ベネッセホールディングスが全国の大手学習塾4社との業務提携を発表。教育サービス「クラスベネッセ」のフランチャイズ化を本格的に推進するともに、「教室事業コンソーシアム」を設立し各社と共同で研究を進めていく。
クラスベネッセは、個人対応を強化した2016年4月スタートの新しい通信教育講座「進研ゼミプラス」と、学習塾での指導を組み合わせたサービスだ。原田泳幸会長兼社長は「新しい教材と塾の対面指導を融合することで、今までにない教育の深化を図りたい」と狙いを説明する。全国の塾には地域に特化した受験対策の知見・ノウハウが蓄積されており、これと進研ゼミプラスが組み合わさることで、これまでにない「見守り」と「個別の学習サポート」ができるという。
「塾に通っているお子様とは、塾に来たときだけ先生は対話できる。家庭に帰ってからの子どもの行動は見られない。ところが進研ゼミプラスはタブレットでデジタル技術を駆使したサービスを提供しており、365日お子様の行動・学習履歴を見ることができる」(原田会長兼社長)
今回の業務提携によるフランチャイズ展開で4月以降、「スクール21」(埼玉県)、「信学会」(長野県)、「寺子屋グループ」(愛媛県)、「熊本ゼミナール」(熊本県)は、進研ゼミプラスの「ハイブリットスタイル」(iPadを活用した学習)を教材に利用した指導が行えるようになる。家庭での学習状況を把握した状態で生徒に教えられるので、塾と家庭をシームレスにつないだ学習が実現するとしている。
「スクール21」の運営元であるエジュテックジャパンの田中隆之社長は、今回の取り組みに参加した理由として、「学習塾にとって今後の見通しが不透明な中、今回のプロジェクトは一歩先を行く新しい形を提案してくれる。進研ゼミ教材による良質な指導に加え、学習塾にとって弱点とも言える子どもたちの自立心の育成、および家庭学習の管理において、大きな力を発揮する」と述べた。
それに加えて「ノーリスクである」という点も挙げた。学習塾の人材や知能スキルなどの資源をそのまま活かすことができるため、導入時のコストが少ないという。「学習塾のカラーを縛るものではなく、独自性を維持しながら新たな集客活動ができるのも大きな魅力」(田中社長)
クラスベネッセの教務システムは、複数の生徒を相手に指導できるのが特徴。講師の持つiPad画面に生徒の一覧が表示され、各人が取り組む問題の正答率がリアルタイムで更新されていく。正答率が低く問題につまずいていると赤色でアラートが出るので、生徒のところまで行ってアドバイスできる。また、塾での学習状況に合わせて問題を「ギフト」として生徒に送ることもでき、家庭での復習による学びの定着が見込める。
原田社長は「ゼミでもない塾でもない今までにない教育効果、これが一番のメリット。『進研ゼミプラス』と『クラスベネッセ』の月謝を合わせても価格に対する価値は今まで以上に高いと親御さんにはわかっていただけると確信している」と強調した。
また「教室事業コンソーシアム」の設立については、「教育業界で最も教育効果の高い先進的な校外学習モデル」を確立することを目指すという。結果として子どもたちの「持続的自己成長力」と「受験合格力」を育むことを目標に掲げる。それを達成するために行うのが「エコシステムの実現」と「プラットフォームの構築」だ。現在の教育市場では、各社が自己完結型のビジネスをしてきたことを原田会長兼社長は指摘。教材制作や教育情報の収集・提供に関して、重複した開発・投資をしているという。
例えばスマートフォン業界などのIT業界は分業、協業、お互いコラボレーションしながら健全な競争をするエコシステム(生態系)が成り立っている。それに教育業界もならい、「それぞれの強いところを統合し、重複する投資は分担することを模索するべきではないか」。
プラットフォームに関しては、学習履歴などをビッグデータ化して蓄積・分析し、教育価値を最大化するのが狙いだ。塾の現場にしかない知見、塾やゼミの生徒の行動履歴をすべて統合することで、日本で最高のアダプティブラーニング(適応学習)の実現を目指す。
デジタルパブリッシング基盤の開発も進めている。ベネッセが持つ豊富なコンテンツを学習履歴やその分析情報と合わせて蓄積するコンテンツライブラリーは、学年や単元を入力すると目的の教材を表示できる。問題作成システムはこれに連動し、デジタル教材が簡単に作れるほか、制限時間に合わせて設問数を増減したり、その場でプリントすることもできる。
今後、同社ではクラスベネッセを2020年までに日本全国1000教室、受講者10万人に拡大することを目標としている。
クラスベネッセ
http://class-benesse.jp/
【ベネッセホールディングス】

ベネッセホールディングスの原田泳幸会長兼社長
クラスベネッセは、個人対応を強化した2016年4月スタートの新しい通信教育講座「進研ゼミプラス」と、学習塾での指導を組み合わせたサービスだ。原田泳幸会長兼社長は「新しい教材と塾の対面指導を融合することで、今までにない教育の深化を図りたい」と狙いを説明する。全国の塾には地域に特化した受験対策の知見・ノウハウが蓄積されており、これと進研ゼミプラスが組み合わさることで、これまでにない「見守り」と「個別の学習サポート」ができるという。
「塾に通っているお子様とは、塾に来たときだけ先生は対話できる。家庭に帰ってからの子どもの行動は見られない。ところが進研ゼミプラスはタブレットでデジタル技術を駆使したサービスを提供しており、365日お子様の行動・学習履歴を見ることができる」(原田会長兼社長)
今回の業務提携によるフランチャイズ展開で4月以降、「スクール21」(埼玉県)、「信学会」(長野県)、「寺子屋グループ」(愛媛県)、「熊本ゼミナール」(熊本県)は、進研ゼミプラスの「ハイブリットスタイル」(iPadを活用した学習)を教材に利用した指導が行えるようになる。家庭での学習状況を把握した状態で生徒に教えられるので、塾と家庭をシームレスにつないだ学習が実現するとしている。
「スクール21」の運営元であるエジュテックジャパンの田中隆之社長は、今回の取り組みに参加した理由として、「学習塾にとって今後の見通しが不透明な中、今回のプロジェクトは一歩先を行く新しい形を提案してくれる。進研ゼミ教材による良質な指導に加え、学習塾にとって弱点とも言える子どもたちの自立心の育成、および家庭学習の管理において、大きな力を発揮する」と述べた。

エジュテックジャパンの田中隆之社長
それに加えて「ノーリスクである」という点も挙げた。学習塾の人材や知能スキルなどの資源をそのまま活かすことができるため、導入時のコストが少ないという。「学習塾のカラーを縛るものではなく、独自性を維持しながら新たな集客活動ができるのも大きな魅力」(田中社長)

クラスベネッセ教務システム画面
クラスベネッセの教務システムは、複数の生徒を相手に指導できるのが特徴。講師の持つiPad画面に生徒の一覧が表示され、各人が取り組む問題の正答率がリアルタイムで更新されていく。正答率が低く問題につまずいていると赤色でアラートが出るので、生徒のところまで行ってアドバイスできる。また、塾での学習状況に合わせて問題を「ギフト」として生徒に送ることもでき、家庭での復習による学びの定着が見込める。

原田社長は「ゼミでもない塾でもない今までにない教育効果、これが一番のメリット。『進研ゼミプラス』と『クラスベネッセ』の月謝を合わせても価格に対する価値は今まで以上に高いと親御さんにはわかっていただけると確信している」と強調した。

教室事業コンソーシアム
また「教室事業コンソーシアム」の設立については、「教育業界で最も教育効果の高い先進的な校外学習モデル」を確立することを目指すという。結果として子どもたちの「持続的自己成長力」と「受験合格力」を育むことを目標に掲げる。それを達成するために行うのが「エコシステムの実現」と「プラットフォームの構築」だ。現在の教育市場では、各社が自己完結型のビジネスをしてきたことを原田会長兼社長は指摘。教材制作や教育情報の収集・提供に関して、重複した開発・投資をしているという。
例えばスマートフォン業界などのIT業界は分業、協業、お互いコラボレーションしながら健全な競争をするエコシステム(生態系)が成り立っている。それに教育業界もならい、「それぞれの強いところを統合し、重複する投資は分担することを模索するべきではないか」。
プラットフォームに関しては、学習履歴などをビッグデータ化して蓄積・分析し、教育価値を最大化するのが狙いだ。塾の現場にしかない知見、塾やゼミの生徒の行動履歴をすべて統合することで、日本で最高のアダプティブラーニング(適応学習)の実現を目指す。
デジタルパブリッシング基盤の開発も進めている。ベネッセが持つ豊富なコンテンツを学習履歴やその分析情報と合わせて蓄積するコンテンツライブラリーは、学年や単元を入力すると目的の教材を表示できる。問題作成システムはこれに連動し、デジタル教材が簡単に作れるほか、制限時間に合わせて設問数を増減したり、その場でプリントすることもできる。
今後、同社ではクラスベネッセを2020年までに日本全国1000教室、受講者10万人に拡大することを目標としている。

クラスベネッセ
http://class-benesse.jp/
【ベネッセホールディングス】