株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の教育産業市場(主要15分野)を調査し、サービス分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

2024年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.7%増の2兆8,555億7,000万円となった。
2024年度において前年度比でプラス成長となった分野は、「幼児向け英会話教材市場」「資格・検定試験市場」「語学スクール・教室市場」「幼児体育指導市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」「学習参考書・問題集市場」の7分野であり、特に「企業向け研修サービス市場」の拡大が全体市場の底上げに寄与した。一方、深刻化する少子化の影響などを受けて苦戦がみられる分野も多い。教育産業市場(主要15分野)で最大規模の「学習塾・予備校市場」は事業者間の業績の好不調などを背景に停滞傾向にあり、新型コロナウイルス禍で需要を高めた「通信教育市場」は幼児向け、学生向け、社会人向けともに縮小した。また、「eラーニング市場」は法人向けのBtoB市場が堅調に推移しているものの、個人向けのBtoC市場の停滞によって成長鈍化がみられている。

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2.注目トピック~学習塾・予備校事業者の多くが、生成AIの学習サービスへの活用に関して慎重なスタンス

学習のデジタル化において生成AIの活用が注目されている。現状、教育産業において生成AIが活用されている領域としては、テストや教材の自動生成、分からない用語の説明文の自動生成、授業の音声の文章化、学習アドバイスの自動生成、質問回答の自動生成、語学学習の発話トレーニング、学習者のレベルに応じた問題や問題解説の自動生成などが挙げられる。一方、学習塾・予備校事業者の多くは生成AIの活用について研究は進めてはいるものの、現状における学習サービスでの活用に関しては限定的である。当面における学習サービスへの生成AIの活用は、学生向けの学習サービスの多くではハルシネーション(AIが誤った情報を正しい情報のように生成してしまうこと)などの問題から慎重な姿勢が続く一方、社会人向けの学習サービスでは活用の活発化が予測される。

3.将来展望

2025年度の教育産業全体の市場規模(主要15分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比0.6%増の2兆8,720億6,000万円を予測する。2025年度は、「幼児向け英会話教材市場」「資格・検定試験市場」「語学スクール・教室市場」「幼児体育指導市場」「企業向け研修サービス市場」「eラーニング市場」の6分野が前年度比プラス成長での推移となり、前年度に続いて「企業向け研修サービス市場」の拡大が全体市場の底上げに寄与するものとみる。

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調査要綱
1.調査期間: 2025年7月~9月
2.調査対象: 学習塾、予備校、通信教育事業者、資格取得学校、語学スクール、幼児教室、 体操教室、研修サービス事業者、eラーニング事業者、学習用教材会社、業界団体、管轄省庁等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・e-mailによるヒアリング、ならびに各種文献調査併用
4.発刊日:2025年9月25日

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