弘前大学(青森県弘前市)は3月25日、第4回太宰治記念「津軽賞」の表彰式を開催しました。これに伴い、最優秀賞「津軽賞」を個人部門で受賞した清教学園高等学校(大阪府河内長野市)1年の置田千音さんと、グループ部門で受賞したお茶の水女子大学附属高等学校(東京都文京区)1年の山田結菜さん、横内敬子さん、湯浅璃虹さんを同大のキャンパスに招待。
表彰式後には、大学の施設や太宰治の文学碑などを見学するキャンパスツアーも行いました。


  「津軽賞」は、弘前大学の前身の一つである旧制官立弘前高等学校出身の太宰治中期の傑作として名高い小説『津軽』にちなんで創設された賞です。高校生が自らの地域を探究し、自分が本当に学びたいことに気づいてもらうことを目的としており、自らの地域についてオリジナルな視点で研究・執筆された小論文を分野ごとに募っています。
 第4回コンテストは、昨年9月から10月にかけて、個人・グループの2部門で小論文を募集。全国の高校生から243件(受賞数は23件〈個人部門15件、グループ部門8件〉、うち青森県内は4件)の応募作品が寄せられました。
 選考の結果、個人部門では清教学園高等学校1年の置田千音さん、グループ部門ではお茶の水女子大学附属高等学校1年の山田結菜さん、横内敬子さん、湯浅璃虹さんのグループに、最優秀賞である津軽賞をそれぞれ授賞。2組を弘前大学に招待し、3月25日に表彰式を執り行いました。

 個人部門で受賞した置田さんは、郷土で語られている「悪竜伝説」に興味を抱き、この伝説に纏わる古刹を実際に訪ね、歴史、地理、産業との関係から郷土の文化形成に至るまでを追った小論文を執筆。審査員からはこの地を訪れてみたいとの感想も聞かれ、筆者の郷土への温かな思いを彷彿とさせる、郷土を愛した太宰の名を冠する津軽賞に相応しい作品であると、高く評価されました。
 置田さんは「文章にまとめることや、フィールドワークの内容を整理することに苦労しましたが、先生方や先輩、友人に支えていただき、小論文を仕上げることができました。今後も地元への思いを研究に生かしながら進んでいきたいです」と、今後の抱負を語りました。

 グループ部門で受賞した山田さん、横内さん、湯浅さんは、東日本大震災の津波被害から逃れた南三陸町の小学校の事例をもとに、津波の到達海抜を伝承する災害碑が建てられていたことに着目し、自分たちの地域に残る自然災害伝承碑がどのような意義を持つのかを紐解く研究に取り組みました。

 文献調査による調査対象碑の選定、現地調査、そして現在のハザードマップとの比較検証という三段階の構成で研究計画が立てられ、古文の全文解読をはじめとした解析の結果、碑文が示す被害と現在のハザードマップにおける被害想定との間に乖離があることを見出し、ハザードマップ改良への提言にまで踏み込むなど、論文全体の完成度が高く高評価に繋がりました。
 3人は「昨年のカムチャツカ沖地震で初めて津波警報を聞き、不安を感じたことから『地域防災』に興味を持ち、今回の研究を行いました。多くの文献を提供してくださった先生方や、支えてくれた保護者の皆さまに心より感謝しています。今後も3人で力を合わせ、地域に貢献できる研究を続けていきたいです」と語りました。

 福田眞作学長は「『なぜ』を繰り返し問い続けたことが、今回の論文を生み出す原動力になったのではないかと思います。疑問に思ったことや好奇心を深く追究していくことこそが、本来の“学び”であり“研究”です。ぜひこれからも疑問を持ち続けながら、高校生活の中で学びを深めていってほしいと思います」と、受賞者らにメッセージを贈りました。

 表彰式の後には、キャンパスツアーを実施。受賞者らは大学構内を巡り、大学の施設や太宰治の文学碑などを見学しました。

 なお、第5回弘前大学太宰治記念「津軽賞」の公募開始は2026年秋を予定しています。

■第4回 弘前大学太宰治記念「津軽賞」受賞者

【最優秀賞】
●個人部門
「龍泉寺『悪竜伝説』が物語る富田林の歴史と水資源との関係」
 清教学園高等学校 置田千音(1年)
●グループ部門
「千葉県外房エリアの自然災害伝承碑が伝える防災教訓 ―元禄地震の災害碑・古記録の調査分析に基づく津波ハザードマップの改良提言―」
 お茶の水女子大学附属高等学校 山田結菜(1年)、横内敬子(1年)、湯浅璃虹(1年)

※受賞結果の詳細については「太宰治記念 津軽賞」特設サイト( https://tsugarusho.hirosaki-u.ac.jp/award/award-2025/
)を参照。

(参考:弘前大学公式サイト内)
・第4回 弘前大学太宰治記念「津軽賞」表彰式を挙行しました
 https://www.hirosaki-u.ac.jp/topics/112806/

(関連記事)
・弘前大学が太宰治記念「津軽賞」第4回地域探究論文高校生コンテストの応募を10月31日まで受付中 ―「歴史・文化・社会」「技術・環境・食」「ライフ・健康・教育」の3分野(2025.09.09)
 https://www.u-presscenter.jp/article/6461
・弘前大学が第3回太宰治記念「津軽賞」の表彰式を挙行 ― 個人部門・グループ部門の最優秀賞受賞者を大学に招待し、キャンパスツアーも実施(2025.03.31)
 https://www.u-presscenter.jp/article/10423

▼本件に関する問い合わせ先
弘前大学
住所:青森県弘前市文京町1番地
TEL:0172-39-3012
FAX:0172-37-6594

【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
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