flumpool 初の単独野外ライブ【FOR ROOTS】に向けた新曲をリリース/インタビュー

■New Single『夏よ止めないで ~You're Romantic~』インタビュー(1/3)

初単独野外ライブ直前のflumpool、“夏の切なさ”を歌う

8月8日(土)、9(日)、flumpoolが地元大阪・大泉緑地で開催する初の単独野外ライブ【FOR ROOTS】。そのまさに直前というタイミングでリリースするシングル『夏よ止めないで~You’re Romantic~』。表題曲は、スコーンと抜けた青空のようにあっけらかんとした清々しさが潔いポップナンバー。“見守る愛”を歌ったというカップリングの「キミがいたから」も、サウンドには夏らしさが全開。人気曲「夏Dive」を大人っぽく進化させた曲、という小倉誠司(Dr.)のコメントも興味深かった。しかし、いずれも歌詞にはどこかセンチメンタルで甘酸っぱいノスタルジーが漂うのが気になって本インタビューでは山村隆太(Vo.)に詳しく尋ねている。夏という季節に対する多面的な捉え方、30代を迎えた今だからこその価値観を語ってくれているので、じっくりと味わっていただきたい。単独ライブへの意気込みも含め、4人の今の想いを訊いた。
(取材・文/大前多恵)

「ずっと海の音を聴いていたので海寄りの曲になりました(笑)」(一生)

――新曲「夏よ止めないで~You’re Romantic~」、聴かせていただきました。やはり、単独野外ライブ【FOR ROOTS】で披露するイメージを思い描きながら制作されたのですか?

阪井一生(以下、一生):そうですね。野外ライブに向けて「テーマ曲になるものにできたらな」という想いで制作を始めました。夏をタイトルにした曲はこれまでにもありましたけど、今回みたいに夏自体をテーマにしてここまで「夏!」という感じの曲をつくったことはなかったので難しかったですね。

――確かに、一生さんの曲にはどこかメロウな“冬”感がありますもんね。

一生:そうなんですよ! なんか、切なさを入れたくなるんですよ。だから今回は、海の音のSEを流しながら曲とハマるかどうかを確認したりしました。

――編曲は亀田誠治さんですが、方向性はどのようにリクエストしたのですか?

一生:王道な感じのある曲だし、まさに亀田さんがピッタリだと思ってお願いしたので基本的にはお任せでした。でも、12弦ギターの響きだとか、夏っぽい要素のあるものを試してみたいと僕から案を出して。12弦ギターは元々は入れてなかったんですけど、亀田さんの要素も入ってから後々聴いてみると、「アコギというよりは12弦の響きがいいのかな?」と思って入れたんです。

flumpool 初の単独野外ライブ【FOR ROOTS】に向けた新曲をリリース/インタビュー
夏よ止めないで ~You're Romantic~【初回限定盤】

――気持ちのいい響きでした。ところで、ライブ会場は、海というよりどちらかというと山では?

一生:はい、森です。海は関係ないですね。ずっと海の音を聴いていたので海寄りの曲になりました(笑)。

山村隆太(以下、隆太):ありえない! 海の曲、ここで書く?

一生:……おまえ、自分の書いた歌詞、よく見てみろ(笑)!

隆太:あははは(笑)。

――水平線とか波の音とか書かれていますよね?

隆太:いや、それはメロディーに操られて。波の音は別に入っていないのに聞こえて来たんですよ(笑)。

――(笑)。歌詞には、<信じて 叶えよう>という力強いフレーズも入っていますが、<失う>という言葉も用いられ、喪失感も滲んでいるように感じました。これはなぜなんでしょう?

隆太:やっぱりその感じこそが夏っぽさなんじゃないですか? 少しずつ暑くなってくると夏が始まった感じがあるけど、それと同時に“終わり”がもう始まっている感じというか。何かをするからこそそれが終わっていく、生きているから死んでいくみたいな。夏ってそういう切なさがあるんじゃないかな?と思うんですよ。あとは、大人になったせいなのか“夕陽”感もあるというかね。10代の頃に朝日を見て感じた「さあ、一日が始まるぞ!」というワクワク感は、大人になると慣れてしまって薄れていくもの。夕焼けを見て、「今日もまた終わってしまうな……」とセンチメンタルになる時にこそ、一番美しい景色があるなと。そういった気持ちを抱きながら、「今年の夏、じゃあ、どうやって生きて行こうか?」という想いを歌っています。

――夏という季節感と、今の年齢ならではの感慨、その両方がある。

隆太:そうですね。何かがもう終わってしまったのかもしれないけど、だからといって、人生はまだ続くし、毎日は続くし。逃げても諦めても毎日って続いていくじゃないですか? そんな中でどう自分たちが(人生と)向き合っていけばいいのか?ということですよね。でも、ネガティブなことでは全然ないんですよ。10代、20代には書けない、30代だからこそ感じることもたくさんあって、そういう気持ちを書ければいいなと思っているので。今年の夏、「何か変わりたい」とか「一歩でも進めたらいいな」とか、皆のそういう気持ちを後押しできたらいいなと。

flumpool 初の単独野外ライブ【FOR ROOTS】に向けた新曲をリリース/インタビュー
夏よ止めないで ~You're Romantic~【通常盤】

――(小倉)誠司さんはこの曲を最初に聴いてどんな印象を受けましたか?

小倉誠司(以下、誠司):前作のコンセプトディスク『FOUR ROOMS』もすごく柔らかな風が吹いてくる印象だったんですよね。この曲もそれにちょっと似ていて、でももっと爽やかな、勢いのある風を感じるような楽曲だなという印象を受けました。勢いのあるBメロが印象的だなと思ったので、いちドラマーとしてはその勢いを楽曲全体にもっとプラスできればなとレコーディングでは考えていましたね。ライブでもその気持ちで臨もうと思っています。

尼川元気(以下、元気):僕は最初に聴いた時、「あ、flumpoolっぽいな」と思いました。4つ打ちをガッツリ意識した曲で。歌詞は、<朝まで>と<SUMMER DAYS>とで掛かってるんだ!と驚きました。「(隆太は)こういう古き良き韻の踏み方、好きやなぁ」って(笑)。なかなか今の若いバンドで出来る人いないですから。それを自信持ってやれるというのはすごいな!って。

一生:確かに、なかなかできない。<朝まで>と<SUMMER DAYS>。すごいよね。

隆太:すごいと思ってないだろ(笑)!? あれがあることによってメロディーが覚えられるの!

元気:いやいや、だから褒めてるって! 何を勝手にカリカリしてるの(笑)?

一同:(笑)。

――インタビュー2へ

≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
New Single
『夏よ止めないで ~You're Romantic~』
2015.08.05リリース

【初回限定盤】(CD+DVD)
AZZS-37 / ¥1,700(税抜)
【通常盤】(CD)
AZCS-2047 / ¥1,200(税抜)

[収録曲]
1. 夏よ止めないで ~You're Romantic~
2. キミがいたから
<Special Track>
1. Let Tomorrow Be
※以下、通常盤のみ収録
2. 夏よ止めないで ~You're Romantic~(Instrumental)
3. キミがいたから(Instrumental)
4. Let Tomorrow Be(Instrumental)
<DVD> ※初回限定盤のみ収録
・「SAKAI PerfecTV!」
・CDジャケット撮影などのドキュメンタリー映像

≪ライブ情報≫
【flumpool 真夏の野外★LIVE 2015「FOR ROOTS」 ~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~】
会場:大泉緑地 大芝生広場(大阪府堺市北区金岡町128)
日程:
2015年8月8日(土)「Day of Green」
2015年8月9日(日)「Day of Sky」
※雨天決行/荒天中止
時間:
GOODS&FOODエリア開場 8:00(予定)
LIVEエリア開場 12:30(予定)
開演 14:00(予定)
終演 17:00(予定)
チケット料金:スタンディングエリア・シートエリア 6,300円(税別)
お問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)

≪関連リンク≫
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