
■WEAVER/New Single『S.O.S. / Wake me up』インタビュー(2/2)
――インタビュー1より
これを携えて次のWEAVERとしてやっていけるなって
――そして、先程から何度も話に出てきている「Wake me up」なのですが、確かに、こちらのほうが『Night Rainbow』からの流れを強く感じました。シンセを使いつつも、バンドサウンドが軸になっていますし、今のWEAVERの芯みたいなものが感じられるなと。
杉本:この曲は『Night Rainbow』がリリースされるくらいのときにはできていたもので。僕の中で『Night Rainbow』は、ダンスミュージックとかを意識して作っていく中での、答えに行き着くための一つの作品だと思っていて。それができたことによって、次の自分の作りたいものっていうのが定まって、その答えがこの曲になったんじゃないかなと思ってます。今の音楽シーンの中でも新鮮なものとして捉えられる、いろんなものがうまく合致してできた曲です。
――先ほど、河邉さんはこの曲ができたときに「これまでの先を行く、圧倒的な曲」とおっしゃってましたが。
河邉:新しい感じと今までのWEAVERという感じが共存していて、メロディーもリフも、他の新曲たちよりも圧倒的だと感じたんです。これは良いものができたなと。これを携えて次のWEAVERとしてやっていけるなって。
――そんな曲をアレンジして行くなかで、気を使ったことはありますか?
河邉:デモの時点でほぼ完成されていて、ベースとドラムの絡みとかもかなり具体的にできていたので、それを合わせて行くっていう作業だったんですけど、思ったより難しかったです。具体的に言うとリフとサビなんですけど、リズムが今のJ-ROCKシーンでやってることとは全然違うので。だからこそ、そのノリは聴いてみると新鮮だと思います。
奥野:今回、スラップ奏法を使ってるんですけど、これまでちょっとベーシストがわざと“これ、カッコいいでしょう”っていう感じで使う奏法のイメージだったんで、僕は使ってなかったんですね。でも、今回は音色としてパーカーションのように鳴る感じが、曲として必要だなって思って。杉本がデモの段階でそれを提案してくれていたので、僕にとってはチャレンジだったんですけど、やってみることで一つベーシストとして引き出しが増えましたね。ベースに興味がある人は、その辺りも気にして聴いてみて欲しいです。
――今回の歌詞はだいぶ大人な感じというか。河邉さんの書く歌詞が徐々に変わって来ている印象はあるんですけど、また一つ新たなところを書いているなと。
河邉:これは、メロディーができた時点で、杉本からいくつかのキーワードをいただいていて(笑)。
杉本:差し上げました(笑)。
――(笑)。どんなキーワードをいただいたんですか?
河邉:不誠実な男性像みたいなものをいただきまして。「くちづけDiamond」もそうですけれど、ちょっとずつこういう世界観の歌があっても良いのかなと。今付き合ってる人がいるのに、過去の人を思っていて、愛せないみたいな。メロディーの数が少なくて、言葉を乗せるところも少なかったんで、ストーリーを構築していく上では意外と繊細な作業だったんですけれど、出来上がってみると、言葉の乗り方とかも含めていいものになったなと思ってます。
杉本:なんでかわからないんですけど、80’sサウンドってちょっとキザな男というか、そういうものが浮かぶんですよね。今回のイメージは、サウンドに引っ張られた部分がありますね。
――悪い男が増えてきてますね(笑)。
河邉:そうですね(笑)。特にこのサウンドの中では、こういう男性像もいいなと思います。でも、あんまり頻度が高いと、「何かあったの?」と言われそうなので、ちょっとずつ出して行きたいと思います。

コンスタントにライブをできているっていう現状は、バンドとしてすごくいい流れ
――そして、もう1曲「AMI」が収録されます。これはピアノが全面に出ている曲ですね。
杉本:曲自体は「こっちを向いてよ」(14年リリース)を作ったタイミングにはあって、メンバーの中ではいい曲だなっていう思いで残していたんですね。僕らって結構、出し惜しみしていて、出せなくなるっていうのがあって(苦笑)。それで、今回、シングルを出すことになって、「もう1曲はバラードが欲しいよね」っていう話になったときに、これが候補としてまた上がって。それで、入ることになりました。
――歌詞は河邉さんの実話かなって(笑)。
河邉:実話ではないです(笑)。でも、今、28歳の僕らが、リアルに感じられるような内容ではありますね。再会して恋愛とか、再会したけどお互いにパートナーがいるとか。あの頃のピュアな思いもありつつ、ちょっと駆け引きとかもできたりもする。そういうものが共存できる歌詞になればと思って書きました。最初に書いてた歌詞もラブソングだったんですけど、今回、リリースできることが決まって書き直したんですね。おなじラブソングでも自分の視点で書くだけじゃなくて、俯瞰もあったり、曲が終わっても物語が続いて行くような感じにできたらなって。そこからストーリーをどうしようか?とか、“再会”をキーワードにしようとかを考えて書いて行きました。
――タイトルの「AMI」の意味は?
河邉:これは女性の名前ではなく、“AMI”にはフランス語で“友達”という意味があって。二人の関係性を表現するのに友達という言葉が合っているなと思って付けたんですけど、全国のアミさんにもいい曲だなと思ってもらえたら嬉しいです。英語では女性の名前がタイトルの曲って結構ありますけど、日本の女性の名前がタイトルってそんなに多くないじゃないですか。なので、意味合いとしては違いますけど、そんなふうにも見えるのでいいなと。
――そして、今作のリリースのあとには、WEAVER初の自主企画対バンイベントもありますね。
杉本:僕らにとっての一大イベントです。これまであまり対バンをしてこなかったというのも、スタンスとしていいと思う部分もあったんですけど、今は、自分たちが自信を持って鳴らせるこの新しいサウンドをもっと外に広げて行きたいっていう思いが強くあって。対バンは僕らにとって挑戦的なものではあるんですけど、だからこそ気合を入れてやりたいですね。
――このシングルもあるし、ことしもまだまだWEAVERが動いて行く気がします。
奥野:対バンイベントもそうですが、学園祭ライブとかもありますしね。WEAVERのサウンドを聴いたことがない人たちに、他にはない、自分たちのならではのものを届けられる自信もついているので、昨年からコンスタントにライブをできているっていう現状は、バンドとしてすごくいい流れなんです。なので、その流れに乗りつつ、また次に、来年に続くようなものを作って行きたいですね。
河邉:今回、自信があるシングルができたので、それをアニメを通じてであったり、ライブだったりで広げられる機会がこの秋冬にはあると思うんですね。なので、このチャンスを逃さずに、もっと大きなバンドになって、今年はホールツアーをやりましたけど、もっと大きなツアーがやれるように、多くの人を巻き込んで行きたいですね。
≪リリース情報≫
New Single
『S.O.S. / Wake me up』
2016.10.19リリース
【初回限定盤】(CD+DVD)
AZZS-50 / ¥1,800 (税抜)
【通常盤】(CD)
AZCS-2055 / ¥1,200(税抜)
[収録曲]
1. S.O.S. [アニメ『うどんの国の金色毛鞠』OPテーマ]
2. Wake me up
3. AMI
<DVD> ※初回盤のみ収録
『WEAVER 11th Additional TOUR 2016「Walk on the Night Rainbow」at 松山W studio RED』
1. You
2. アーティスト
3. Hard to say I love you ~言い出せなくて~ (ver.R&B)
4. マーメイド
5. 希望の灯
6. サマーチューン
7. Wake me up
WEAVER オフィシャルサイト
WEAVER 掲載記事一覧
エキサイトミュージック インタビュー掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel