1990年代の内因性カンナビノイド系(Endocannabinoid system)の発見により、Cannabis & Cannabinoidsの分野の研究が世界中で急速に進展しています。我が国では、文部科学省および日本学術振興会が交付する科学研究費助成事業(科研費)においても2015年~25年に「大麻・カンナビノイド・エンドカンナビノイド」の領域を研究する大学等研究者は200人以上存在しています。
2025年からは大麻栽培法/麻向法の改正に基づき、大麻草研究者・麻薬研究者・麻薬施用者等の免許があれば、大麻草の栽培、成分抽出、成分分析、Δ9-THC,Δ8-THCの取扱いも可能となりました。
そのため、これらの原料及び化合物を用いた機器分析、細胞実験、動物実験、ヒト臨床試験等の研究を進めることができます。
本学会では、このような情勢の変化を踏まえ、日本の研究者の能力向上と人材育成のために医学・薬学系の研究者(大学院生及び学部生を含む)、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの国家資格を有する医療従事者であれば、関連する国際会議の参加者支援及び学術論文投稿支援を始めました。
ご関心のある方は、本学会の正会員となり、ご応募をいただければと思います。投稿前にエントリーを随時受け付けています。
次のよう支援助成メニューになります。
関連研究に従事する方へ
(1)国際会議発表者
年齢制限なし
20万円まで
これから研究したい方へ
(2)国際会議若手参加者
35歳以下
10万円まで
学術論文を投稿したい方へ
(3)学術論文投稿支援
年齢制限なし
20万円まで
正会員でない方は、本学会へ入会申請してからご応募下さい。 2026年度は3名程度を募集しています。参加対象となる国際会議・国際学会は会員向け学会ニュースを参考にして下さい。
学術論文投稿支援では、英文翻訳/英文校正/投稿料を対象としています。
詳しくは国際会議参加支援要項または学術論文投稿支援要項を参照し、申請用紙に必要事項を記載して、メールにてご応募下さい。
支援助成申込はこちらのサイトから
http://cannabis.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=27059
【画像 https://www.dreamnews.jp/press/346092/images/bodyimage1】
図 学術データベースPubMedの大麻・カンナビノイド関連論文数の推移(1950ー2025年)
<用語集>
Δ9-THC:
デルタ9-テトラヒドロカンナビノール。THCとも表記される。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、最も向精神作用のある成分。いわゆるマリファナの主成分として知られている。痛みの緩和、吐き気の抑制、けいれん抑制、食欲増進、アルツハイマー病への薬効があることが知られている。
CBD:
カンナビジオール。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、向精神作用のない成分で、てんかんの他に、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、神経性疼痛、統合失調症、社会不安、抑うつ、抗がん、吐き気抑制、炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、クローン病、心血管疾患、糖尿病合併症などの治療効果を有する可能性があると報告されている。2018年6月に行われたWHO/ECDD(依存性薬物専門家委員会)の批判的審査では、純粋なCBDは国際薬物規制の対象外であると勧告された。
CBN:
カンナビノール。144種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、THCが酸化・分解して生じる成分として知られ、向精神作用はTHCより弱いとされている。近年は、睡眠、鎮静、疼痛、炎症、神経保護、食欲、抗菌作用などとの関連が研究されており、神経変性疾患や慢性疼痛、炎症性疾患などに対する治療効果を有する可能性が報告されているが、CBDほど臨床エビデンスは蓄積しておらず、ヒトでの有効性はなお限定的である。
内因性カンナビノイド系:
内因性カンナビノイド系(ECS)は、内因性リガンド(アナンダミド、2-AG等)、それらのカンナビノイド受容体(CB1,CB2等)、および内因性カンナビノイドの形成と分解を触媒する酵素(FAAH、MAGL等)を含む脂質の複雑なネットワークである。内因性カンナビノイド系は、学習と記憶、感情処理、睡眠、体温制御、痛みの制御、炎症と免疫応答、食欲など、私たちの最も重要な身体機能の調節および制御を担っている。
2018年米国農業法による「ヘンプ」の定義:
「ヘンプ」という用語は、「大麻(学名Cannabis sativa L.)」の植物および、その植物のいずれかの部位(種子と全ての派生物、抽出物、カンナビノイド、異性体、酸、塩、異性体の塩を含む)であり、成長しているか否かにかかわらず、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(delta-9 tetrahydrocannabinol)の濃度が乾燥重量ベースで0.3%以下であるもの」を指す。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
日本の大麻取締法
我が国における大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきた。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられた。ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(1948年7月10日制定、法律第124号)を制定した。医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(1948年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となった。その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減した。
現在は、厚生労働省による21年大麻等の薬物対策のあり方検討会(全8回)、22年大麻規制検討小委員会(全4回)を経て、23年1月12日の厚生科学審議会 (医薬品医療機器制度部会)にて法改正の方向性が示された後、第212回臨時国会にて大麻取締法(大麻草の栽培の規制に関する法律案)、麻薬及び向精神薬取締法を一部改正する法律案が成立して公布された。24年12月及び25年3月に施行された。
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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