子どもの幸福度が全国1位として知られる福井県。慶応大などが2014年に実施した「子供の幸福度に関する計量分析」の結果だ。
そんな福井県の西部に位置する若狭町が、首都圏の子どもや保護者に特色のある保育を知ってもらおうと、体験型セミナー「出張!わかさいきいき保育園」を2015年11月末、四谷ひろば(東京都新宿区)で開催した。

1~6歳の幼児とその保護者を対象に実施。定員は40人だったが、それを上回る申し込みがあり当日は18組52人が参加した。子どもたちは木片・木版や木の実など自然素材を使った遊びを体験したほか、若狭町在住の現代美術作家・長谷光城さんがアドバイザーを務める絵画の体験で、思い思いの色の絵具で楽しそうに描いていた。

おやつの時間には、「梅干混ぜ込みおにぎり」と「古代米おにぎり」がふるまわれた。若狭町の食材を東京に配達して現地で調理したもので、若狭町産(かみなか農楽舎)のコシヒカリを昭和の名水百選に選ばれた「瓜割の水」で炊き上げている。梅干も若狭町の農家でつけたものだ。

ほかにも若狭町の文化・暮らしや、子育て支援に注力していることを紹介。実際の保育園の様子をプロジェクターで放映し、保護者向けの子育て相談や移住相談にも応じた。イベントは好評に終わり参加者からは「時間があっという間に感じた」「これが日常的な環境とは、心からうらやましい」「おやつがおいしすぎて忘れられません」といった感想が寄せられた。

今回のセミナーは若狭町の保育を首都圏でPRすることで保護者の関心を高めて移住につなげるのが狙い。若狭町では遊戯などの設定された保育プログラムではなく、自然を活用して自主性や創造性を育む「若狭里っ子保育」に取り組んでいる。
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