また、eve autonomyでは、この新型車両を用いた自動搬送サービス「eve auto」の提供を予定しており、来夏の正式リリースに向け、同日より先行受注を開始している。
「eve auto」は、全天候・屋内外の環境を含む閉鎖空間での搬送自動化ニーズに幅広く対応できるよう開発された自動搬送サービス。
すでにこれまで、ヤマハ発動機の浜北工場をはじめとする複数の工場で試験的に実運用が行われており、運用する中で得られたフィードバックをもとに、サービスが開発・構築された。とくに走破性や牽引・積載能力を必要とする顧客の自動搬送ニーズに応えられるものになったという。
一定の段差や傾斜にも対応できる優れた走破性と、天候や周辺物の存在など多様な環境に適応するロバスト性を有し、さらに1,500kgまでの牽引能力、または300kgまでの積載能力も持っている。
自動運転EVによる搬送の仕組みは、現在のモノづくり・生産現場におけるさまざまな課題を解決できると期待される。
例えば物流シーンでは、多品種少量生産のニーズが高まる中、慢性的な人手不足に悩まされ、作業員配置を前提とした従来型の設備や運用では効率的な生産体制が維持しづらくなってきている。ここに自動搬送サービスを導入すれば、工場内での効率的オペレーションを推進、人為的な事故件数を減らし、理想的な運用が可能になると考えられる。
中でも生産ラインの大きい製造現場・向上や、広い敷地内での搬送ニーズがあるプラント、建物間の坂路を含めた搬送が必要な物流拠点などでは、大いに力を発揮するとみられている。
しかし、これまでこうした自動搬送の方法はソリューションとして検討されても、車両本体をはじめとする高額な初期投資費用が必要になるほか、長期間に及ぶ導入工事も行わねばならないなど、導入ハードルの高さが問題となってきた面がある。
そこで「eve auto」では、サブスクリプション型契約形態を採用、幅広い現場が利活用を検討しやすいものとした。
なお生産工場などにおける商用サービス以外の用途として、自動運転技術の研究開発プラットフォームでの利用も視野に入れているという。
ティアフォー、ヤマハ発動機、eve autonomyの3社は、今後もそれぞれの強みを活かしつつ、自動搬送ソリューションをより身近に、誰にでも扱えるものとすべく、サービスの開発・提供を進めていくとした。
(画像はプレスリリースより)