自分の顔がスタンプになる! と聞いてどう思いますか? 今一瞬考えたけれど、次の瞬間「わたしのスタンプとか、誰得だよ」と冷静な判断をくだしました。まだ頭は正常に働いているようですね。しかし、世間にはいろいろなニーズがある模様。

先日シヤチハタが、オリジナルデザインのスタンプを作れる自動販売機「OSMO(オスモ)」の提供を開始すると発表しました。スマホと連動させることで自分の写真もスタンプにできるんだそうです。

……って、あれ!? このサービスなんだか既視感があるな。そうです、じつは結構前に、「自分の顔がスタンプになる」というサービスが存在し、大流行していたことを、みなさま覚えておりますかね? その名も「スタンプ倶楽部」。気になってしょうがないのでちょっと調べてみました!

【セガとデータイースト社の共同開発】
この「スタンプ倶楽部」、当時「プリント倶楽部」が爆発的な人気を博していた1996年に登場したサービスで、自分の顔写真を撮影するとオリジナルのスタンプが完成するという画期的なものでした。開発したのは、セガとデータイースト社。

顔写真シールの次はスタンプもできちゃうの? ということで、多くの人が筐体に列を作り「オレの顔のスタンプ作りてええぇ!」とワクワクしたものです。顔写真だけでなく文字も入れることができたので、ちょっと気のきいた一言コメントを入れたり、住所を入れる人もいたんだとか。


1回1個で500円という価格は当時子どもながらに「高いな!」と思ったものです。400円で友達と半額ずつ出し合って、いろいろな種類のシールを作ることができるプリクラに対して、1種類のスタンプが500円というのは少々割に合わないような気がしていました。まあ、今考えれば、インクのメンテナンスなどそりゃあコストはかかりますよね。プリクラと違い、スタンプの在庫管理なども手間がかかったことでしょう。

今ではすっかり見かけなくなりましたね。生産ラインが停止してしまったら、メンテナンスされない全国の筐体たちは次々と撤去されるほかないということでしょうか。

【○○倶楽部はシリーズものだった】
セガが生み出した「○○倶楽部」シリーズ、じつはプリント倶楽部とスタンプ倶楽部だけではないんです。この倶楽部シリーズ、1990年代頃に中高生から大学生、OLなどの女性をターゲット層に登場したもので、その第1弾がプリント倶楽部でした。

その後、第2弾として登場したのが名刺を作ることができる「ネーム倶楽部」。私も当時、おじさんと一緒に名刺を作った記憶があります。子どもにとって「名刺」というのはオトナの証、というか、ちょっとだけ背伸びした気分になったものです。

そのネーム倶楽部の次に登場したのが「スタンプ倶楽部」でした。そして、シール、名刺、スタンプときて、満を持して登場したのが第4弾、「アロマ倶楽部」! どどーん! 初めて知ったぞ、アロマ倶楽部。

アロマ倶楽部とは、その名のとおり「アロマオイルが出てくる筐体」。自分の気に入った占いジャンルを選び質問に答えると、占い結果が印刷され、その時の自分にぴったりのアロマオイルが出てくるというサービスだったそうです。


プリント倶楽部から始まり、アロマまで。プリクラは日本を代表する一つの文化へと成長しましたし、今ではゲームセンターに欠かせない風景の一つでもありますよね。来年には「OSMO」も登場するということで、再び「スタンプ倶楽部ってあったよね?」という会話がそこかしこから聞こえて来るようになるのでしょうか? よし、「OSMO」やってみるかぁ〜。
(ヤマグチユキコ)
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