【画像】けっこう悩むかも!? ドルフィンの2グレードの違いを写真で見る
■日本にジャストの専用設計
ボディサイズは少し独特だ。4290mmの全長は、いわゆるBセグメントとCセグメントの中間。全幅は1770mmとグローバル基準のワイドさだ。全高も一般的なハッチバックより背高の1550mm。この3サイズはマツダ CX-3と同等で、実際もBセグクロスオーバーなみのボリューム感がある。
2700mmのロングホイールベースも特徴で、後席には身長175cmの乗員を基準にしても握り拳が縦に2つ分以上のニールームがある。足元のフロアは完全にフラットだ。この後席の広さはCX-3を明らかに上まわる。このロングホイールベースはアット3と同じ最新のBEV専用骨格「eプラットフォーム3.0」を採用したためでもある。
BYDはドルフィンのターゲットについて、地方部ユーザーの2台目需要とともに、マンションなどに住む都市部のユーザーも想定している。じつは、ドルフィンの全高は元々1570mm(シャークフィンアンテナ部)。
■標準仕様とロングレンジで多様なニーズに応える
パワーユニットには2タイプを用意する。ともに前輪駆動だ。主力と思われるのは、総電力量44.9kWhのバッテリーに95馬力・18.4kgmの駆動モーターを組み合わせた標準仕様。カタログ上の一充電航続距離は400kmだ。もう一つはアット3と同じで、バッテリーが58.56kWh、モーターは204馬力・31.6kgmと高出力な仕様。ドルフィンではこちらを「ロングレンジ」としている。ただし、一充電航続距離は476kmで、標準仕様との違いは動力性能のほうが大きい。ロングレンジというより“ハイパフォーマンス”か!?
今回の試乗車は量産前の日本仕様。
■リヤサスに違いあり!どちらも乗り味に特徴がある
そして、シャシーも明確に違うのだ。標準仕様はリヤサスペンションが固定式のトーションビーム。かたやロングレンジには車重増と出力アップに対応すべく、アット3同様に独立式のマルチリンクをおごっている。フィーリングにしても、ソフトな乗り心地重視は両車に共通するが、標準仕様は旋回中のアクセルのオン/オフで、タックインのような挙動変化が今どきのクルマにしては大きく出る。ロングレンジは初期からロールの発生を若干抑え、安定感が向上。ステアリングレスポンスも標準仕様より高く、アット3と比べてもスポーティに仕上がっている。ブレーキフィールはペダルの剛性感、制動力のリニアリティともにいまひとつ。
乗り心地は全体的にソフトで強い突き上げ感はないが、舗装路面の凹凸から細かい振動が伝わってくる。
室内の静粛性については、パワーユニットはアット3同様、ささいな電気系ノイズも感じさせない出来栄えだ。そのせいもあってか、ロードノイズや車外音はエンジン車より目立つように感じられる。この点はクラスなりといったところだろう。
音でもっとも気になったのは、約30km/h以下で歩行者に注意を促す車両接近通報装置だ。この音が車内スピーカーから鳴っているのかと思えるほど透過してくる。試乗車の一台は、ほかにもウインカーの作動音、速度超過や車線逸脱や車線変更衝突予測の警告音など、何らかのすべて異なる音が走行中ほとんどつねに鳴っており、それはにぎやかで正直落ち着かなかった。ウインカー音などは好みに設定可能とのことなので、発売後の量産車であらためて確認したい。
■実用性と充実装備で攻める。価格も大いに期待できる!?
日本車や欧州車ほどのシャシーレベルや内装のカッチリした仕上がりは求められないものの、タウンユースからロングドライブまで実用性能は文句なし。各種装備はクラスを超えた充実ぶりだ。
大注目の価格発表と販売開始は、来る9月20日だ。
■ドルフィン(FF・ー) 主要諸元[ ]内はドルフィン ロングレンジ
【寸法・重量】
全長:4290mm
全幅:1770mm
全高:1550mm
ホイールベース:2700mm
トレッド:前後1530mm
最低地上高:―
乗車定員:5人
車両重量:1520[1680]kg
【パワートレーン・性能】
モーター型式・種類:TZ180XSF[TZ200XSQ]・交流同期電動機
定格出力:35kW[65kW]
最高出力:70kW(95ps)/3714~14000rpm[150kW(204ps)/5000~9000rpm]
最大トルク:180Nm(18.4kgm)/0~3714rpm[310Nm(31.6kgm)/0~4433rpm]
駆動用主電池種類:リン酸鉄リチウムイオン電池
総電圧:332.8[390.4]V
総電力量:44.9[58.56]kWh
交流電力量消費率(WLTCモード、BYD調べ):129[138]Wh/km
一充電走行距離(WLTCモード、BYD調べ):400[476]km
最小回転半径:5.2m
【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後トーションビーム[マルチリンク]
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:205/55R16
〈文=戸田治宏 写真=佐藤正巳〉