本プロジェクトでは、屋外空間や半屋外空間における暑熱対策を目的として、ダイキンの屋外用エアコン「アウタータワー」を活用したクールスポットを設置し、暑熱対策効果について検証しました。
■プロジェクト概要
祇園祭は毎年7月に開催され、国内外から多くの人々が訪れる京都を代表する伝統行事です。一方で、近年の猛暑の影響により、祇園祭期間中に熱中症などの対策が課題となっています。
「祇園祭クールダウンプロジェクト」では、理想的なクールスポット環境の構築と最適な空間設計を行い、暑熱対策とCO2排出量削減の効果を検証しました。具体的には暑熱対策としてダイキンの屋外用エアコン「アウタータワー」を屋外クールスポットとして設置し、暑さ指数であるWBGTを用いた分析・検証を実施しました。また、「アウタータワー」を水素燃料自動車から供給される電力で運転させることで、CO2排出量の削減を図り、脱炭素化を意識した暑熱対策としての有効性についても検証を行いました。
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■実証結果
本検証では、暑熱対策としてダイキンの屋外用エアコン「アウタータワー」を屋外クールスポットとして、祇園祭の立ち見客を想定した公開空地、山鉾町の会所(各山鉾の拠点となる場所)、観覧席(一部テントが設置され、扇風機など設置された場所)の計3ヶ所に設置し、暑さ指数(WBGT)を指標とした客観的評価を実施しました。
その結果、立ち見客を想定した公開空地においては、冷風吹出口から半径約1mの範囲において、最も暑い時間帯(7月18日の京都市の最高気温33.8℃)においてもWBGT値を日常生活で熱中症リスクが高まる目安とされる28℃以下に抑制できることを確認し、酷暑下においても一定時間滞在可能な局所冷却空間を形成できることが確認できました。
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また、山鉾町の会所においては、大型テントを設置し、屋外における屋根や壁、開口部の配置といった空間構成の違いが冷却効果に与える影響を検証しました。屋外環境(テント外)と、壁(暗幕)を設けた半屋外空間とを比較し、WBGT値を測定した結果、WBGT値が約1℃~3℃低減することが確認されました。これは、屋根に加えて側方を部分的に囲うことで、外気の流入が抑制され冷気が空間内に滞留しやすくなったことによるものと考えられます。
これらの結果から、屋根・壁・開口部の配置といった簡易的な空間構成の工夫が、クールスポットの効果を大きく左右することが明らかになりました。
今回の結果は、既存の都市空間や仮設空間を活用した低コスト・短期間での暑熱対策として、他地域への展開可能性を有しています。
さらに、観覧席では、水素燃料電池自動車からの電力供給による運転を行い、暑熱対策と脱炭素化を両立する運用モデルを検証しました。
設置したアウタータワーの電源として、水素燃料電池自動車からの電力供給による運転を行い、一般的な電力供給と比較した結果、CO₂排出量を約19.4kg※削減することができました。この運用モデルは、他地域の屋外イベントにおいてクールスポットを設置する際に、CO₂排出量を削減しながら電源確保を可能とする手法として参考になると考えられます。その他、観覧席ではアウタータワーと扇風機などの他の冷風機のWBGT値比較を実測する予定でしたが、今年度は祇園祭巡行中が雨天だった為、十分な実測が出来ませんでした。
※ アウタータワーを3台7時間運転し、定格消費電力2.3kW(60Hz)
CO2排出係数を0.401kg-CO2/kWh(関西電力R5年度実績参考値)で試算
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■今後の展望
今回の実証実験では屋外および半屋外において、クールスポットエリアに天井や壁を想定した空間構成を組み合わせることで、クールスポットとしての冷却効果がより高まることが確認されました。今後更に最適で簡易的なクールスポット構築を目指し、夏場の屋内外の暑熱対策を推進していきます。また屋外イベントで電源確保の困難な場所でのクールスポット用電源として水素燃料自動車を使用した電源供給を活用していきます。
本件に関するお問合わせ先
ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室
大阪(06)6147-9923/東京(03)3520-3100