元々は軍用車ハンヴィーの民生版として登場したハマーH1に始まり、そのリアルなヘヴィデューティさで一世を風靡したハマー。AMゼネラル社からGMに販売権が移り、その後H2、H3とラインナップを拡大するも、環境性能の低さなどもあって次第に人気が下がっていき、ついにブランドの幕を下ろすことになる。
そんなハマーがまさかの復活。しかも超ド級バッテリーEVとして甦った。その名もGMC ハマーEV。昨年発表されるや瞬く間にソールドアウトとなった、そのファーストエディションに、アメリカのGMテストコースで試乗することができた。驚き、そして思わず笑顔になってしまった、その模様をお伝えする。
【画像】電気自動車で復活したハマー
それにしても迫力満点。凄まじい存在感である。従来のハマーH1、H2のイメージをうまく採り入れたデザインは完成度が高いが、理由はそれだけじゃない。サイズがとんでもなく大きいのだ。何しろこのピックアップは全長5507mm×全幅2202mm×全高2009mmもある。アメリカの、しかも広大なテストコースの中でならいいが、日本の街中で渡されたらちょっと動かすだけで冷や汗モノに違いない。
BEVということもあり、車体はすべてゼロから生み出された。
それは悪路走破性のためでもあるし、凄まじいパワーとトルクを確実にトラクションに置き換えるためでもあるはずだ。ハマーEVに搭載された電気モーターは合計3基。前輪に1基、そして左右後輪にそれぞれ1基ずつが積まれている。ファーストエディションでは、その合計出力1000PS! とんでもないスペックが与えられているのである。
左右独立のリヤモーターはトルクベクタリングを可能にする。しかもハマーEVには10°という大きな操舵角を持つ後輪操舵機構も搭載されている。
何しろ、このゴツい車体である。車両重量は何と4トンにも達する。ラミネート型バッテリーを積層するタイプのリチウムイオンバッテリーであるGMのアルティウムバッテリーを、このハマーEVは何と200kWh、重さにして約1トン分も搭載しているのだが、そんなわけで航続距離は約530kmに留まる。まあ、このクルマに乗ろうというユーザーにとって、それが問題になることはないだろう。
■巨大なのにコーナリングが軽快!?
ともあれドライブしてみよう。
Dレンジ入れて発進させると、この巨体が重さを感じさせることなくスーッと、しかも静かに動き出して、まさにBEVだと実感させる。加速も軽快で、普段使いの場面ではアクセルペダルを深く踏み込む必要はない。
驚いたのはコーナリングすらも軽快と感じられることだ。絶対的な車重はあってもフロントに巨大なエンジンが載っているわけではなく、前後バランスはおそらく悪くないこと、そして後輪操舵の効果だろう。舵を入れた方向にクルマがグイグイと、しかも自分を中心とした感覚で曲がっていく。
エンジン音の代わりに加速時には室内に電子音が響くが、そのボリュームは適度であり、また音質もやたらデジタルっぽいものではなく、耳馴染みがいい。クルマとの対話に役立ち、快適なドライブの邪魔をしない、絶妙な設定である。
OFF-ROADモードで走行したモーグル路面でも、アクセルコントロールがしやすいので姿勢の制御がしやすく、とても走らせやすかった。
■カニ歩き…で縦列駐車がしやすくなる?
そしてまたまた驚かされたのが「Crab Walk」体験である。
広くフラットな道の前で車両を一旦停止させて、Crab Walkモードに。ゆっくり発進して左にステアリングを切り込むと…確かにクルマの向きは変わらないのに、クルマが左に進んでいく! 右に転舵すると、また同じように右に。この感覚を一体どう表現したらいいのか……。カニ歩きというより、スピードスケートで前進していく感じが近いようにも感じられた。おそらく日常的に役立つ場面はそうは無いだろうが、縦列駐車はしやすいかも。極限のオフロードでは有用な場面もあるのだろう。
続いては「TERRAIN」モードを試す。このモードではアクセルの反応が穏やかになり、また完全なワンペダルドライビングが可能。減速力は2段階に設定できる。一番役に立つのは岩場を乗り越えるような場面だ。
険しいオフロードを抜けたあとには、フラットダートへ。ここで促されて、OFF-ROADモードに戻して完全停止からのフル加速を試みた。アクセルを床まで踏み切ると、身体が一気にシートバックへ! 加速は予想通り凄まじく、テールを左右に振りながらも無理やりクルマを前に進めていく。これはもう笑うしかない、という感じ。何しろ0-60mph(約96km/h)は、約3.0秒という、この巨体が突進していく様は、狂気すら感じさせるものだ。
■残念ながら?日本導入は計画なし
GMはなぜ今この時代にハマーEVを登場させたのか。BEVは環境負荷低減のためだという文脈からは理解不能かもしれないが、おそらく2035年までに販売車両をすべてBEV、そしてFCV(燃料電池自動車)に置き換えようとしているGMとしては、BEVならばこんなことができる、こんな楽しさを提供できるということを、すべてが振り切ったような超ド級のBEVで表現し、アピールしたかったに違いない。
さらに言えば、技術陣はBEVの開発に何が必要かといったことも、このクルマから大いに学んだはずだ。ハマーEVの下回りもゴツかったが、同じ日に試乗したキャデラック初のBEV、リリックもハブはなんと6穴という仕様だった。間違いなく、ここで培われた活かされている。
アメリカでは続いてSUV仕様も登場しているハマーEV。これを読んで興味をもたれた方も居るかもしれないが、残念ながらこのクルマには日本導入の計画はないという。サイズも走りも考え方も、すべてがまさにアメリカンスケールのクルマだけに、日本は狹すぎると言われたら、確かに返す言葉は見つけられそうにないのだけれど…。
〈文=島下泰久〉

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