長野・大阪・北海道・横浜、そして東京と、BUCK-TICK過去最多の5会場を巡った『THE DAY IN QUESTION』のファイナル公演が、12月29日に日本武道館にて開催された。BUCK-TICKが年末に日本武道館で公演を行うのは、今年で16年連続。
今公演のチケットは瞬時にソールドアウトした。

暗転したフロアに「THEME OF B-T」が鳴り響き、メンバーを模したクロウがスクリーンに舞い降りるたびに大歓声があがる。興奮に包まれる中、メンバーがステージに登場。今井寿(Gt)が放ったノイズ音に重なるように、星野英彦(Gt)が奏でる軽やかなイントロが始まりを告げた。一曲目は「ANGELIC CONVERSATION」。櫻井敦司(Vo)の伸びやかなヴォーカルが異世界へ導く1989年の名曲だ。続いて「惡の華」「LADY SKELETON」「Brain,Whisper,Head,Hate is noise」など新旧織り交ぜたバラエティに富んだラインナップで、過去や未来、幻想世界から宇宙まで、様々な世界へとトリップさせてくれる。

「tight rope」で宇宙空間に放たれた後、「密室」で一気に閉ざされた部屋へと引きずり込まれる中盤は瞬きを忘れるほどドラマチックだったり、「スパイダー」では樋口豊(Ba)のうねるベースサウンドが炸裂、ヤガミ・トール(Dr)のバスドラのイントロが轟音響いた「MISTY ZONE」、「ICONOCLASM」「細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」では硬質サウンドが全身を貫いた。そして終盤、賛美歌を感じさせる美しい今井のギターソロから始まる「JUPITER」、壮大な「夢見る宇宙」で、フロアは優しさと暖かみに満たされていた。

ボリュームを増していくアンコールの声に応えるべく、メンバーが再びステージに登場。「形而上 流星」では一体感を生んだシンガロングが印象的だった。他に「太陽ニ殺サレタ」「die」を、ダブルアンコールでは「CLIMAX TOGETHER」「LOVE ME」など4曲を披露。
多幸感あふれるエンディングで、2015年を締めくくった。

メンバーがステージを降り、終演したと思われた会場に再びオープニングと同じSEが鳴り響くと、スクリーンには来る2016年、ファンとの次なる約束を発表し、大歓声が響く中全公演を終了した。
(取材・文/大窪由香)

また、この日BUCK-TICKは自身のレーベル“Lingua Sounda(リンガ・サウンダ)”をビクターエンタテインメント内に移し、今後の作品リリースを同社から行うことを発表した。ビクターは彼らが1987年のデビューから10年間所属した所縁の深いレコード会社で、「JUST ONE MORE KISS」「惡の華」などの初期の大ヒット作は同社が輩出している。1997年以降はビクターを離れ、レコード会社数社からコンスタントに作品をリリース、2012年には自身のレーベル“Lingua Sounda(リンガ・サウンダ)”を発足し、デビュー以来、不動のメンバーで精力的なリリース活動を続けている。

さらに、来年9月11日に横浜アリーナにてスペシャルライブを行うことも発表された。9月11日の横浜アリーナ公演といえば、1992年と2004年に「Climax Together」という企画名でスペシャルライブが開催されており、前回からちょうど12年後にあたる2016年公演は、“12年周期で開催される企画ライヴの第3回目”に相当する。ライブに関する詳細は今後、決まり次第発表されるとのこと。

≪セットリスト≫
SE THEME OF B-T 
1. ANGELIC CONVERSATION
2. 惡の華
3. LADY SKELETON
4. Brain,Whisper,Head,Hate is noise
5. BUSTER
6. 狂気のデッドヒート
7. tight rope
8. 密室
9. スパイダー
10. MISTY ZONE
11. メランコリア -ELECTRIA-
12. ICONOCLASM
13. 細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM
14. JUPITER
15. 夢見る宇宙
<アンコール 1>
1. 形而上 流星
2. 太陽ニ殺サレタ
3. die
<アンコール 2>
1. FLAME
2. MISS TAKE 〜僕はミス・テイク〜
3. CLIMAX TOGETHER
4. LOVE ME

カメラマン/
≪ライブ情報≫
2016年9月11日(日)横浜アリーナ
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