『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』のトップバッターを務めたのはLE VELVETSの5人。テノールとバリトンの美しい声を広い境内に響き渡せる。西村由紀江とウェイウェイ・ウーは自身のステージの他に、このふたりで結成した新ユニット「PiaNico」でも参加。ギター・スタンダード曲「禁じられた遊び」でスタートした沖 仁は時には静かに時には激しくと緩急自在にフラメンコ・ギターを爪弾く。
森山良子のステージでは「涙そうそう」で二胡のウェイウェイ・ウー、「子犬のワルツ」に西村由紀江のピアノ。そして世界中のミュージシャンにカバーされる名曲「ユー・レイズ・ミー・アップ」を葉加瀬太郎と共にと、曲ごとに豪華なコラボレーションを披露し集まったオーディエンスもじっくりと楽しんだ。高嶋ちさ子は「リベルタンゴ」で圧巻のヴァイオリンを響かせ会場を圧倒。
そして日が沈み始めた18:30過ぎ。ステージには藤井フミヤが登場。まず本殿に一礼した後、1曲目「鎮守の里」をゆっくりと歌い出す。続いては高嶋ちさ子をゲストに迎えての「TRUE LOVE」。フミヤのボイスに高島のヴァイオリン。
ここで「鷹の祭典」専用の青いユニフォームに着替えると、客席も大喜び。「ほんのさっきなんですが、歌ってきた曲を歌いたいと思います!」と福岡ソフトバンクホークス公式セレモニーソングでもある「勝利の空へ」を熱唱。歌い終えると「今年も優勝するぞーーーーー!」と、フミヤの勇ましいホークス優勝宣言に客席も大歓声で応えた。
昨年、木梨憲武、ヒロミと福岡を旅した話しを混じえながら、3人で歌った「友よ」を歌う。フミヤコーナーのラストは葉加瀬太郎が登場。ふたりの息のあった競演は、この公演の1週間後に大阪で行われる『情熱大陸フェス』のデジャブを見ているようだ。
『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』の締めはイベント・プロデューサーの葉加瀬太郎。2曲目の「風の向こうに」はこの日初めて披露された新曲。続いての『NEWS23』のエンディング曲「Someday Somehow」からは高嶋ちさ子も参加。
そのまま高嶋は残り、バッハが2つのヴァイオリンのために書いたコンチェルト「スウィンギン・バッハ」を沖 仁が加わって3人で演奏。そして最後はお馴染み「情熱大陸」で場内を総立ちにさせ、初開催となった『福岡音楽祭 音恵 ONKEI 2016』が終了。護国神社で奉納演奏させてもらうにあたり、音楽に“恩恵”を受けた我々が、“音”で返すことができたらという想いを込めて葉加瀬太郎が『音恵(ONKEI)』とタイトルを付けたこのイベント。来年以降も開催してほしいボーダーレスな音楽イベントだ。
この日参加した葉加瀬太郎と藤井フミヤのふたりは、7月31日の大阪からスタートする『情熱大陸SPECIAL LIVE』にも出演する。