2015.02.14(SAT) at 豊洲PIT
(※画像9点)
世界よ、これが日本のポンコツだ――キュウソ、過去最大キャパのワンマンに挑む
思わず、「ちょっと待って! あなた方、クアトロワンマンツアーやってたのって1年前のことだよね?」とスケジュールを確認してしまった。なんと、キュウソネコカミが豊洲PITでワンマンである。
新作のタイトルに引っ掛けた、エレクトリカルパレード風のSEに乗ってメンバー登場。手拍子で出迎えるフロアの様子を見て、ヤマサキがぼそっとひと言「ヤバいなぁ…」なんせここは全国最大キャパのライヴホール。
ライヴ前半は、オープニングナンバー「GALAXY」を始めとする、新作『ハッピーポンコツランド』の収録曲を中心に構成。ハチャメチャなパフォーマンスの印象が強い彼らだが、演奏にはメリハリがある。曲の繋ぎも事前に計算されていたかのような間合いで、まるでDJのようにテンポが良い。各メンバーも派手に動き回ることもなく、堅実なパフォーマンスに努めているように見えた。それとも、初の大会場に硬くなっていたか…?
「勇者ロトシック」の演奏前には、「自分の人生が楽しくなくても金だけは借りるな。消費者金融から借りるぐらいなら親に頭下げろ」と真っ当なアドバイスをするヤマサキ。若手バンド然としていた数年前とは違い、今は多くのファンから尊敬を受ける立場になっていることを感じさせる一幕だった。
しかし、このまま終わる彼らではない。大声を出して驚かせるという、怖い話では最も卑怯とされる手を使ったMCの後にプレイされた「Scary song」では、間奏中にオカザワ(Gt)が仮装し、ヤマサキは白の全身タイツでステージに登場。まるでドリフのコントのような光景にフロアはバカ受け。
こうなってくるともうめちゃくちゃだ。メンバー全員縦横無尽にステージを駆け回り、ポンコツロックの真髄を見せつける。それでいてタイトなプレイが崩れないところはさすが。「KMDT25」では、恒例のサークルモッシュならぬ、盆踊りタイム。4人、8人、16人、32人…と輪を重ね、次第に大きなサークルの出来上がり。誰一人として危険な目に遭わすことなく、いかにして非日常空間を作り上げるか。これがキュウソのやり方だ。
そして、「DQNなりたい、40代で死にたい」、「ウィーワーインディーズバンド!!」、「良いDJ」といった人気曲を一気に叩き込んで本編は終了。
アンコールでは“ポンコツなスタッフ”に向けた愛溢れる新曲「ハッピーポンコツ」を披露。この曲以外でも、随所で感謝の気持ちを表していたこの日のライヴ。「ここに来た3100人全員を次のステップに連れて行きたいんじゃー!」と絶叫していたヤマサキの言葉は心の底からの本音だろう。
(取材・文/阿刀“DA”大志)
≪セットリスト≫
1. GALAXY
2. OS
3. テレキャスばっか
4. 空芯菜
5. JP
6. たば狂
7. 貧困ビジネス
8. 要するに飽きた
9. 勇者ロトシック
10. たまにいるタラシくん
11. なんまんだ
12. Scary song
13. ファントムバイブレーション
14. KMDT25
15. DQNなりたい、40代で死にたい
16. カワイイだけ
17. 何も無い休日
18. ウィーワーインディーズバンド!!
19. 良いDJ
<アンコール>
1. ハッピーポンコツ
2. お願いシェンロン
3. 新曲
4. ビビった
≪関連リンク≫
エキサイトミュージック レポート掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel