スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

■スガ シカオ/【SUGA SHIKAO LIVE TOUR 2015『THE LAST』~生ライブ試聴会&FUNK PARTY~】ライブレポート
2015.12.26(SAT)at Zepp DiverCity Tokyo
(※画像6点)

「キャリア史上、もっともスキャンダラスな衝撃の問題作にして最高傑作」

1月20日に約6年ぶり、メジャー復帰後初となるアルバム『THE LAST』をリリースすることが発表されているスガ シカオ。そのアルバムの“生ライブ試聴会”を含むワンマンライブツアー【SUGA SHIKAO TOUR 2015『THE LAST』】が、2015年12月に東京・大阪・福岡の3都市で開催された。
東京と大阪は各2daysが用意され、DAY1は“生ライブ試聴会&ACOUSTIC NIGHT”、DAY2は“生ライブ試聴会&FUNK PARTY”と異なる演出での公演を開催。ここではツアーファイナルとなった12月26日の東京公演2日目の様子をレポートする。

スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

会場の照明が落ち、浮かび上がったスクリーンに映し出されたのは“魂の表現者 スガ シカオ”“J-POPになる前のスガ シカオ”という文字――。フロアを埋め尽くす観客はじっとスクリーンを見つめ、間もなく体験することになる出来事に静かに興奮しているようだった。イントロダクションの映像が終わり、スガとバンドメンバーがステージに登場。いよいよライブのスタートだ。

スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

2部構成で行われるこの日の公演。第1部はニュー・アルバム『THE LAST』の生ライブ試聴会。スガが音楽の道を歩む決意をした日のことが、父親の思い出と共につづられている「ふるえる手」をはじめ、「大晦日の宇宙船」「あなたひとりだけ しあわせになることは 許されないのよ」を立て続けに披露。背後のスクリーンには歌に合わせて歌詞が表示され、初めて聴く音、初めて目にする言葉が洪水のごとく押し寄せる。

スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

今回の生ライブ試聴会の意味を「新曲に触れる機会は1回だけだから、みんなにプレゼントしたかった」というスガによると、この3曲はアルバムにおいても冒頭の3曲目を飾り、曲間にいたるまで完全再現したのだとか。まさにスペシャルなプレゼントに、客席からは大きな歓声が上がった。


その後も、スガが育った街にあった煙突をモチーフにした「オバケエントツ」、スガいわく「昼間の放送には耐えられない歌詞がちょいちょい……いや、かなり出てくる(笑)」(そして、実際かなり出てきた)「愛と幻想のレスポール」、スガが2005年に敢行した“音楽武者修行”の際にハワイで出会い、現在は闘病中だという友人に向けた「真夜中の虹」などを披露。最後は自身2度目のメジャーデビューを飾ったシングルから「アストライド」で締めくくった。

スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

5分間の休憩を挟み、ライブは第2部の“FUNK PARTY”へと突入。再び姿を現したスガも「お待たせ! 盛り上がって行くよ〜!」と、力のこもった雄叫びで観客をけしかける。「あまい果実」から始まり、「ドキドキしちゃう」「19才」「LIFE」など、新旧織り交ぜたファンクナンバーがほぼノンストップで続く。ようやく設けられたMCでは、昨年11月に出演したNHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』での裏話などで観客の笑いを誘いながらも、目前に控えた20周年に向け「20周年から先も中身の濃い音楽人生を歩んでいく」と、まさにプロフェッショナルの道を邁進(まいしん)する誓いを立てた。そして再びギターを手にすると、「赤い実」や「Re:you」、「アイタイ」といった曲たちを投下。すでにモッシュの嵐となっていたフロアも、スガの動きに合わせてさらに大きなうねりを作る。常にクライマックスという状況が続く中、「ファンクはジャンルじゃないんだ。みんなの気持ちがファンクになるんだ!」というスガの叫びを合図に、ライブはついに終盤へ。「したくてたまらない」「91時91分」「イジメテミタイ」という、スガのライブには欠かせないナンバーで観客を熱狂の渦に巻き込み、本編は幕を閉じた。

スガ シカオ 発売前のアルバムをライブでお披露目する意欲的なツアーを完走/レポート・セトリ
撮影/中河原理英

アンコールでは全員がツアーTシャツに身を包み登場。
充実の1年を代表するにふさわしい「Progress」に続き、「午後のパレード」ではスガとバンドメンバーがオフィシャルサングラスを着用して演奏。ミラーボールの光がキラキラと降り注ぐ中、サビではスガの楽曲で唯一と言ってもいい振り付けを観客全員が踊る圧巻の光景が広がった。そして最後は「コノユビトマレ」を大合唱。スガの顔にも笑顔が浮かび、歌い終えると「みんなありがとう! 最高のライブになりました!!」と手を振り、ステージを後にした。しかし、いつまでも鳴り止まない拍手に、再びスガがステージに登場。「これで終わりたくないから、もう1曲。うるさい曲を演るとずっと続いちゃうからね(笑)」と言って、アコースティックギター、ウッドベース、ピアノの編成で「Cloudy」を披露。しっとりとした演奏と歌声で観客を魅了し、ツアーファイナルを締めくくった。

この日、試聴会の途中で珍しくこれまでの苦悩を口にしたスガ。「10周年の時、自分がどこに向かって全力投球をしていいのかわからなかった」と言い、方向性がつかめないまま闇雲に走っていた時期もあったという。そんな中で出会ったのが、プロデューサーの小林武史氏。小林はスガに「J-POPはやらなくていい」と伝え、その言葉はスガの“何か”に火を付けた。
そうして誕生したアルバム『THE LAST』は、試聴会で聴く限り、サウンドも歌詞も今までのスガ シカオを一歩も二歩も超えた先にある仕上がりとなっている。スガ自身も自負する「キャリア史上、もっともスキャンダラスな衝撃の問題作にして最高傑作」――その全貌が明らかになるのは、間もなくだ。
(取材・文/片貝久美子)

≪セットリスト≫
●第1部
ニュー・アルバム『THE LAST』生ライブ試聴会
1. ふるえる手
2. 大晦日の宇宙船
3. あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
4. オバケエントツ
5. 愛と幻想のレスポール
6. 真夜中の虹
7. アストライド
●第2部
FUNK PARTY
1. あまい果実
2. ドキドキしちゃう
3. 19才
4. Happy Birthday
5. LIFE
6. 赤い実
7. Re:you
8. はじまりの日
9. Loveless
10. アイタイ
11. 青空
12. したくてたまらない
13. 91時91分
14. イジメテミタイ
<アンコール>
1. Progress kokua
2. 午後のパレード
3. コノユビトマレ
4. Cloudy

≪リリース情報≫
New Album
『THE LAST』
2016.01.20リリース

【完全生産限定盤】(CD+SPECIAL CD+GOODS)
VIZL-917 / ¥8,000(税抜)
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THE LAST【完全生産限定盤】

【初回限定盤】(CD+SPECIAL CD)
VIZL-918 / ¥3,800(税抜)
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THE LAST【初回限定盤】

【通常盤】(CD)
VICL-64498 / ¥3,000(税抜)
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THE LAST【通常盤】


[収録曲]
1. ふるえる手
2. 大晦日の宇宙船
3. あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
4. 海賊と黒い海
5. おれ、やっぱ月に帰るわ
6. ごめんねセンチメンタル
7. 青春のホルマリン漬け
8. オバケエントツ
9. 愛と幻想のレスポール
10. 真夜中の虹
11. アストライド (Album Mix)
<SPECIAL CD> ※初回限定盤のみ収録
1. Re:you
2. 傷口
3. Festival
4. アイタイ
5. したくてたまらない
6. 赤い実
7. 赤い実 remix
8. 情熱と人生の間
9. 航空灯
10. LIFE
11. モノラルセカイ

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