それにしても「おしっこ」ですよ! てっきり「虚構新聞」ネタだと思ったら、ホントの話でした。メーカーはゲームメーカー大手のセガ。この「斜め上」の進化っぷりに、ただただ脱帽です。
写真のとおり、小便器にセンサーと液晶パネルが設置されています。便器の「的」に向けて放尿すると、脇に取り付けられたセンサーがおしっこのスピードをキャッチし、液晶パネルでゲームが進行する仕掛け。得点表示にあわせて、お店の広告などを表示させることもできます。
つまり本ゲームのビジネスモデルは、お客さんからお金を徴収するのではなく、お店に導入してもらい、広告メディアとして使ってもらう仕組み。確かにトイレの中に広告が貼られているお店って多いですよね。ゲームとセットにすることで、ついつい毎回見ちゃう。おもしろいところに目を付けたなあ。
公式サイトによるとゲームの種類は▽放尿量を競う「溜めろ!小便小僧」▽放尿で落書きを消す時間を競う「落書き早消し!何秒で消せるかな?」▽放尿の勢いで服を脱がす「北風と太陽とア・タ・シ」(「・」はハートマーク)▽直前に放尿した人と押し相撲をする「ぶっかけバトル!鼻から牛乳」の4種類。
というわけで、さっそくロケテストが行われているセガ秋葉原店に体験取材に赴いたんですが、その前に大きな問題が……。そう、出がけにうっかり、おしっこしちゃったんですよ。便器の前でがんばっても、しずくすら垂れない。遊びたいのに遊べない、なんて敷居の高いゲームなんでしょうか!
そこでまず、店内の自動販売機でジュースを買って水分を補給することに。ところがここで痛恨のミス。ちょっとでも吸収が良いように、スポーツドリンクのボタンを押しちゃったんですよ。1本、2本とペットボトルを空にしていき、3本目を飲み干したところで、気持ちが悪くなってきちゃいました。実はモノの本によると、スポーツドリンクのような生理食塩水は体内に吸収されるぶん、排尿量が水の半分になるとか。素直にミネラルウォーターを選んでおけば良かったですね。
そんなわけで、普段は何とも思わない店内のBGNや、そこはかとなく漂う店内のヤニ臭さに耐えきれず一時退店。これ以上は飲めそうにない。
さっそくコンビニで日本酒のワンカップを柿ピーと一緒に購入。店頭でぐびぐびやり始めました。仕事とはいえ平日の昼間から戸外で飲酒。ジュースではなくアルコールなら無理なく入っちゃうのが不思議です、はい。
しかし秋葉原って不思議な街ですよね。隣にはスモウレスラー体型の白人女性が二名、同じくワンカップ片手に喫煙してるし。駅前ではドラクエ風の勇者コスプレをした女性が待ち合わせしてるし。車体全体がギャルゲーの広告になっているミニカートが3台、数珠つなぎで走ってくるし。
そんな光景を横目に高まれ~高まれ~俺の尿意……とちびちびやっていると、次第にこみ上げて参りました。ところが、それと共に新たな問題が! 急激に水分を取りすぎたせいか、お腹がユルくなってきたんですよ。時間と共にグルグルとどくろを巻く腸内、頑張れ俺の括約筋! だんだん洒落にならなくなってきたので、再び店内に戻って、ちょっと早いけどトイレに入ることにしました。時節がらサンタクロースのコスプレをした女性スタッフが出迎えてくれますが、ごめんなさい、今は萌える余裕がないんです……。
トイレに入ってからも一苦労。大からするか小からするか。先に大を終わらせて後顧の憂いなく「トイレッツ」に向かいたいけど、大の途中で放尿してしまっては、元も子もない。一方で先に小をすませようとすると、お尻から「実」も出てしまいそうになる……。逡巡の結果、大を優先させたんですが、おしっこを我慢して排便するのは結構大変なんですよね、これが。
そんなわけで、おそらく問題のない範囲まで括約筋の緊張をゆるめた後、いよいよ小便器に移動して「トイレッツ」を体験です。長かった、いやー長かった。目の前の液晶パネルでは「溜めろ!小便小僧」が待ち構えています。便器によって遊べるゲームが決められ、自由に選ぶことはできないみたい。ちなみに2Fでは「溜めろ!小便小僧」、4Fは「ぶっかけバトル!鼻から牛乳」が起動していました。曜日や時間でゲーム内容が変わったりするといいですよね。
ゲームはシンプルに、おしっこの量を計測して、放尿量の順にランキングが表示されるだけというもの。操作ボタンなどは一切無く、便器の「的」に向かって「発射」すると、自動的に計測開始です。画面上では小便小僧から水が放たれ、乳酸飲料の容器、栄養ドリンクの瓶、コーヒー、そしてコーラの缶と、次々に満タンになっていきます。それと共に富岳三十六景の富士山が、どんどん大きくなる仕組み。そしてお茶のペットボトルの途中で……ついに力尽きてしまいました。ふ~。
ちなみに総尿量はおよそ1008mlで、残念ながらベスト20位には入れず、ランク外という結果に。エネルギー充填80%くらいだったので、ちょっと悔いが残ってしまいました。でも第1位はなんと2599mlで、いったいどれくらいタンクに貯水していたんだって感じです。まあ、ネームエントリーなどがあるわけでもなく、こんな遊びでズルをしても仕方がないからなあ……。ちなみに排尿後は再び大便器に座り、心置きなく残りの排便に勤しんだのは、言うまでもありません。
というわけで尿意も便意もスッキリ! コンティニュー不可能になったため、ほろ酔い気分で退店することに。あ、でもそれから1時間以内に再びトイレに向かったので、もうちょっと店内で粘っていたら再プレイできたかも。ロケテストは1月31日まで続くので、公式サイトで場所をチェックしてみてください。なんだかレビューというより体験ルポになってしまいましたが、気にすまい、うん!
んでもってこれ、やっぱり女性向けはムリなんだろうなあ……(小野憲史)