株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のオーガニック・自然派食品の市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。ここでは、オーガニック食品市場規模について、公表する。


1.市場概況

2024年度の国内オーガニック食品市場規模(農産物と加工食品の合計)は小売金額ベースで、前年度比2.6%増の2,403億円と推計した。

当該市場は2020年の新型コロナウイルス禍以降、巣ごもり需要の増加と消費者の健康志向の高まりといった追い風を受け、2020~2021年度は堅調に推移した。

しかし2022年度以降、世界情勢の変化に伴う欧米のインフレと円安進行により、輸入品の輸入コストが上昇、販売価格の値上げを余儀なくされた。それまでオーガニック食品市場(特に加工食品)の拡大を牽引していた輸入品は、国産品との比較において価格競争力を有していたが、この価格メリットが弱まったことで、以前と比べ、市場の成長率は鈍化した。

2023年度以降は、国産品、輸入品ともに値上げが続いており、単価上昇に伴って参入企業各社の金額ベースの売上高は増加しているものの、数量ベースでは伸び悩みがみられる。2025年度については、国内消費者の節約志向が強まる中で厳しい局面を迎えている。特に春から夏にかけて、米や野菜といった身近な食品の価格高騰が続いたことで、節約志向がより一層顕著となった。オーガニック食品を嗜好する消費者は、その価値を認識して購入する層が中心であるため、一般食品と比べて価格志向による買い控えは発生しにくいが、カテゴリ別の選別購買が拡大しており、例えば野菜などの生鮮食品ではオーガニック商品を選択する一方で、加工食品では一般食品を選択して支出を抑制するといった消費行動が見られるようになっている。

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2.注目トピック~オーガニックビレッジ宣言市町村数は150を突破、課題は加工流通の促進

農林水産省では、有機農業の拡大に向けて「オーガニックビレッジ」※という取り組みを進めている。オーガニックビレッジ宣言を行う市町村数は2025年までに100市町村を目標としていたが、2024年度終了時点で131市町村となり、目標を前倒しで達成した。2025年度からは新たに23の市町村が取り組みを開始し、宣言市町村は154となるなど拡大をみせている(※2025年12月26日時点)

宣言市町村の取り組みは、生産、加工流通、販売拡大、普及啓発など、川上から川下まで多種多様である。生産拡大にむけた取り組み支援ではオーガニックスクールの開校のほか、農業大学校におけるオーガニックカリキュラムの新設など、新しい取り組みがみられる。


一方、加工流通分野は、生産から消費への重要な中間段階であり、付加価値の創出と販路拡大に直結する領域であるものの、有機JAS認証を取得した加工事業者や工場が不足している市町村が多く、これが目下の課題とされる。同一市町村内で加工できない場合、生産したオーガニック農産物を近隣市町村の認証工場に持ち込んで加工する必要があり、輸送コストの増加が単価を押し上げ、地域内での販売競争力を低下させている。今後はこうした分野への取り組みの強化が求められる。

※「オーガニックビレッジ」とは、有機農業の拡大に向けて、ほ場(農地)の団地化などの生産から学校給食の利用など消費まで一貫した取組を、農業者、事業者、地域内外の住民などの関係者が参画の下、地域ぐるみで進める市町村のことである。
出典:農林水産省ウェブサイトオーガニックビレッジ(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/organic_village.html

3.将来展望

国内のオーガニック食品市場規模(農産物と加工食品の合計)は小売金額ベースで、2024年度の2,403億円から2028年度の2,591億9,000万円へと、2024年度比で7.9%の拡大を予測する。一方、2024年度から2028年度における年平均成長率(CAGR)は1.9%程度の緩やかな拡大にとどまるとみる。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4007

調査要綱
1.調査期間: 2025年10月~12月
2.調査対象: オーガニック・自然派食品関連市場に参入する食品メーカー、問屋、小売業、生産者、オーガニック戦略を推進する市町村(地方自治体)等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、電話によるヒアリング、ならびにアンケート調査併用
4.発刊日:2025年12月11日

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