「ディズニー・オン・アイスは、非常にリピーターが多いのが特徴です。一度見みたらハマってしまう。それには2つの大きな理由があって、ひとつはスケーティングの魅力。華麗な動き、そしてあのスピード感は、他では味わえない感覚です。もうひとつはディズニーのキャラクターや作品が持つ魅力です。しかし私は、この2つの要素がぴったりマッチしたことが最大の理由だと思います。スケーティングとディズニーの世界を組み合わせることにより、それを考えた人の想像を越えるものが生まれて、ショーの内容がどんどん膨らんでいったような、そんな感じを受けるのです。
構成は『分かりやすさ』重視。ストーリーをじっくり見せるのではなく、その場の動きで感覚的にスッと分かってもらえて、飽きさせない内容になっています。キャラクターやストーリーを知らない方でも楽しめます。
そんなディズニー・オン・アイスだが、ジャパンツアーでは今年から子ども料金を設定し、話題を呼んでいる。
「2011年の震災を機に、日本人の意識の変化をやはり感じています。特に『家族の絆』への意識。実はこれまで、会場に家族全員がそろっていらっしゃるというケースが意外と少なかったんです。特に、父親が同伴されないケースが7割以上に上るという調査結果もあって、これには我々もショックを受けました。でも、アメリカなどでは、家族みんなで観劇に来るのが当たり前。日本でも少しずつ意識がそういう方向に向かっていくような気がするのです。子ども料金を設定した狙いには、とにかく『家族で』楽しんでいただきたい、料金的な面から少しでもそういう気運を後押ししたいということが一番にありました。
サポーターに北斗晶さんのファミリーを起用したのも、『家族』を強く訴求したいという想いからです。日本テレビ系列の24時間テレビでは、マラソンの家族リレーを通して感動的な『ファミリー力』を見せてくれましたよね。4月下旬から放送される特番ではアメリカでの先行公開をご覧頂きましたが、実際にチケットを取ろうとして取れなかったということもあったそうで、非常にモチベーションが高くて。本当に楽しんでいただけました。
料金の見直しには、より多くの来場者数を狙いたいという思惑もあるようだ。
「2010年が70万5000人(全国16都市で開催)だったのに対し、2011年は57万人(全国12都市で開催)、2012年は50万3500人(全国13都市で開催)。開催数を減らさざるを得なかったという面もありますが、震災を機に数字が凹んでいる。今年は震災前の70万人に戻すことを目標にしています」
ちなみに、2011年の仙台公演は招待公演という形で開催されている。被災直後の仙台では、観客は非常に昂揚していたと言う。
「エンタテイメントショーが人を笑顔にし、その力がそのまま生きていく喜び、強さにつながるんだということを実感しました。また、キャストやスタッフがボランティアをやりたいと申し出てくれたのも嬉しかったですね。1つの公演にキャスト・スタッフは100人くらい。中にはステージを作るスタッフなんかもいるわけで、現地の人が3日かかると言った作業を3時間くらいでやってしまったり。現地の方もびっくりしていました(笑)」
さて、7月の札幌公演を皮切りに、10月まで13都市で行われる「ディズニー・オン・アイス トレジャー・トローブ ジャパンツアー2013」。見どころは?
「なんと言ってもグループスケーティングですね。『ふしぎの国のアリス』のトランプ兵たちが揃ってダンスする場面や、『ライオンキング』でヌーの大群が大移動する場面などでは、迫力の躍動感が表現されています。
今年のディズ二―・オン・アイスは、運営側の気持ちも一味違う。最近、家族で出掛けていないという人はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
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