松坂桃李主演ドラマ主題歌を歌う話題の18歳シンガーソングライターAnlyが遂にデビュー/インタビュー

■Anly/New Single『LINE』インタビュー(1/3)

キラキラ輝く太陽に向かって歌える自分でありたい

スリリングでミステリアスな展開が話題のドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』を、主題歌「太陽に笑え」の意志ある力強い歌声で彩りを添える、Anly。美大生たちが手がけた黒板アートで魅せる大塚製薬「カロリーメイト」CM「見せてやれ、底力。」篇で、岡村孝子の名曲「夢をあきらめないで」を透明感ある歌声でカバーしているのも、実は彼女。
また、英国でチャート1位に輝いた歌姫、ガブリエル・アプリンと共演を果たすなど、話題が尽きない。沖縄県の小さな離島、伊江島で生まれ育った18歳の女性シンガーソングライターは、11月25日のデビューを前にすでに歌声が多くの人の耳や心に届き始めている。この度は光栄にもエキサイトミュージックが、今後の活躍も大いに期待される注目のアーティストの正真正銘の“初取材”を担当! 初々しくみずみずしさいっぱいの中にも、芯の強さを感じられるまっすぐな言葉をぜひ堪能してほしい。
(取材・文/橘川有子)

「太陽に笑え」は自分の背中も押してくれる曲

――初めまして。エキサイトミュージックが人生で初取材だと聞きました。緊張はしていませんか?

Anly:(小さな声で)少しだけ、緊張しています。よろしくお願いします。

――デビュー曲が話題のドラマ主題歌になると決まった時はどんな気持ちになりましたか?

Anly:そうですね……。自分が作った曲をドラマの制作サイドの方が気に入って選んでくれて、ドラマから自分の歌が聞こえてくるのは信じられない気持ちもありました。ただ、自分にとってテーマ曲のような大事な曲でもあるので、それでデビューできるのはとても嬉しいなと思いました。

――タイアップのために書き下ろした曲ではないのですね?

Anly:はい。高校時代に那覇でストリートライブをしていた時に浮かんだ曲です。
ライブであまり頻繁に歌う曲でははないんですが、それでも聴いてくださった方は必ずと言っていいほど「いい曲だね」って言ってくださいますし、自分の背中も押してくれる曲です。

――どんな思いを楽曲に込めたのですか?

Anly:ストリートで歌っていると、太陽がすごく眩しかったりするんです。だけど、そういうキラキラ輝く太陽に向かって歌える自分でありたいなって思ったりもして。自分が音楽の道で生きていくんだって心に決めたから、それに向かって、たとえ眩しくてもそっちに向かって進んでいきたいという思いを込めたから、自分自身に対しての応援歌でもあるんです。聴いてくださる人も「立ち止まらずに進んでいこう」と思ってもらえたらいいなって思いながら作りました。

――そのまっすぐさがドラマにも自然と重なったんでしょうね。

Anly:そうだと思います。ドラマが始まる前に原作漫画を読んだんですが、主人公の2人が本当に真っ直ぐであきらめない気持ちが前面に出ていると感じたし、偶然にもぴったりな歌詞だなって驚きました。

――レコーディングでこだわったり、大切にしたことは?

Anly:歌う時に、頭の中に映像を思い浮かべながら情景が伝わるように歌いたいと思いました。歌う前から、この曲を作った時のような太陽の眩しさや前に向かっていくイメージがまるでPVのようにはっきりと頭にあったので。また、サビで<歩け 歩け>って何度も歌うんですが、聴いている人が歩き出したくなるように丁寧に歌うよう心がけました。

――アレンジを手がけた根岸孝旨さんとはどんな話をしましたか?

Anly:私から具体的に「ここはこうしてください」とは言いませんでした。
ギターを弾き語ったものを聴いていただいた後、実際にバンドメンバーの皆さんと一緒に私もギターで「せーの」で鳴らしながらアレンジを固めていったんですが、煮詰まることもなくスムーズに形になったと思います。演奏後に聴いた時は「すごいものができたな」って(笑)。自分がイメージしていたものと離れていないし、なおかつカッコよくなって嬉しくなりました。すごくワクワクしましたね。

(ここで、スタッフから耳寄りの情報が。8月に渋谷eggmanで行ったライブに、ドラマの主役を演じる松坂桃李さんがお忍びで見に来たという!)

――イケメン俳優さんが観に来たので緊張したのでは?

Anly:実は私は気づいてなかったんです(笑)。一通りその日歌う曲を7~8曲歌って後ろに下がったら、スタッフさんから「松坂桃李さんが観にきてくれた。急遽だけど『太陽に笑え』を歌ってみる?」って。その日は、喉の調子が良くなくて、しかもこの曲は歌うのにエネルギーが必要だったりもするからちょっとだけ迷ったんですが、歌うことにしました。

――おっとりした口調に似合わず、結構度胸がある?(笑)

Anly:フフフフ。歌い終わったら、松坂さんが楽屋を訪ねてくれて「感動した、よかったよ」と言ってくださいました。初めて俳優さんにお会いしたし、その人から「カッコよかった」と言ってもらえて嬉しかったです。
そして、その翌日にドラマの主題歌が決まったよって報告があったので、すごくびっくりしました。

――生の歌声が松坂さんの心に刺さったんでしょうね。ところで、高校でストリートライブを始めたのはなぜ?

Anly:高校2年生から始めたんですが、小さい頃から歌うことが好きでした。父がギターを弾くこともあって、6歳の時に私用のギターを買ってくれたりして。自分で「少し音が出るようになってきたな」と思ったのは小学3年くらいですね。ギターは私の遊び道具だったから、自然と身についていった感じです。それでだんだんと中学くらいからは歌手になりたいと思うようになって。どうせなら自分が作った曲を歌いたいと思ったので、曲を作り始めました。ですが、高校で吹奏楽部に入ったらその部活がすごく忙しくて、自分の作った曲を人前で発表する機会がなかったんですね。毎日部活しながら、心の中では自分の曲を聴いてもらいたい気持ちがどんどん強くなって。高校2年に上がる時に部活をやめる決意をして、ストリートで歌うことにしました。

――最初から那覇で歌っていたのですか?

Anly:まずは自分の地元、伊江島で歌いました。
2年生の5月です。それで少し勇気をもらって、那覇へ……。伊江島には高校がないので那覇の高校に通っていたんです。なので、北谷の美浜や那覇の国際通りとか、賑やかな場所で歌っていました。

松坂桃李主演ドラマ主題歌を歌う話題の18歳シンガーソングライターAnlyが遂にデビュー/インタビュー

「Anlyならきっと大丈夫」って言葉を誰かに言ってほしかったんだなって思った

――ギターも曲作りも早くから習得しているようですが、音楽の英才教育を受けたとか?

Anly:全然違います(笑)。父が教えてくれたのは簡単なコードくらいで、あとは自分がその時に好きだったアーティストさんの曲、たとえばノラ・ジョーンズをコピーしてギターを覚えたりしました。

――やっぱり、小学生としてはかなり耳の早いかと(笑)。

Anly:(笑)。父の影響です。今までいろんな音楽を聴いてきましたが、聴くとスッと伊江島に戻れるのは(エリック)クラプトンです。父がCDをかけたり、歌ったりしてたので。ブルースの音階を聴くと懐かしい気持ちになりますね。


――小中学のクラスメートと音楽の話が合わなさそう(笑)。

Anly:完全にマイノリティーです(笑)。小学生の時は(沖縄)本島に渡ってCDを買うのが楽しかったですね。中学までネットが繋がらない環境だったから、YouTubeとかもほとんど観たことがなくて。島の友達で1人だけネットが観られる家があったので、大勢で押し掛けて「あれ観たい」「これ観たい」って大騒ぎ(笑)。みんなが観たいものを優先していると、私の順番は回ってこなくて(笑)。音楽の最新情報はほぼ父親からでした。

――初めて買ったCDを覚えてますか?

Anly:ダニエル・パウターでした。

――本当に18歳かと疑いたくなるほど、聴いてる音楽が玄人すぎ(笑)。

Anly:たしかに、クラプトンやZZ TOP、CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)が好きですっていうと驚かれるんですよ。でも、どうしてそんなに驚くんだろうって、こっちが逆に驚いちゃいます(笑)。

――個人的にはすごく嬉しいです。
J-POPはあまり触れてこなかった?

Anly:いえ、普通に聴いてきました。そっちの情報源はテレビ、特に『Mステ』は録画して観てました。「今度●●歌って」とリクエストされたのはHYさんが多かったですね。

――「太陽に笑え」の歌詞のように、なぜAnlyさんは夢に向かって歩き続けられたのでしょう?

Anly:小さい頃から歌手になりたいとは思っていましたが、どうすればなれるかがわからなくてずっと不安でした。ストリートライブをやったりしながらも、歌を職業にするなんて夢みたいな話ですから。どんな時も周りの友達や家族は「いい歌だね」「いい声だね」って言い続けてくれたけど、でもやっぱり夢でしかないんじゃないかって気持ちが強くて……。そのもやもやを親友に打ち明けたんですね。「歌手になりたいんだけど、どう思う?」って。そうしたら、「やりたいことをやらなければ楽しくないし、Anlyならきっと大丈夫だよ」と言ってくれました。それを聞いて、私は「Anlyならきっと大丈夫」って言葉を誰かに言ってほしかったんだなって思ったし、やりたいことをやらないと後悔するなって思いました。それで「よし、もう迷わない」って心を決められた。だから、聴いてくれた人にとってあの時の親友みたいな存在に「太陽に笑え」もなれたら嬉しいですね。

――カップリング曲「Don't give it up!」は疾走感のあるロックなナンバーですね。

Anly:実はこの曲はドラマをイメージして作ったものなんです。ですが、この曲ができる前に「太陽に笑え」が主題歌に決まって(笑)。「太陽に笑え」は主人公2人のまっすぐさと重なる歌詞ですが、こっちは悪女でミステリアスな女性も作品の中の重要な人物だと思ったので、その女性を含めた3人に共通するものをイメージして歌詞を書きました。前向きなだけじゃなく悲壮感のようなものも表現しようと思ったので、歌詞も今まで以上に突っ込んで強い言葉も使って書けたと思います。歌詞やサンドに合わせて、声も硬質になっていると思います。

――この曲も歌詞から先に作ったのですか?

Anly:いえ、珍しくリフから作りました。普段とは違うやり方なので自分の中で埋もれていたものが表に出てきたなという感覚がありました。サウンド的には都会の中に佇んでる3人のイメージが映像として浮かんでいたので、緊張感があってカツカツした音にしたいなと思いました。実はこの曲はロンドンでレコーディングしたものなんです。

――それはすごい。海外レコーディングはどうでしたか?

Anly:私がインディーズで、大好きなガブリエル・アプリンさんの曲をカバーしていたんです。それを本人が聴いて気に入ってくださって、急遽ロンドンで一緒に「Don't give it up!」をレコーディングすることになって! 毎日のようにCDを聴いていた人だったので、実際に会えるなんて信じられませんでした。CDのイメージだとクールな人なのかなって思っていたんですが、とてもフレンドリーな人でした。セッションで一緒にレコーディングするときは、すごい緊張して、ヘッドホンから自分の心臓の音が聴こえました(笑)。

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
Major Debut Single
『太陽に笑え』
2015.11.25リリース

【初回生産限定盤】CD+DVD
SRCL-8938~39 / ¥1,500(税抜)
【通常盤】CD
SRCL-8940 / ¥1,165(税抜)

[収録曲]
1. 太陽に笑え
2. Don't give it up! feat.Gabrielle Aplin
3. Come back
4. 太陽に笑え-instrumental-
5. Don't give it up!-instrumental-
<DVD> ※初回生産限定盤のみ収録
太陽に笑え Music Video
Coming Soon Movie~伊江島~

≪ライブ情報≫
【Anly Debut Live 太陽に笑え】
2015年11月28日(土)渋谷eggman
OPEN 17:30 / START 18:00
※本ライブに10名様をご招待します。11月20日締め切りなのでお急ぎください!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/anly/event/100510

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