漢字の使い分けについて悩む瞬間は多々ある。

たとえば「いただく」という言葉。
漢字にすると「頂く」「戴く」という二つの漢字がある。「頂」と「戴」の意味の違いってなんだろうか? スペースアルクの説明によると、もともと「頂」が“行為の着点である場所を表し”、「載」が“行為そのものを表す”という違いがあると説明されている。だが、動詞「いただく」に当てられる際には、両者の違いは無くなってしまい、“「戴く」の方がより改まった場面で用いられる、という点においてのみ”異なっているとのことである。

がーん。なんだ、動詞にすると意味の違いは無くなってしまうのか。言葉も日々進化していくもんだなあ。

では、「固い」「硬い」「堅い」の使い分けはどうなるか。「かたい」も平仮名で書かれることが多く、漢字としての意味の違いはなくなってしまったのかと言えば、そんなことはない。

これらの言葉については、それぞれが持つ対義語によって覚えることができる。
まず、「固い」は「ゆるい」の対義語。イメージとしては、ひもがぎゅっときつく結ばれている様子を思い浮かべると良い。人の絆にも、この漢字が使われる。
おむすびを握るときも「固い」をつかうのが正解だ。続いて「硬い」は「やわらかい」の対義語で、叩くと「コンコン」という音がしそうなイメージ。「硬い石」「硬い布地」など物理的なものに使われる。最後に、「堅い」。こちらは「もろい」の対義語。中身がしっかりつまってる様を思い浮かべるとよい。「堅いパン」「ガードが堅い」「義理堅い」などの用法がある。

そういえば、8月11日にコンビニ限定で発売されたカルビーの新商品、「堅焼きおつまめ 塩味」にも「堅」という字が入っていた。“この堅さ、ありえんどう”のキャッチコピーにたがわず、食べると「ザクッ」と音がする、歯ごたえある食感がやみつきになりそうなお菓子である。

比べるなら、「じゃがりこ」や「堅あげポテト」と同じくらいだろうか? 太いので、体感としてはそれよりかたい印象もある。一度にたくさん口に入れるのは要注意。一本一本、しっかり中身がつまってる様子を味わってもらいたい。


しっかりかみしめていると、生の豆のような感覚になる。なにも大げさな話じゃない。繊維がそのまま残っているので、ちゃんとさやえんどうを皮ごと食べた気分になるのだ。栄養もしっかり取れてうれしい。3時のおやつに、ビールのおつまみに最適な商品である。

いち早く「堅焼きおつまめ 塩味」を楽しんだ人からは、「ちゃんと豆の味がする。塩加減もほどよい。居酒屋に置いといてくれないかな」、「私はホンモノの豆に目がないけど、これは野菜の感覚に近いし、いい感じ。食べても罪悪感がなくていいかも」などの意見があがっている。

「堅焼きおつまめ 塩味」を味わって、「堅い」という言葉の意味をしっかりかみしめてほしい!
(平原学)
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