要
「Interwoven Chapters」は、かつて京都芸術大学大学院の「大庭ゼミ」で学び、現在はそれぞれ作家として活動する17名と、大学において彼らを導き、自らも作家として活躍してきた大庭大介氏、椿昇氏を含む19名が、それぞれの現在地を示す1作品ずつを展示する特別企画展です。
●本展に寄せて――大庭大介(画家)
この展覧会に並ぶ19の絵画は、それぞれが独立した章でありながら、師弟、先輩後輩、そして同じ時間を過ごした仲間たちとの目に見えない思考の糸で結ばれている。
芸術において、作品はしばしば「個」の表現として語られる。しかし、ここにある絵画は、孤立した声ではなく、対話や沈黙、時にすれ違いや衝突をも含んだ複数のまなざしの交錯から生まれている。それは一方向の影響や単純な模倣ではなく、響き合い、重なり、ずれながら続いていく、断ち切ることのできない思考の連章である。私たちはしばしば、個を際立たせるあまり、歴史や関係の地続きを見失いがちである。この展覧会は、目に見えない関係の網目を静かに浮かび上がらせる。
創造とは、他者との関係から切り離された純粋な「自己表現」ではなく、見えない継承や記憶、共に過ごした時間から編まれていくものなのである。絵画もまた、孤立した表象ではない。他者との関係において立ち上がり、思考が連なり、響き合う場として開かれている。
19人の作家が描いた19の章は、互いの影を映し合いながら、新たな問いを投げかける。
●「それじゃダメなんだよ」――椿昇(現代美術作家)
芸術⼤学という場で指導する⽴場の僕たちと、指導を受ける学⽣たちの関係には実に多様なパターンが存在する。
作家紹介
※作家は50音順/京都造形芸術大学は2020年4月より京都芸術大学に名称変更しています。
■赤松加奈 (Kana Akamatsu)
1990年生まれ 奈良県在住
2013年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 洋画コース卒業
2015年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
印象に残った風景を抽出し、コラージュとデジタル再構成によって複数の視点が同居する絵画を描く。大学で問われた「絵画とは何か」という問いは、生活の只中にある今も続いている。私的な出来事を翻訳し、異なる要素が同時に成立する構造を描き出そうとしている。
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《夏のあさ、鶏の声》 2025年/赤松加奈
■東慎也(Shinya Azuma)
1994年 大阪府生まれ
2018年 京都造形芸術大学 油画コース卒業
2020年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
自分の頭の中に蓄積された違う文脈を出自とするイメージ(例えばテレビから流れてくる戦争の映像、美術館で見た巨匠の作品、テレビゲームの画面、鏡に映る自分のだらしない体 etc...) から発展したイメージを絵画にすることで自分が存在している世界の輪郭を捉え直している。
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《Terrible Man》 2022年/東慎也
■新井碧 (Midori Arai)
2015年 東京造形⼤学 造形学部 美術学科 絵画専攻 卒業
2022年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
2025年 多摩美術⼤学大学院 博士後期課程 美術専攻 在籍
無意識的な動作によるブラッシュストロークを重ね、痕跡としての絵画を制作。身体性─身体と時間の関係、その有限性─について、思考を促すことを意図としている。
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《silhouette #まばたきのシノニム 11》 2025年/新井碧
■飯田美穂(Miho Iida)
愛知県生まれ
2016年 名古屋芸術大学 美術学部 美術学科 洋画2コース 卒業
2018年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
ヒトが価値あるものとして意図的に遺してきたものの意味と、それを引き継ぐことの意味を起点に、絵画とは何か、なぜ人は絵を描くのかという問いを基軸として制作している。近作では名画をモチーフとした制作を背景に、光や視点の変化、時間差を含む層を手がかりとして、絵画をイメージではなく一つの物質的現象として捉え直す試みもおこなっている。
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《ぐらんど・おだりすく La Grande Odalisque, Ingres》 2018年/飯田美穂
■井上七海(Nanami Inoue)
1996年 愛知県生まれ
2019年 名古屋芸術大学 美術学部 美術学科 洋画2コース 卒業
2021年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
「線を引く」という行為の反復により「何かを描く」 というイメージの呪縛から絵画を解放させることを試みる。機械的にも見える身体的な反復は精度を増すほど機械との違いを絵画のイメージ内に痕跡として残す。その差異はデジタル化が進む世界の中で「0」から「1」を生み出すことを求められる時代に、「0」と「1」との間には「無限」があることを気づかせてくれる。
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《SUHU_27(i) 》 2025年/井上七海
■今西真也(Shinya Imanishi)
1990年 奈良生まれ
2015年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
現在、奈良と京都を拠点に国内外で活動。幼少期、深夜の参道で闇に溶ける感覚を体験したことで、「見る」ことの本質に関心を持つ。東洋哲学を背景に、油絵具を分厚く塗り重ね筆で引っ掻くように削る行為や紐など身近な素材を用い、イメージと行為、偶然性や共通認識の揺らぎを探求し、絵画として提示している。
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《Structure object 09》 2019年/今西真也
■大上巧真(Takuma Oue)
2000年 大阪府生まれ
2023年 京都芸術大学 美術工芸学科 卒業
2025年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
小さな伝話や物質文化と、自身の身体智を制作や思考の中で擦り合わせ続け、縒り合うポイントを探している。
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《yet untitled》 2025年/大上巧真(photo Kenji Takahashi)
■大澤巴瑠(Haru Osawa)
1997年 東京都生まれ
2020年 多摩美術大学 絵画学部 油画科 卒業
2022年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
2025年 ドイツ・ライプツィヒ LIA-Leipzig International Art program 参加中
コピー機にインクを垂らし印刷をかける。印刷物を肉筆で複製することで大量生産に一回性を持たせ、コピーとオリジナルの価値の曖昧さを作品に仮託し、可視化する作品を制作している。
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《onomatopoeia》 2024年/大澤巴瑠
■大庭大介(Daisuke Ohba)
1981年 静岡県生まれ。画家。
2007年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画分野修了。
絵画を「光の場」としてとらえ、視るという行為や像の構造に揺さぶりをかけながら、知覚の制度に染み込んだ前提や認識の枠組みを解体し、編み直す実践を続けている。光、空間、関係性、偶然、行為といった要素が交錯する中で、「視る/見られる」という出来事の構造を問い直し、像が立ち現れる刹那に生じる撓(たわ)みにふれながら、絵画そのものを、感覚の限界に微かな歪みを生じさせる媒質としてとらえている。
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《M》 2019年/大庭大介
■川村摩那(Mana Kawamura)
1995年 兵庫県生まれ
2018年 早稲田大学文学部 日本語日本文学コース 近代文学専攻 卒業
2023年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
自身で書き綴った詩や散文、日本の近代文学作品などをもとに、文章の中に立ち現れる情景や文字そのものをモチーフにした絵画を制作している。言語というものが世界を知覚する手段でありながら、同時に世界を変容させる力を持つことに関心を寄せ、言葉に依拠しつつも、言葉だけでは捉えきれない感覚や印象を、絵画という視覚表現の中で探求している。
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《ESSAYS》 2025年/川村摩那
■木津本麗(Rei Kizumoto)
1998年 滋賀県生まれ
2021年 京都市立芸術大学 美術学部 油画専攻卒業
2023年 京都芸術大学大学院芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
カラーフェルトに絵の具を重ね、それをランダムに切ったものをモチーフとして描いている。木津本にとってフェルトという素材は、幼少期に母親が作ってくれたままごとのおもちゃの経験と結びついており、身体に沈んでいる“手触りの記憶”を呼び起こす存在である。
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《Floating Memories》 2025年/木津本麗
■倉敷安耶(Aya Kurashiki)
1993年 兵庫県生まれ。茨城県在住。現在は東京と関西を拠点に活動。
2018年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 修了
2020年 東京藝術大学大学院 修了
一貫して、他者との距離について制作を行ってきた。宗教・ジェンダー・死・身体等の巨視的な領域から、職業・家族等に至る身近な領域まで、共同体とケアをモチーフにしている。転写技法を用いた平面作品を主軸にした他、共食をテーマとした儀式的なインスタレーションやパフォーマンスなどを行う。
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12《九相図》 2023年/倉敷安耶
■熊谷亜莉沙(Arisa Kumagai)
1991年 大阪府生まれ 現在大阪府在住
2013年 京都造形芸術大学 洋画コース卒業
2015年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
遊郭街の裏にてハイブランドを扱うブティックを営む家庭に育つ。極めてパーソナルな体験を起点としながらも、生と死、愛憎、貧富といった表裏一体の感情を、人間社会の縮図とも言える普遍的なテーマへと昇華させる。近年は、カトリック教会で学んだ罪や贖罪、宗教に絡み合う美と権力といった、より根源的な人間の諸相を追求している。
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《Say yes to me》 2023年/熊谷亜莉沙
■白井桜子(Sakurako Shirai)
2024年 京都芸術大学 美術工芸学科 油画コース 卒業
2026年 京都芸術大学大学院芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
見ることと見られることの関係をファッションにおける装うという行為を手がかりに、絵画における視線の構造を探っている。布を支持体に差し込むなどの操作を通して、内と外、表と奥がゆるやかに反転し合う状態を立ち上げる。
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《つらなっておもて》 2025年/白井桜子
■椿昇(Noboru Tsubaki)
1953年 京都市生まれ。京都市立芸術大学美術専攻科修了。京都芸術大学教授。
1989 年に展覧会のタイトルを自ら命名した全米巡回の展覧会「アゲインスト・ネイチャー」に参加。1993 年ベニスビエンナーレ・アペルト部門に参加。2018 年からは「ARTIST‘S FAIR KYOTO」を創設してディレクターを務め、現代アートの新たなるプラットフォーム育成に注力。OCA TOKYO やユニバーサルミュージック本社、DMG 森精機などのコーポレートコレクションディレクターも兼務している。
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《アッタ》 2008年/椿昇
■椿野成身(Narumi Tsubakino)
大阪府生まれ
2018年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 油画コース 卒業
2020年 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 修了
視覚の揺らぎや曖昧さを主題に風景を描いている。自身が撮影した異なる場所の断片を組み合わせ、重ねることで時間や空間が交錯するイメージを構築する。記憶は視界の隅に残る残像のように不確かであり、その曖昧さを手がかりに風景を立ち上げる。こうして生まれる像は見知らぬものでありながら既視感を伴い、鑑賞者の内面に新たな空間や連想を喚起する表現を探求している。
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《visions diagram #52》 2025年/椿野成身
■高橋知裕(Tomohiro Takahashi)
1996年 大分県生まれ。
2019年 京都芸術大学美術工芸科 卒業
2021年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
現代日本で徐々に姿を消しつつあるプラスチック玩具や、万物に神が宿るというアニミズムの感覚を起点に、歌舞伎や文楽に由来する舞台的ストーリーテリング、アニメーションに通じる精霊的気配、1990年代のシミュレーショニズム、そして村上隆が提唱したスーパーフラットの系譜を横断する制作を行っている。
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《Animism》 2026年/高橋知裕
■長沢楓(Fu Nagawsawa)
1999年 高知県生まれ
2022年 武蔵野美術大学造形学部油画学科版画専攻 卒業
2025年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
蚤の市で見つけた民芸品を参照に、世俗的な文化の中で育まれてきた「工芸」や「民藝」の形(かた)を取り入れた絵画を制作。漂流物のように現れるイメージとの巡り合わせを降り重ねながら、視覚表現を探求する。
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《nameless pictures》 2025年/長沢楓(Photo by Kenji Takahashi)
■吉岡寛晃(Hiroaki Yoshioka)
1993年 兵庫県生まれ
2017年 京都造形芸術大学大学院芸術研究科 修士課程 芸術専攻 修了
「絵画」という現象が生起する過程に焦点を当て、一連の作品群を制作している。肌理の荒い麻布の型を取り、絵具層が満ちるまで筆致を施す。この支持体の複製は、創造的過程と「オリジナル」を指し示す。また、作品のあり方に意識を向ける意図で、作家はその多くを無題として扱う。
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《Untitled》 2022年/吉岡寛晃
作品販売について
会場展示作品は、3月6日(金)11:00より販売を開始。
プレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
展覧会詳細
「Interwoven Chapters」
会期|2026年3月6日(金)~3月27日(金)
時間|11:00~20:00 ※最終日のみ18時閉場
会場|京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
主催|京都 蔦屋書店
入場|無料
お問い合わせ|075-606-4525(営業時間内)
特集ページ|https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/52876-1110540219.html
オープニングレセプション|3月6日(金)18:00より開催します。どなたでもご参加いただけます。
京都 蔦屋書店
京都髙島屋S.C.[T8]5・6階に位置する京都 蔦屋書店は、全フロアを通じてアートと⽂化の「伝統と最先端」が共振する場です。芸術分野を広く取り扱う約6万冊の書籍と、⽇常のアートピースとなるような⽂具・⼯芸品のほか、フロア内に点在するアートスペースでは、注⽬の現代アート作品を展⽰。店頭と合わせてECサイトでもご案内いたします。約120席あるSHARE LOUNGEでは、カフェや仕事場、イベントスペースとして、居⼼地の良い空間を提供します。
住所|〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東⼊⼆丁⽬御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
電話番号|075-606-4525
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CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
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