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ノマドはかつてエスクードに用いられていた車名で、1990年に発売されたロングバージョンを設定したのを機に採用された。1月30日の記者発表会でスズキの鈴木俊宏社長は、自ら車名を提案したことを明らかにした。エスクード自体が日本におけるコンパクトSUVの開拓者としてヒット。その5ドア版として裾野を広げたモデルがエスクードノマドである。今回、ジムニーシエラの5ドア仕様を追加するに際して、ジムニーシリーズの一員に加わるということが、エスクードノマドの再現であると社長が命名したわけである。
サブネームを設定したのは、軽自動車のジムニーと、小型車登録の3ドアモデルのジムニーシエラ、その5ドア車がジムニーノマドと、それぞれでしっかりとポジションを維持してもらいたいという願いが込められている。
商品企画を担当した天野俊之氏によると、社長がジムニーノマドの名前を開発陣に提案したときには、まだ車名が決まっていなかったそうで、軽のジムニーとの差別化を図るため、小型車のジムニーシエラとしたうえで、3ドアか5ドアの違いにするか、もしくは別のネーミングにするという方向性を想定していたという。そんななか、社長から直接提案があったことに、大変驚いたそうだ。
結果的に、ジムニー、ジムニーシエラ、ジムニーノマドと3系列を構成するにあたり、ノマドは最適なネーミングだったのではないか。「昔のエスクードノマドを存じ上げている方には『そういうことか』と気付いていただけるというのを含めて、非常によい結果になったのではないか」という気持ちも語ってくれた。
ジムニーノマドのエンブレムは、過去のエスクードノマドのデザインがベースになっているが、まったく同じではないという。「エスクードノマドのときにはデカールでしたが、今回は型で成型した立体的な造形になっていますので、それに合わせて形は微妙に修正しています。立体のカドがとがらないようにしているのが一番大きく違うところです。平らなデカールですと、危害性はありません。立体では触ったときにとがっていて危ないというのがなかったと。立体ものになってくるとどうしてもそのあたりの調整が必要になってきます」(天野氏)
社長がエスクードノマドの名前を念頭に車名を提案したという話もあったので、すんなりと過去のモチーフを継承していくことになったそうである。
過去の「ノマド」を知る人はなつかしく、そうでない人にも“らしさ”を感じられる。そんなノマドというネーミングにはスズキの並々ならぬ思いが込められているのである。
〈文=ドライバーWeb編集部〉

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