2014.06.15(SUN) at 国立代々木競技場第一体育館
(※画像8点)
Acid Black Cherryが、2013年夏からProject『Shangri-la』をスタートさせた。音楽で笑顔にしたいというyasuの考えで、新曲を発表しながら、時間を掛けて日本中を廻るという大規模なツアーだ。
6月15日、国立代々木競技場第一体育館の2日目。荘厳なSEと共にレーザー光線が幻想的な世界を作り、ライティング・トラスが動きながらステージや客席に光を放っていく。そして光が強烈になって目が眩んだ次の瞬間だった。気づけば、スモークの漂うステージにAcid Blak Cherryのサポートメンバー4人がステージに現れ、最後に暗闇のステージに一筋のスポットライトを浴びyasuが登場。一気に興奮が高まるファン。1曲目に演奏されたのはミッド・テンポのスケール感ある「ジグソー」。yasuの伸びやかな唄声は、楽曲に込められたメッセージをさらに強く響かせていく。
2曲目に演奏されたのは攻撃的な「ピストル」。yasu得意のエロティックな詞を、これでもかとファンに食らわせる。
ファンならご存知のように、Acid Black Cherryはyasuと同世代のテクニカルで華のあるプレイヤーがサポートを務めている。いわばドリーム・チームである。手加減など一切することなくテクニックを散りばめ、曲を華麗に彩っていく。yasuっぽく言うなら、四十八手の使い手だ。しかし難易度の高さばかりが突出するのではなく、ある意味、ポップスにも通じる親しみやすさを各楽曲がもたらすのはyasuの唄が主軸となっているから。笑顔が客席に広がっている。
また今回のツアーでは、ファンとの触れ合いをさらに大切にしたいという考えで、ツイッターで質問も募集していた。この日は父の日だったことから「父に怒られたことは?」がファンからのお題。yasuは上京するとき、昔は歌手を目指していた父から怒られたというより、しみじみと「歌ヘタクソなのわかってるか」と言われたそうで…。
ファンとのそうしたやり取りがライヴの随所であったことから、大きなライヴ会場だというのに距離を全く感じさせず、ある意味、ファンクラブ・ミーティングにも通じる温かいムードさえ。
ツアー中にパート・チェンジで演奏したことを話していると、今夜もやってほしいと声があちこちからあがった。すると突然、ドリーム・チームがいきなり「X」を本気でやり始め、yasuは唄おうとしたのだが、リハーサルも何もしていない本当に突発的なことだったようで、イントロの尺が違って入れなかった様子。急遽、ステージ上でミーティングして、2度目にはなんとか「X」をやり遂げるyasuだった。
シリアスな一面もあれば、アグレッシヴに攻め立てるときもある。華麗に聴かせもするし、カバーでちょっとグダグダになってみたり、でも楽しませることを貫くエンターテイメントぶり。そして笑顔で会場を満たしていく。まさにここはシャングリラである。本編ラストを飾った希望に溢れる爽やかなナンバー「シャングリラ」を体感しながら、改めてそう思った。
またアンコールでは今回のツアーについて語る場面も。光と命を体現したステージにこだわったこと。日本中を笑顔にするためにライヴをしてきたが、自分らが元気をもらえたこと。
(取材・文/長谷川幸信)
≪セットリスト≫
1. ジグソー
2. ピストル
3. 楽園
4. 蝶
5. 1954 LOVE/HATE
6. 黒猫~Adult Black Cat~
7. 君がいない、あの日から…
8. Maria
9. チェリーチェリー
10. Greed Greed Greed
11. 罪と罰~神様のアリバイ~
12. Black Cherry
13. シャングリラ
<アンコール>
1. Bit Stupid
2. 優しい嘘
3. SPELL MAGIC
4. 20+∞ Century Boys
≪関連リンク≫
エキサイトミュージック レポート掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel