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本計画は、台湾デザイン研究院が中心となり、交通部、衛生福利部、環境部資源循環署、内政部国土管理署と共創した公共図記号システムです。台湾の公共空間では、主管機関ごとに異なる図記号が使用されてきたため、統一性や視認性、利用方法の分かりにくさが課題となっていました。本プロジェクトは、国際基準と整合しつつ法規に適合した中立的な図記号体系を整備することで、公共環境における情報伝達の質の向上と、運用の効率化を目的としています。2024年1月には台湾における基礎的な参照標準の整備を目指し、国家標準への採用申請が行われました。
今回制定された CNS16282 は、公共施設、交通施設、観光、スポーツ施設、商業施設、行動指示、安全、アクセシビリティの8分野を網羅し、合計253種類のピクトグラムを収録しています。公共環境における柔軟な活用を想定し、原則として単色表現を採用していますが、安全分野については CNS 9328 に基づく色彩規定に準拠しています。なお、本標準は一般公共空間を対象としており、鉄道・航空・道路標識などの交通信号類は対象外とされています。
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開発にあたっては、国際標準 ISO および日本の JIS 規格を参照し、「通用性」「一致性」「簡単性」「視認性」を設計原則として設定しました。さらに、公共サイン計画の分野で豊富な実績を持つ日本の専門家である 赤瀬達三(黎デザインアソシエイツ)および 交通エコロジー・モビリティ財団 の協力を得て、国際的視点からの助言と検証を行いました。長年にわたり公共サインやアクセシビリティ分野の研究を蓄積してきた知見を参照することで、視認性や理解性だけでなく、実際の公共環境における運用性にも配慮した設計が行われています。
設計プロセスでは、調査研究、プロトタイピング、検証を含む1年以上の開発期間を経て、年齢、性別、障害の有無、外国人など多様な背景を持つ245名を対象に理解度および視認性のテストを実施しました。
特に重視されたのが、ヒューマンセンタード視点に基づくインクルーシブデザインです。人物を表す基本形において性別を限定しない中性的な表現を採用し、従来の固定的な人物像に依存しない設計を行いました。また、アクセシビリティ関連図記号についても、従来の補助対象としての表現から、主体的な行動を想起させる造形へと見直しています。
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本プロジェクトは国際的にも評価され、アメリカに拠点を置く体験デザイン分野の国際団体「SEGD(Society for Experiential Graphic Design)」が主催する「SEGD Award(SEGDグローバルデザイン賞)」において「Honor Award(名誉賞)」を受賞しました。特にインクルーシブデザインの観点が評価され、世界の多くの地域において依然として家父長的な価値観が残る中、人の概念をより広く包摂的に捉える視点を提示した点が注目されました。台湾から示されたこの試みが国際的な専門機関に評価されたことは、公共デザインにおける価値観の更新という観点からも重要な意味を持つものといえます。
本ピクトグラムはオープンデータとして公開されており、CC BY 4.0 ライセンスのもと、共有、改変、商用利用が可能です。公共機関のみならず、民間事業者、教育機関、デザイナーなど多様な主体による活用が期待されています。使用にあたっては関連法規への適合に留意する必要がありますが、公共空間における情報伝達の質向上、アクセシビリティの改善、産業分野での応用促進など、多方面での展開が見込まれています。
台湾デザイン研究院は、本標準の整備とオープン化を通じて、公共環境における情報伝達の基盤を強化し、多様な人々が利用しやすい社会環境の形成を目指しています。今後も社会的ニーズや国際動向を踏まえながら継続的な改善を行い、デザインを通じた社会課題解決と国際連携の推進に取り組んでいきます。
参考情報
■ 国家標準 CNS16282 オンライン閲覧
https://www.cnsonline.com.tw/?node=result&generalno=16282
■解説
https://www.tdri.org.tw/en/news/57?slug=news
https://www.youtube.com/watch?v=48nQZtkRiMs
■ オープンデータ申請フォーム
https://tdri.surveycake.biz/s/v2xNP
■ SEGD Award プロジェクトページ
https://segd.org/projects/taiwan-public-pictogram-system-tpps/
配信元企業:財団法人台湾デザイン研究院
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