10-FEET、 BABYMETAL、UVERworldらRIJF2016 初日/ライブレポート
星野 源

■【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】ライブレポート
2016.08.06(SAT)at 茨城県 国営ひたち海浜公園
(※画像4点)
(C)ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016

ロックは、時代を超えて続いていく

もはやすっかり夏の恒例行事となった【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016】(以下RIJF)が、今年も4日間に渡ってひたちなかの地を興奮の渦で埋め尽くした。17回目を迎える今回、初日となる6日(土)にはなんと6万7500人もの来場者を記録した、と総合プロデューサーの渋谷陽一が告げた。
4日間で計27万人、地方の一都市にも匹敵する人数を動員するRIJFは、名実ともに“日本最大のロックフェス”になったと言えるだろう。

第1回目にはたった1ステージで始まったロックフェスも、今年はフェス会場エリアを過去最大規模に拡大し7ステージに。さらに、新しい取り組みとしてより快適にフェスを楽しめるよう、園内を周るルートも2つへと進化した。興味のない人にとっては炎天下で一日中音楽を聴くという苛酷とも言えるイベントだが、“NO MUSIC, NO LIFE”なファンにとっては、感情ほとばしるロックを全身で味わえる、一年に一度の至福の時間だ。自分達がフェスをつくるんだという、使命感にも似た参加者らの愛が、会場を一つにする。

10-FEET、 BABYMETAL、UVERworldらRIJF2016 初日/ライブレポート
10-FEET

全52アーティストの先陣を切るのは、5年ぶりとなるニュー・シングル『アンテナラスト』を引っ提げて登場した10-FEET。昨年のRIJFで大トリを務めた彼らが今年はオープニングアクトだ。「いくぞお前ら、勇気を分けてくれ!!」。ボーカル・TAKUMAのシャウトから「hammer ska」が一気に始まる! Be brave Be brave……と流れるように弾き出されるリズムの波が、うねりとなって観客に届いていく。ウォーミングアップなんかしなくても、体が勝手にリズムを取るのだ。

MCでは都知事選にかけて、「KOUICHIの都知事就任に集まって頂きありがとうございます!」とおどけるTAKUMA。街頭演説風にマイクにエコーをかけてノるKOUICHI、すかさずTAKUMAの格好をイジり返す。
緑のラガーシャツにピンクのタイツとヘッドバンドといういで立ちは、どう見てもりゅうちぇる! TAKUMAの熱いメッセージを乗せた最後の「アンテナラスト」へと続く一連のステージに、生の疾走感と人への暖かな目線が溢れる10-FEETの真骨頂を見た。

10-FEET、 BABYMETAL、UVERworldらRIJF2016 初日/ライブレポート
BABYMETAL

続いては海外からも高い注目を集めているBABYMETAL。「ギミチョコ!!」は、ビターを通り越して甘さゼロのメロディーに、スイートなBABYMETALのパフォーマンスがヤミツキになる。小さな体のどこにそんなパワーが、と思うほどYUIMETAL、MOAMETALはステージの端から端へと走り回って観客を煽り、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」ではSU-METALの凛とした歌声が会場全体を支配する。「メギツネ」、「KARATE」でドラマティックな世界観にどっぷり浸かった後「See you September, at TOKYO DOME!」の一声でハッと現実に引き戻されるのだが、どうやら3人の女狐たちに魂を吸い取られてしまったようだ。

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UVERworld

晴れ渡る空の下、ようやく涼しい風が吹き抜けるようになった頃合い。若者からカリスマ的人気を誇るUVERworldがGRASS STAGEに現れた。「たった8曲に全て賭けるぜ!」と言ったTAKUYA∞の言葉は本物だ、曲と曲の間に空白が全くない。彼らの本フェス出演は15年に続き今年で2回目。デビュー当時RIJFに出演を断られたところからスタートし、10年かけてついにメインステージに立つところまで上り詰めた彼らがRIJFステージに賭ける想いは他のアーティストの比ではないのかもしれない。「今日の一番捕りに来てんだよ!」だから一分一秒をも惜しむかのように音を響かせ、彼らにしか出来ない音楽を届ける。ご挨拶代わりの「7th Trigger」に、「在るべき形」で「これがUVERworld、よろしくどうぞ!」と全力でぶつかってくる彼らに、彼らを知らない人でも思わず聴き入ってしまうのだ。
偶然にも彼らの前に演奏したDragon Ashから、キャリアの頂点を今迎えようとしているUVERworldへ。ロックは、時代を超えて続いていく。

帰りのバスで、リュックにRIJFのキーホルダーをごそっと付けているファンを見つけた。今年の熱い思い出とともに、家に帰ったらまた一つキーホルダーが増えるのだろう。
(取材・文/佐々木 梢)

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