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「聲の形」大今良時がデビュー作『マルドゥック・スクランブル』で光らせていたキレ味

昨日、週刊少年マガジンでの初連載をスタートさせた『聲の形』の大今良時。受賞作が「問題作」として受け止められ、異例の雑誌に掲載されないキャリアスタートとなった彼女が商業誌デビューを果たしたのは、2009年のことだった。連載デビュー作は、冲方丁の『マルドゥック・スクランブル』のマンガ化だった。

原作となった小説の『マルドゥック・スクランブル』は第24回日本SF大賞受賞作品でもあり、サイバーパンクの王道とも言える作品だ。ちなみにサイバーパンクとはSFの1ジャンルで、人体や意識を機械的もしくは生物的に拡張・改造し、社会ネットワークとつながり、巨大な組織・体制に立ち向かう……というような近未来的モチーフで描かれる。

自分自身の話をすると、僕はこの原作版を読みかけて途中で挫折したことがある。サイバーパンク小説は冒頭から前半で背景や状況、そして機能の説明が入る。例えば小説版『マルドゥック~』の冒頭なら次のような部分だ。

「ほどなくして少女の全身の皮膚感覚が鈍くなっていった。男の手の感触が遠のき、完全な虚脱には至らない程度に体から力が抜けてゆく。全身の関節は圧力を加えられれば動くが、元の位置に戻ろうとする意志を失っていた。柔らかな硬直とでも言うべき状態が訪れ、目に見えぬ薄い殻が少女を覆った。全ては殻の外側で起こることにすぎなくなった。」(『マルドゥック・スクランブル The 1st Compression──圧縮』完全版
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