【まるでぃぐらすって何?】

今年の 2月21日はアメリカ南部では有名な Mardi Gras (マルディグラ、英語では ”マディグラ” と発音します)と呼ばれる祝日です。フランス語で “Mardi” は ”火曜日”、”Gras” は “太った” を意味します。


フランス語で「肥沃な火曜日」を意味する Mardi Gras はいわば「祭り + 異様な山車 + 仮装 + パーティ + 紫緑金色 + 大きいケーキ + ビーズ投げ + お菓子投げ」です。なにがなんだかわけがわからないよ……という方は Mardi Gras についての動画を覗いてみましょう。現地の雰囲気が伝わります。

カトリックでは謝肉祭(カーニバル)と呼ばれるお祭りの一種で、西洋では歴史ある文化です。これを機会に知っておいても損はないかもしれません。


【Mardi Gras の成り立ち - アメリカ南部、ニューオーリンズでは?】

かつて17世紀末にアメリカへの入植者がフランスからルイジアナに彼らの文化を広めていったことが、Mardi Gras の始まりです。もともとはキリスト教の慣習として存在した「四旬節」という節制期間に入る前に行われることになった謝肉祭(カーニバル)が、Mardi Gras のそもそもの起源とされています。

もともとキリスト教の文化として始まったこのお祭りは、とりわけキリスト教信者の割合が多いアメリカ南部で特に活発に開催されることとなりました。

アメリカ南部にあるルイジアナ州にあるニューオーリンズで Mardi Gras になると、毎年多くの観光客が押し寄せ、地域の経済を活性化させ、アメリカ最大の盛り上がりを見せます。

ニューオーリンズといえば、約7年前のハリケーン “カトリーナ” によって破壊されたアメリカ南部の街です。当時ハリケーン被害が色濃く残る状況でさえも Mardi Gras パレードを愛する市民は、復興の象徴としてパレードの開催を決意したそうです。

さて、上の動画でなんとなく雰囲気が掴めたかと思いますが、Mardi Gras のメインイベントはやはり街中を駆けまわるパレード。
パレード自体は地域によって数週間続くのですが、この Mardi Gras と呼ばれる祝日に祭りは最高潮を迎えます。

パレードの特徴はというと…
" 手作り感あふれるフロートと呼ばれるたくさんの山車が締めきった車道を進む
" その山車の上から仮装した人たちがマルディグラ色(紫緑金色)ビーズやお菓子を大量に投げる
" ビーズやお菓子を参加者は「我こそは!」と受け止める(ニューオーリンズではビーズが欲しいあまり、胸をあらわにする女性もいたり……)

個人的に話をしますと、アメリカで貧乏学生だった私は過去3回ほどこのパレードにお菓子ハンターとして参加したのですが、代わりに得たものは祭りの後使い道がない大量のマルディグラ色ビーズ……。ちなみに、運が悪かった友人は飛んできたビーズが目に当たって腫れていました。このお祭り、実は結構危険かもしれません。

祭りの醍醐味は日本では絶対味わえない海外のお祭りの「カオスさ」を経験すること。2月末にお休みをとれる方々は来年ニューオーリンズに観光しにいってみてはいかがでしょうか?

この【世界の祝日】コラムでは日本では馴染みのない海外の祝日やお祭りについて紹介していきます。Part 1 はキリスト教のお祭り、Mardi Gras でした!次回をお楽しみに!
(ヤマモト リョウ)
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