2015.10.24(SAT) at 幕張メッセ国際展示場9~11ホール
(※画像24点)
VAMPSは誰もが待ちわびていた『黒執事』を完全再現
VAMPSが主宰する国内最大級のハロウィンイベント『HALLOWEEN PARTY 2015』幕張3DAYSの2日目が10月24日(土)、幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催された。
この日の出演者は5日間フル出場のVAMPSとBREAKERZに加えて、ももいろクローバーZ、氣志團、そしてHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAとして明希(シド)、anis(MONORAL)、ken(L'Arc~en~Ciel)、Shinya(DIR EN GREY)、逹瑯(MUCC)、Tommy heavenly6、柩(ナイトメア)、YUKI(DUSTAR-3、Rayflower)、分島花音がラインナップ。
幕張公演のみに用意されていたオープニングパフォーマーとして、Tommy heavenly6が登場。前日の白のウェディングドレス姿から一転、黒の衣装に、白塗り&口から血がしたたるゾンビメイクでステージに現れた彼女は、新作『Tommy's Halloween Fairy Tale』から2曲を披露。「元気かー? 私はしんどい」「次が最後なんだよねー。でも、ちょうどいっか」など、いかにもTommyらしいゆるさとフェアリーな魅力を振りまいた。
続くBREAKERZはDAIGO(Vo)が桃太郎、AKIHIDE(Gt)が浦島太郎、SHINPEI(Ba)が金太郎という某携帯電話会社でおなじみの“三太郎”姿で登場。「せ~の、パッカーン」と掛け声とともに、「WE GO」でアグレッシブに攻めた。
MCでは、ももいろクローバーZのファンに「DAIGO~~~↑」とコールしてもらい、「今会える37歳、DAIGOです」とアイドル風に自己紹介するなど、彼らしいファンとの距離感で会場をなごやかにするDAIGO。「死ぬまで決めてることは、ハロウィンのスケジュールは絶対あけておくってこと」「もし出演の依頼がなくても、お客さんとして絶対来る」と、HYDEに忠誠を誓う場面も。
「YAIBA」「灼熱」というスピードチューンで会場を盛り上げ、ラストの「SUMMER PARTY」では、DAIGOがAKIHIDEのおでこにキスをしてファンを沸かせる場面もあり、さらには「ハロウィン最高~うぃっしゅ!」の掛け声で一体感を生む。トップバッターに相応しく、会場をおおいに盛り上げてステージをあとにした。
来場者によるファッションショー「HALLOWEEN COLLECTION」は、アーティストの参戦も楽しみの一つ。
続いて、X JAPANのSEとして有名な、荘厳な「WORLD ANTHEM」をバックにステージに姿を現したのは、氣志團。スクリーンには、X JAPANのロゴに似せた「K ISHIDAN」の文字が並び、その芸の細かさに、さすが!と唸らずにいられない。
1曲目は「Rusty Nail」。おなじみの、あの興奮するイントロフレーズが流れると、綾小路 翔と早乙女 光がToshlに扮し、ツインヴォーカルでハモりを聞かせる。サビでは二人で手をクロスして、相手のマイクで歌うという面白場面も(笑)。学ラン姿のダンサー陣が加わり「喧嘩上等」、Xジャンプを交えたダンスで「俺達には土曜日しかない」と演奏したあとのMCでは、「俺たちはももクロとVAMPSの準備運動です」と笑わせる。
さらに、自分たちは千葉県出身のロックバンドであり、ここ(幕張)は千葉県。その大先輩がX(JAPAN)であると語り、同郷のYOSHIKIに、「『外房に負けるんじゃねーぞ!』って言われました」と、どこまでが本当で、どこまでがギャグなのかわからないご当地トークで観客を爆笑させた。
続けて、彼らの代表曲「One Night Carnival」に、新曲「我ら思う、故に我らあり」と披露すると、「ENDLESS RAIN」が流れ始め、2人のToshlが抱き合い、メンバーが揃って手をつなぎカーテンコールする場面をスローモーション風に再現と、素晴らしいエンターテイナーぶりを見せてくれた。
SHOWROOMとのコラボレーション企画『THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2015』の投票企画で獲得ポイント1位を記録して出場が決定したアイドルグループ、じぇるの!の瑞々しいパフォーマンスに続いては、ももいろクローバーZのステージへ。
「BIRTHΦBIRTH」「泣いてもいいんだよ」と、噂にたがわぬ全力のライヴを披露し、「PUSH」ではステージを降りて観客にお菓子を配りながら練り歩くという大サービスも。「CHA-LA HEAD-CHA-LA」はあの有名な『ドラゴンボールZ』のカバーだ。最後は蒲田行進曲のテーマ曲に合わせて自らキャストの説明をと、短い時間ながらも強く印象に残るステージを展開した。
次に登場したのは、この日のために結成された“スペシャルパフォーマー”Halloween Men's Only Club Band。メインステージに向かって右手に設けられたSPECIAL ACT STAGEに、真っ赤なゴージャスな衣装に赤と黒のアイメイクが妖艶な“レディー蛾蛾”anis(Vo / MONORAL)、半ズボンの名探偵コナンに扮したken(Gt / L'Arc~en~Ciel)、軍服姿の明希(B / シド)、耳まで裂けた口にウェディングドレス姿のShinya(Dr / DIR EN GREY)がスタンバイ。
まずは、「Here comes the rain again」(ユーリズミックス)を情緒たっぷりと。メンバー紹介では、kenが自分の蝶ネクタイを口元まで持ち上げ話し、笑いを誘う。Blurのカバー「Song 2」ではanisが「Louder!(もっと大きく)」とあおってコール&レスポンス。そして、「これは“あなたしかいない”という曲です」との曲紹介からkenがアルペジオを爪弾き、U2のナンバー「All I Want Is You」をプレイ。全4曲、大人の色気を漂わせたステージが終了した。
演奏終了後にはMCのやまだひさしからバンド結成の経緯を尋ねられ、「明希ちゃんと飲んでいて、“スペシャルバンドやりたいよね”って。
次はいよいよVAMPSのステージだ。カノンが鳴り響き、アリーナ後方から『黒執事』のキャラクターに扮したVAMPSのメンバーが馬車を模したフロートに乗って現れ、ランウェイに到着すると、一人ずつ馬車を降りてメインステージに向かって歩いて行く。最後に姿を見せたのは執事セバスチャン・ミカエリス姿のK.A.Z。そしてランウェイ下から出現した車いすを押してメインステージに到着し、その車いすが正面を向き、カメラがその人物の顔に迫ると、アニメ『黒執事』の主人公シエル・ファントムハイヴを完全再現したHYDEが青い瞳で会場をちらりと見やった。その瞬間の会場の歓声がすさまじかった。まるで、「これを待っていた」と言わんばかりだ。
1曲目は「MIDNIGHT CELEBRATION」。アクロバティックにギターを振り回すK.A.Zと、体を動かすことなくクールな佇まいで叫ぶHYDE。
「Welcome to the Halloween Party! シエル・ファントムHYDEです。だいぶ分かって来た、黒執事。勉強してるもん。みんなハロウィン・マジックにかかって可愛いね。僕もそうでしょ?」と観客に語りかけるHYDE。すると次に、「今日、ALSという難病の友だちが遊びに来てくれてるから、氷水かぶろうと思います」と、ランウェイに用意されたビニールプールへ向かい、突如、帽子の上からバケツの水をかぶったのだ。昨年、「アイスバケツチャレンジ」として、著名人が次のチャレンジャーを指名するリレー方式で氷水をかぶり、病気の認知度そのものを高めることで治療研究の前進を目指すキャンペーンが話題となったが、HYDEはそれを今日、この舞台で実践したのだ。このアイスバケツチャレンジは世界中で話題となり、次から次へと各国の著名人が挑戦する映像がネットやテレビで見られたが、一部では、本来の目的から離れたところで広まった側面もあったように思う。「やりたかったのに、誰も誘ってくれなかったから」とHYDEは言っていたが、一過性のブームに終わらせてはいけないものであることをメッセージしたのだと思う。水をかぶり終えると投げキッスをし、「これで少しでも注目されて(病気への認知が)広まるといいけど……」とつぶやいた。
HYDEがギターを手にして、「JESUS CHRIST」へ。
狂騒的なムードのあと、ラストは「VAMPIRE'S LOVE」へ。ゾンビが赤いバラで埋めつくされた棺をステージに運ぶと、中には眠る女性の姿。HYDEが柩にそっと赤いドレスを掛けて彼女にキスをする。柩の前でひざまずきながら歌うHYDEの瞳には、悲しみと、彼女への慈しみが宿っていた。開いた奥の扉の向こうへと背中を向けて去って行ったHYDE。会場は静けさに包まれ、深い余韻を残してステージを終えた。
幕張2日目もついに最後のアクト。ステージ上にはHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAが登場した。おばけのQ太郎をコンセプトとした純白姿の逹瑯(MUCC)、ゾンビナースの分島花音も加わり、まずはHYDEの指揮のもと「Penalty Waltz」を。
アフリカの子供たちのゲーム「Rhythm Game」、この日は罰ゲームに「箱の中身はなんだろな?」。最初に罰ゲームの餌食になったももクロの高城れには、怖がりながらも中身の「白滝」を見事正解。そして次の罰ゲームはHYDEに決定し、箱の中身が公開されると、会場中から悲鳴が。中には、大きな「うなぎ」の姿。「びびってねーから!」と強がりながらも怯えまくった表情を浮かべるHYDE。ウナギとわかった瞬間、「うわーっ!」と絶叫、肩を落としていた(笑)。
最後は出演者それぞれにHYDEとDAIGOがコメントを訊き、ここで再びコナン姿のkenがステージへ。かぼちゃのバッグを小脇に抱え、「チョコいる? あげる!」と観客に語り掛ける無邪気な姿を見て、「すっごい怖いんだけど(笑)。受験に失敗したんだよね?」とHYDE。kenは「目にクマができて、“今後どうしようかな?”と思っているコナンです」と笑わせた。
「これは“HT”だな。ハロウィン(H)、たまらん(T)!」と、HYDE が叫ぶと、全員で「HALLOWEEN PARTY」へ。出演者たちは、ランウェイから客席通路を歩きながらお菓子を配る大サービス。この臨場感もまた、『HALLOWEEN PARTY』の醍醐味の一つだ。会場にいる誰もが皆笑顔を浮かべる大盛況のなか、5時間におよぶパーティーは幕を閉じた。
(取材・文/田上知枝)
≪セットリスト≫
■Tommy heavenly6<オープニングパフォーマー>
1. Tommy's Halloween Fairy Tale Medley
■BREAKERZ
1. WE GO
2. YAIBA
3. 灼熱
4. SUMMER PARTY
■HALLOWEEN DOLLS<HALLOWEEN COLLECTION>
1. HALLOWEEN PARTY
■氣志團
1. Rusty Nail
2. 喧嘩上等
3. 俺達には土曜日しかない
4. One Night Carnival
5. 我ら思う、故に我ら在り
■じぇるの!<THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2015>
1. You Go Girl!!
2. ギュッとSTAR!!
3. 超絶はっぴーじぇねれーしょん
■ももいろクローバーZ
1. BIRTH O BIRTH
2. 泣いてもいいんだよ
3. LOST CHILD
4. PUSH
5. CHA-LA HEAD-CHA-LA
■Halloween Men's Only Club Band<スペシャルパフォーマー>
<anis(Vo / MONORAL)、ken(Gt / L'Arc~en~Ciel)、明希(Ba / シド)、Shinya(Dr / DIR EN GREY)>
1. Ghostbusters
2. Here comes the rain again
3. Song 2
4. All I Want Is You
■VAMPS
1. MIDNIGHT CELEBRATION
2. KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver-
3. JESUS CHRIST
4. SECRET IN MY HEART
5. REVOLUTION II
6. HALLOWEEN PARTY -ROCK Ver.-
7. VAMPIRE'S LOVE
■HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
1. Penalty Waltz
2. Rhythm Game
3. HALLOWEEN PARTY
※メンバー
VAMPS / BREAKERZ / ももいろクローバーZ / 氣志團 / 明希(シド) /anis(MONORAL)
ken(L'Arc~en~Ciel) /Shinya (DIR EN GREY) / じぇるの!/ 逹瑯(MUCC) /
Tommy heavenly6 /柩(ナイトメア) /YUKI(DUSTAR-3, Rayflower) / 分島花音
※MC
やまだひさし
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