清水翔太 天賦の才が今、静かに牙を剥く…イメージを大きく覆す新作『PROUD』/インタビュー

■清水翔太/New Album『PROUD』インタビュー(1/4)

過去最高にドープな仕上がりながら、この上ないキャッチーなメロディーセンスや洗練された気品にも改めてノックアウトされる一枚

もう後戻りはできない。それくらいの覚悟で制作に臨んだという清水翔太のニューアルバム『PROUD』が完成した。本作に繋がるシングルリリースのたびに「次はJ-POPを逸脱するものになる」とインタビューで言い続けていたが、まさにそれを有言実行した意欲作。今どきの海外R&B/ヒップホップに目配せしながらも、独創的かつ斬新なサウンドの数々は、ポップス/バラードシンガーといった彼のイメージを大きく覆すものだろう。歌詞は尖り、ラップも多用。過去最高にドープな仕上がりながら、この上ないキャッチーなメロディーセンスや洗練された気品にも改めてノックアウトされる一枚。清水翔太の天賦の才が今、静かに牙を剥く。
(取材・文/猪又 孝[Do The Monkey])

これを続けていくか、それとも去るかっていうくらいの気持ちで臨んだ。
「この一作だけ暴れてみました」みたいなテンションじゃないんです


――今回はどんな気持ちでアルバム制作に臨んでいたんですか?

翔太:昨年2月に出したベストアルバム(『ALL SINGLES BEST』)でひと区切りついたところがあるし、次はやりたいことをやろうと思ってたんです。考え方にも変化があって、自分の才能を最大限に活かせることをやらないと意味がないかもって。メジャーレーベルでやらせてもらう以上、J-POPのフィールドで闘いたい気持ちはあるんですけど、自分の才能を100%活かしたものを恐れずに作ることも、それはそれで挑戦じゃないかと。そうすると当然、「いや、これはどうだろうね?」っていう反応も出てきて……。

――確かに、今回の作品は賛否両論があるでしょうね。

翔太:実際、身内からも否定はあったんです。「これ、大丈夫か?」っていう。それでもここまでやらせてもらえたことは嬉しいし、自分の才能をMAXで活かせることをやりきったほうが逆に売れるかもしれないじゃん、とも思ったし。今回は本当、好き勝手にやらせてもらった感じですね。

清水翔太 天賦の才が今、静かに牙を剥く…イメージを大きく覆す新作『PROUD』/インタビュー

――今回の軌道修正は、この先10年、20年を見据えてのものなんですか?

翔太:それは難しいところですね。結局は自分ひとりで自由にやっているわけじゃないから。僕がどれだけ名盤だと思っていても、これで結果が出なかったら「ダメじゃん」って言われちゃうわけだし……。

――そこで「いや、この方向でやり続けるんだ」とこだわり続けることもできるでしょう?

翔太:僕の気持ちとしては、それくらいの覚悟でやっていますね。これがダメでも元に戻るっていうことはあまり考えてなくて、これを続けていくか、それとも去るかっていうくらいの気持ちで臨んでる。だから、「この一作だけ暴れてみました」みたいなテンションじゃないんです。

――『PROUD』というアルバムタイトルには気骨を感じましたが、どのタイミングで、どんな思いからつけたんですか?

翔太:同名のタイトル曲が出来てからつけたんです。今いちばん強いメッセージ性があるのは、このタイトル曲だろうなと思って。あと、こういうアルバムを作った自負ももちろんありますから。誰が何を言おうと「これは僕の最高の作品ですよ」って誇れるだけのものであるかどうか。そう言えるものを作るしかないって腹を括ったところから制作に入ってますから、今回は。

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――「PROUD」という曲に出てくる、<本当の君>という歌詞の<君>は誰を指しているんですか?

翔太:これを聴く人が自分に当てはめてくれればいいと思ってます。日本人って臆病だなと思って、この曲を書いたんです。そういう日本人の感覚って苦手なんですよ。出る杭を打つとかもそうだけど、もっと自由に生きればいいし、自分が「いい」と思ってることは「いい」で良いと思うんです。だけど、周りが「そう?」って言うと不安になったりする。周りの目を気にして、本当の自分を隠して生きてる人ってすごく多いと思うんです。

――そうじゃなくて自分に自信を持て、と。

翔太:そう。僕は腹を括って、丸裸になってここに立ちますよって。今回のアルバム作りのそういう姿勢が、聴く人にとっての勇気や希望になってほしいし、本当のあなたはどこにいるんだ?っていうことをこの曲で言いたかったんです。

――ミュージックビデオが公開されている「MONEY feat. 青山テルマ, SALU」は、浮遊感のあるダークなトラックですね。これはテルマに客演した「Stay」の延長線で生まれた曲なのかなと予想したんですが。

翔太:「Stay」と同じ頃に全部英語詞で歌詞の1番だけ作っていた曲で、これにラップが入ったら面白いかもと思っていたんです。テルマにラップさせるっていうアイデアはずっと前から考えてたんですよ。彼女が自分の作品でやっていたラップがすごく良かったから。

――『Lonely Angel』の「TOKEYO」とか。

翔太:そう。だからもう「ラッパーになれよ」って言ってて(笑)。それくらい僕は好きだったんで、自分の作品でもやってほしいなって。

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――SALUとの繋がりは?

翔太:とあるパーティーでお会いしたんです。彼が出てきたときから「いいな」と思ってたんですけど、僕は牙を隠してこれまでやってきたから、ああいう立ち位置の人にどう思われてるか、すごく気になるというか、結構怖いんですよ。で、会ったときに「俺、すごい好きなんだよね」って話しかけたら「俺も好き。翔太くん、最高っすよね」みたいに返してくれて「よかったー」と思って(笑)。「次、ドープなアルバムを作ろうと思ってるから一緒にやりたいな」って言ったら「全然、全然」っていう感じだったから改めて誘ったんです。

――歌詞は、幸せの価値についての問題提起になってるよね。

翔太:すっごいお金を持っている人のお金の使い方って、かなり豪快じゃないですか。それって幸せなのかな、と思って。お金があるに超したことはないし、裕福なのは幸せなことだけど、お金で買えないものもあるんじゃないかと。そういうベタなテーマをこの3人でやったらどうなるかなと思って作ったんです。

――インタビュー2へ


≪動画コメント≫


≪リリース情報≫
New Album
『PROUD』
2016.03.30リリース

【初回生産限定盤】CD+DVD
SRCL-9016~17 / ¥3,600(税抜)
【通常盤】CD
SRCL-9018 / ¥3,000(税抜)

[収録曲]
1. Feel Good
2. PROUD
3. Damage
4. Good Conversation
5. ANIMAL
6. Drunk
7. thinking bout you
8. N.E.E.D
9. 花束のかわりにメロディーを
10. MONEY feat. 青山テルマ , SALU
11. BYE×BYE
12. キミノセカイヘ
13. lovesong

≪ライブ情報≫
【清水翔太 LIVE TOUR 2016“PROUD”】
2016年5月18日(水)東京・Zepp Tokyo
2016年5月23日(月)愛知・Zepp Nagoya
2016年5月25日(水)大阪・Zepp Namba
2016年5月29日(日)北海道・Zepp Sapporo
2016年7月1日(金)千葉・市原市市民民会館
2016年7月10日(日)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2016年7月12日(火)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2016年7月15日(金)宮城・仙台サンプラザホール
2016年7月21日(木)福井・フェニックス・プラザ 大ホール
2016年7月30日(土)静岡・静岡市民化会館 大ホール
2016年8月14日(日)香川・アルファあなぶきホール 大ホール
2016年8月17日(水)広島・広島文化学園HBGホール
2016年8月25日(木)鹿児島・鹿児島市民文化ホール 第1ホール
2016年8月27日(土)福岡・福岡サンパレス
2016年9月8日(木)日本武道館
2016年9月9日(金)日本武道館
2016年9月26日(月)大阪城ホール

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