24日(日)、RKB毎日放送の創立65周年を記念し、福岡護国神社にて『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』が開かれた。同イベントのプロデューサーでもある葉加瀬太郎を始め、LE VELVETS(ボーカルグループ)、西村由紀江(ピアノ)、ウェイウェイ・ウー(二胡)、沖 仁(ギター)に高嶋ちさ子(ヴァイオリン)等のクラシカル系ミュージシャンに加え森山良子、地元福岡出身の藤井フミヤら8組が出演し、4時間の熱いパフォーマンスを繰り広げた。


『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』のトップバッターを務めたのはLE VELVETSの5人。テノールとバリトンの美しい声を広い境内に響き渡せる。西村由紀江とウェイウェイ・ウーは自身のステージの他に、このふたりで結成した新ユニット「PiaNico」でも参加。ギター・スタンダード曲「禁じられた遊び」でスタートした沖 仁は時には静かに時には激しくと緩急自在にフラメンコ・ギターを爪弾く。

森山良子のステージでは「涙そうそう」で二胡のウェイウェイ・ウー、「子犬のワルツ」に西村由紀江のピアノ。そして世界中のミュージシャンにカバーされる名曲「ユー・レイズ・ミー・アップ」を葉加瀬太郎と共にと、曲ごとに豪華なコラボレーションを披露し集まったオーディエンスもじっくりと楽しんだ。高嶋ちさ子は「リベルタンゴ」で圧巻のヴァイオリンを響かせ会場を圧倒。

そして日が沈み始めた18:30過ぎ。ステージには藤井フミヤが登場。まず本殿に一礼した後、1曲目「鎮守の里」をゆっくりと歌い出す。続いては高嶋ちさ子をゲストに迎えての「TRUE LOVE」。フミヤのボイスに高島のヴァイオリン。
その美し過ぎる共演に場内もうっとりと聴き入る。この日はヤフオクドームで開催される『鷹の祭典2016』の最終日。フミヤはリハーサルを終えた後、球場に駆けつけ試合終了後には38500人で埋まったスタジアムで1曲歌い、再び護国神社に戻ってきた。

ここで「鷹の祭典」専用の青いユニフォームに着替えると、客席も大喜び。「ほんのさっきなんですが、歌ってきた曲を歌いたいと思います!」と福岡ソフトバンクホークス公式セレモニーソングでもある「勝利の空へ」を熱唱。歌い終えると「今年も優勝するぞーーーーー!」と、フミヤの勇ましいホークス優勝宣言に客席も大歓声で応えた。

昨年、木梨憲武、ヒロミと福岡を旅した話しを混じえながら、3人で歌った「友よ」を歌う。フミヤコーナーのラストは葉加瀬太郎が登場。ふたりの息のあった競演は、この公演の1週間後に大阪で行われる『情熱大陸フェス』のデジャブを見ているようだ。

『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』の締めはイベント・プロデューサーの葉加瀬太郎。2曲目の「風の向こうに」はこの日初めて披露された新曲。続いての『NEWS23』のエンディング曲「Someday Somehow」からは高嶋ちさ子も参加。
演奏前の神社の絵馬にまつわるふたりのトークも絶妙。高嶋が「今年は悪い女のレッテルを貼られてるから後半はおとなしくしていこうかと……」と神妙な願い事を書いたと話すと、葉加瀬は「じゃ、もういろんな物を壊したりしないんだ……」と茶化し、「いや、壊しても人には言わない!」と応えるやりとりは、会場を大爆笑の渦に包み込んだ。

そのまま高嶋は残り、バッハが2つのヴァイオリンのために書いたコンチェルト「スウィンギン・バッハ」を沖 仁が加わって3人で演奏。そして最後はお馴染み「情熱大陸」で場内を総立ちにさせ、初開催となった『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』が終了。護国神社で奉納演奏させてもらうにあたり、音楽に“恩恵”を受けた我々が、“音”で返すことができたらという想いを込めて葉加瀬太郎が『音恵(ONKEI)』とタイトルを付けたこのイベント。来年以降も開催してほしいボーダーレスな音楽イベントだ。

この日参加した葉加瀬太郎と藤井フミヤのふたりは、7月31日の大阪からスタートする『情熱大陸SPECIAL LIVE』にも出演する。
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