
■福田沙紀 ドラマ『シークレット・メッセージ』インタビュー
独学で学んだ韓国語でT.O.P from BIGBANGチェ・スンヒョンと共演
上野樹里とBIGBANGのメンバーであり、俳優としても活躍するT.O.P from BIGBANGチェ・スンヒョンがW主演を務め、日本、韓国はもちろん、アジア各国で配信される(日本では日本最大の映像配信サービスdTVによる独占配信)ドラマ『シークレット・メッセージ』。LINEのメッセージをきっかけに出会った、ハルカ(上野)とウヒョン(チェ・スンヒョン)。
(取材・文/瀧本幸恵)
日本で撮影していたんですけど、韓国にいるような感覚でした
――今作で福田さんが演じた“マリコ”は、日本人だけど韓国語が話せるという役どころでした。オファーを受けたときはどう思いましたか?
福田沙紀(以下、福田):韓国語は7年前から独学で勉強をしていて。仕事もあるので習慣的に習いに行ったりすることが出来無いこともあったので、時間が空いたらそのときにやるという感じで続けていたんですね。そんな中でいつか韓国語でお芝居をしたり、韓国の作品に出られたら良いなって思っていたので、今回のお話を頂いたときはすごく嬉しかったです。
――勉強を始めたきっかけは何だったんですか?
福田:仲の良い友達が韓国語の勉強をしていたので、一緒にやったら自分がわからないことがあっても聞けるし、それなら続けられるかもって思って。それで始めました。
――独学ということは、本を買って読んだり?
福田:最初は本から始めたんですけど、なんか“本”っていうものに苦手意識というか、なかなかそれだけでは頭に入って来なくって。

――すごいですね。では、今回の韓国語のセリフはどんなふうに覚えて行ったんですか?
福田:台本には韓国語のセリフは全部ハングルで書いてありました。フリガナも振ってなかったです(笑)。普通、外国語で芝居をするときって、そのセリフが入ったお手本の音源をもらって、それで練習したりするんですけど、今回はそれも無かったですね。
――それじゃあ全くの自力で?
福田:そうです。「お~、何も無い~」って思って(笑)。でも、セリフはハングルでも読めたので、とにかく練習をしたんですけど、現場に行くと、アドリブというものがありまして……(共演の)T.O.P(チェ・スンヒョン)さんがわりとアドリブ好きな方だったので。
――その場で対応しないといけないわけですね。それはまた大変。
福田:まだ完成作を観れていないので、そのシーンが声まで使われるかわからないんですけど、マリコがウヒョン(チェ・スンヒョン)とソンジュン(キム・ガンヒョン)とUFOキャッチャーをするシーンがあるんですね。実際にゲームをやりながら撮るので、どの部分が使われるかわからないから、私はどんどん二人にゲームに使う100円玉を渡して行くんですよ。そしたら、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんが急に「マリコは金持ちだな。マリコの両親は何をしているの?」って、設定には無いことを言い出して。こっちからしたら「知らないよ~、そんなの!」みたいな(笑)。
――あははは(笑)。でも、アドリブが福田さんに伝わるってわかってるから、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんも振ってくるわけで。そのくらい福田さんの韓国語のレベルが高いってことですよね。
福田:いえいえ(苦笑)。でも、日本で撮影していたんですけど、韓国にいるような感覚でしたね。
――そうすると演出も韓国語で?
福田:そうですね。わからないニュアンスや単語があったりしたら、とりあえず「イロッケ?(こういう感じ?)」って言って動きをやってみせて、それで調整してもらったり。通訳さんもいらっしゃったんですけど、私が話してると、「沙紀ちゃんもうわかるでしょう」って言って、途中で通訳しなくなっちゃうんですよ(笑)。でも、韓国の方って表現がストレートだから、説明もわかりやすかったですし、おなじ空間にいて、おなじものを見ていれば、こういうことが言いたいんだなっていうのは伝わりますよね。そういったことでまた新しく言葉を覚えたりすることもあったので、すごく楽しかったですね。本当に刺激的で、毎回、何か新しい発見がある現場でした。
――韓国語を話すということに加えて、さらに、そこに感情を込めて演技もするんですよね。
福田:私が普段話している韓国語と、マリコのときとではトーンが違うんですね。マリコはとっても可愛らしくて、愛らしいキャラクターで、ちょっとつかみどころが無いというか、突拍子もないこともするので、そういうところも表現したくて変えました。監督さんからも、ソンジュンとマリコはコミカルで、みんなから愛されるキャラクターにして欲しいって言われていたので、そこは意識してやっていましたね。

いい意味でモンスター感は無い(笑)
――福田さんがおっしゃるように、マリコって愛らしくて、不思議なところがありますよね(笑)。
福田:セリフもわりと少ないので、その中でマリコを表現するのは難しかったですね。現場で監督と話しながら、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんとキム・ガンヒョンさんと芝居を合わせて行く中で作って行った部分もありました。
――マリコってウヒョンに片想いしながら、ソンジュンに片想いされるという役どころですが、福田さんが共感したところ、逆に自分にはないなって思ったところはありますか?
福田:マリコは他のことには積極的なのに、意外にもウヒョンに好きって言えないんですよ。そこはすごく共感出来ました。でも、それ以外はまったくわからないです(笑)。本当に不思議な子だなって思います。セリフにもあるんですが、会話中に相手が自分の名前を何回呼んでくれたとかを数えてるんですよ。そんなの普通、数えないですよね(笑)。それから、マリコって缶詰が好きっていう設定なんですよ。最近、缶詰好きなんて人、聞いたことないです(笑)。面白いですよね。ソンジュンに片想いされているのも、自分がウヒョンに恋をしてるせいか、あんまり気付いていなくって。

――そんなマリコが惹かれるのがウヒョンなのですが、マリコから見て、ウヒョンの魅力ってどんなところだと思っていましたか?
福田:もう、イケメンだからじゃないですか(笑)。だって、マリコはウヒョンからそんなに優しさはもらってないですもん。でも、きっとそういう人が好きなんじゃないですかね。ウヒョンってマリコから見ると、ちょっとミステリアスな部分もあるじゃないですか。韓国から日本に来て、愛についてのインタビューを撮って回る。普通にそういう人に出会ったら、不思議だなって思うから、そこが魅力的に見えてるんじゃないのかな。
――では、福田さんから見たウヒョンの魅力は?
福田:人間らしいというか。インタビューをしながら、本音を聞けて喜んだり、嘘をつかれて悲しんだり。そういうシンプルなことに翻弄されてるところですかね。愛とは何なのか、何が愛なのかとか。

――そんなウヒョンを演じていたチェ・スンヒョンさんはどんな方でしたか?
福田:すごく真っ直ぐで素敵な方でした。それから、チャーミングなところもあって。そう言えば、カフェでの撮影があったときに、フレンチトーストとか、甘い物がいろいろ出て来て、私がそれをパクパク食べてたんですね。そしたら、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんがそのフレンチトーストをずっと見ていて(笑)。T.O.P(チェ・スンヒョン)さんにはコーヒーとかで、そういう甘いものは出されて無かったんですよ。それで、何となくイメージ的にも甘い物は食べない感じがしていたので、一応、「甘いもの好きなんですか?」って聞いてみたんです。そうしたら、「好き」っておっしゃって。なので、「(フレンチトーストを)食べますか?」って言ってみたんですけど、そしたら「大丈夫」って言うんです。でも、そのあともジーっと、そのフレンチトーストを見てました(笑)。
――本当は食べたかったんですかね?
福田:どうなんでしょう(笑)。でも、そういうところはチャーミングだなって思いました。それに、BIGBANGというモンスターグループのメンバーなんですけど、何と言うか、いい意味でモンスター感は無いというか(笑)。人間らしいというか、素朴で真っ直ぐなんですよね。お芝居に対してもすごく真っ直ぐに向き合ってらっしゃいましたし。とは言っても、表現にはたけていらっしゃるし、ユーモアや独特のセンスもあったので、そういう姿がファンの方を魅了して、これだけ多くの方に愛されるんだろうなって思いました。ウヒョンという役もT.O.P(チェ・スンヒョン)さんがやったからこそ、観ている方が愛したくなるようなキャラクターになったんだと思います。
――現場でお芝居についてお話をされたりはしましたか?
福田:今回、こうやって共演させて頂いたことで、表現の可能性の多さをすごく感じたという話を私がしたんですけど、そしたら、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんも「そうだね」って言ってくださって。表現の可能性は無限だと思うという話を二人でしました。もちろん、日本と韓国では、文化や表現の違いはあるんですけど、そのどちらが合っていて、どちかが間違っているということって無いと思うんです。今回の作品で、私の中で新たに発見したことがたくさんあるんですけど、それは、今後、仕事でもプライベートでも活かせることだと思うんですね。何て言うか、自分の心を豊かにすることが出来たというか。そういうお話をしました。それから、私がこうやって一緒に作品を作れて光栄ですと伝えたら、「僕こそ光栄だよ」っておっしゃってくださって。そういうことをさらっと言えるのが、大人で、素敵だなって思いました。改めて、こういうところがこの方の魅力でもあるのかなって思いましたね。

――最後に、福田さんが感じる今作の見どころを教えてもらえますか?
福田:LINEというツールを使って、日本人と韓国人という違う国の二人が出会って、そこでメッセージを交わすことで、自分の過去であったり、自分自身と向き合って行くというお話なんですが、観てくださった皆さんにも、何か自分と向き合うきっかけだったり、真っ直ぐに前を向いて生きて行くきっかけだったりになれたら良いなって思います。
――LINEを使ってストーリーが進んで行くのもそうですし、韓国と日本でバラバラに話が進んで行くところも、面白い部分でありますよね。
福田:しかも、上野(樹里)さんが韓国に行って、T.O.P(チェ・スンヒョン)さんが日本に来るっていう(笑)。だから、韓国側の出演者のSHIN(シン・ウォンホ)さん(CROSS GENE)、ユ・インナさん、イ・ジェユンさんなんかは、私とは逆で、韓国にいるのに日本語のセリフがあったりして大変だったと思うんです。
――そうですね。福田さんとは逆のパターンですものね。それから、愛らしいマリコもぜひ、観て欲しいです(笑)。
福田:マリコとソンジュンさんの良いコンビ具合も観て欲しいです(笑)。韓国語で“サランスロン”って言うんですけど、日本語で言うと、愛らしいとか、愛くるしいって感じかな? そんなマリコを観て頂けたらと思います。

≪番組情報≫
dTV独占配信『シークレット・メッセージ』
配信日:11月2日(月)より
配信話数:全10話
キャスト:上野樹里、T.O.P from BIGBANG チェ・スンヒョン、ユ・インナ、福田沙紀、キム・ガンヒョン、イ・ジュユン、シン・ウォンホ(CROSS GENE)、チョン・ユミ、コ・スヒ、賀来賢人/小出恵介
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