高性能ソルバーをリリース、無償版提供も
大規模な計算を伴う最適化計算事業を実施するスタートアップの株式会社Jij(以下、Jij)は25日、高性能ソルバー「JijZept Solver(ジェイアイジェイ・ゼプト ソルバー)」の正式リリースを発表した。手軽に試せる無償版のクラウド提供もスタートしている。


Jijはこれまで、多様な産業が直面する課題に対し、数理最適化プロジェクトや研究開発を推進してきた。その中で培われた数理最適化アルゴリズムに関する知見と実装ノウハウを結集し、実社会の多様な課題解決に資する「JijZept Solver」を開発したという。

量子・最適化技術を活用した次世代開発ソフトウェアプラットフォーム「JijZept」の中のアプリケーションとして設計されたもので、このソルバー製品を活用すれば、専門家でなくとも、複雑な実務問題に対応する高度な最適化計算を高速で実行できるようになる。

最小限のパラメータ設定で使えるから専門知識不要!
「JijZept Solver」は、独自の高性能ヒューリスティックアルゴリズムを内蔵しており、通常、厳密解を求めることがきわめて困難な大規模かつ複雑な現実の問題に対し、実用的な時間内に質の高い解を迅速に算出させることができる。

多様なシーンに対応するため、製造業の生産計画や物流の配送ルート最適化、金融ポートフォリオの最適化など、業種業態を問わず幅広い分野で応用できると考えられている。

シンプルな操作性にこだわり、「数理最適化を手軽に試したいPythonエンジニア」や、「自社の課題解決に最適化技術の導入を検討している企業の開発部門」担当者、「イジングマシンを用いた組合せ最適化に関心のある研究者・開発者」などが容易に、直感的に利用できるようデザインされた。

具体的には、time_limit_sec(計算時間)など、最小限のパラメータを指定しさえすれば、複雑な設定を行わずとも最適化を実行可能としている。

また、線形計画(LP)や混合整数計画(MILP)、二次計画(QP)、二次制約問題(QCP)など、代表的な6種類以上の問題クラスを自動で判別、内部で最適な探索手法を選択していくため、ユーザーは問題特性を意識する必要がない仕様ともなっている。

幅広い利用ケースを考え、クラウド上でのデータ利用が難しい、とくに機密性の高い情報を扱うユーザー向けとして、オンプレミスでの提供も可能とした。これによりエンタープライズ向けのセキュリティ要件も遵守し、よりセキュアに最適化技術を利活用できるようにしている。

無償版はクラウドベースとなるが、基本的機能の体験はできる。「JijZept」シリーズは有償のスタンダードプランを用意するが、まずは無償で試すことが可能で、有償プランと同等のコア機能を実行時間10秒の制限付きで提供するという。


希望者は専用登録フォームから簡単な必要事項を入力、送信すればよい。送信すると、APIリクエストに必要な情報が送られてくる。

(画像はプレスリリースより)

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