■T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDER:COVER2-
2013.08.25(SUN) at 両国国技館
(※画像8点)

ステージ上には白い立方体で出来た数多くのオブジェが並び、曲間にはストーリー仕立ての映像が流れるなど、徹底したコンセプトのもとに構成。アルバム『UNDER:COVER2』を引っ提げてのツアー【T.M.R. LIVE REVOLUTION’13-UNDER:COVER2-】も残すところ2本となった東京・両国国技館でのライヴは、まさにこの場所にふさわしい熱気と興奮に満ちたステージとなった。


水樹奈々とのコラボ・シングル「Preserved Roses」でスタートし、この時点で一気にライヴはピークを迎える。そこから続けざまに『UNDER:COVER2』収録曲を披露。原曲をさまざまなアプローチでセルフカバーしたのが『UNDER:COVER2』だったが、ライヴではさらに迫力を増して曲ごとの個性が伝わってくる。へビーなアレンジが施された「LEVEL 4」をはじめ、攻撃性が際立つ楽曲を最強のライヴパフォーマンスで放っていく。「蒼い霹靂」「独裁 -monopolize-」も今まで以上に鮮やかな表情を感じさせ、全身全霊でぶつかってくる歌とサウンドに会場全体が圧倒される。

冒頭にも書いたように、曲間には西川貴教が奥田瑛二扮する男と対話をする映像によって、心の葛藤が次々と言葉になっていく。その言葉に導かれるように次の曲へと連なる展開のため、MCは一切ない。本編が一つの作品として完成度を持っているため、少しのズレも許されない緻密なステージングだ。もちろん、楽曲はそれぞれライヴならではの躍動感に満ちた手応えが施され、堅苦しさとは無縁のハイテンションで迫ってくる。

そして、それまでの激しいサウンドから一転、優しいバラード「last resort」でクールダウンしたのを折り返しに、その後はダンサブルな「IMITATION CRIME」で後半の盛り上げへと突入する。特に、有無を言わせない強力かつアッパーな歌とサウンドの「Out Of Orbit-Triple ZERO-」の破壊力は圧巻。さらに、「Albireo-アルビレオ‐」から最後の「vestige-ヴェスティージ-」までノンストップの怒涛の攻勢には、尽きることのない情熱とどこまでも突き抜けていこうとする気迫がみなぎっていた。


アンコールで登場した西川は、それまでの空気とは打って変わり、饒舌(じょうぜつ)なMCを聞かせる。アルバムリリース後にツアーでどう伝えようかと考えた末、次のフェイズに移行する「Preserved Roses」が生まれ、その世界をさらに広げたのがこのツアーのテーマである“THE ONE”だと説明。

「命というものは身近にあって、最初から前の前にいたような気がしていたけれど、そうじゃないことを考えさせられて。音楽という形のないものをこれからも真摯に真剣に真直ぐに届けていきたい、ただ一つの想いを届けたい、というところから“THE ONE”というテーマになりました」

派手でカラフルなナンバーがアンコールに用意され、「WILD RUSH」をはじめ、明るくはじけた場面が連続。ラストはアルバム『UNDER:COVER2』のラスト曲がそうだったように、「Tomorrow Meets Resistance」で終了。明日への希望を感じさせるこの終わり方も含め、“ただ一つの想い”が集約されたライヴだった。
(取材・文/岡本明)

≪セットリスト≫
1. Preserved Roses
2. LEVEL 4
3. 蒼い霹靂
4. 独裁
5. とっておきのおはなし~新説恋愛進化論
6. 魔弾~Der Freisch(u)tz~
7. O.L
8. last resort
9. IMITATION CRIME
10. Out Of Orbit ~Triple ZERO~
11. Zips
12. INVOKE
13. Albireo -アルビレオ-
14. LOVE SAVER
15. Meteor -ミーティア-
16. vestige -ヴェスティージ-
<アンコール>
1. WILD RUSH
2. SHAKIN’ LOVE
3. CHASE / THE THRILL
4. Tomorrow Meets Resistance

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