高橋優が「君の背景」に見出した、人が抱きしめ合う理由/インタビュー2

 
高橋優が「君の背景」に見出した、人が抱きしめ合う理由/インタビュー2
撮影/田中純一

■高橋優/New Album『来し方行く末』インタビュー(2/4)

――インタビュー1より

人は一人だと一方向しか見えないけど、相手がいると、自分には見えていない方向も見てくれている

――『来し方行く末』は歌詞が難産だったんですか? いろんな方向のメッセージがありますけど、すごく響くんですよね。

高橋:嬉しい。

――後ろ向きになっている心境だと余計に……。

高橋:あっ、何かあったんですか……?

――それはともかく、2016年に入って、以前とは違う自分になってきた、とこれまでの取材でよく口にしていました。それで書こうとするテーマもなかなか決めかねていたんですか?

高橋:テーマ自体は見えていた気がしますね。あと30~40分後に曲順が公式発表されるんですが、1曲目にしたいと思っているのが「Mr.Complex Man」なんです(笑)。自分のことが嫌いって曲ですよね。それは僕の中で、もしかしたらずっとあり続ける考え。文字通りコンプレックスがあって、自分以外の人への憧れが僕はけっこう強いんですよね。一転して自分に対してはけっこうネガティヴに捉えがち。“まだまだだな、オマエ”って常に問いかけているようなところもあって。この前、オリンピックが終わりましたけど、金メダルを獲る人は一人しかいなくて、銀や胴メダル以下の人達は数え切れないほどいるじゃないですか。僕は金メダルを獲る人のための歌ではなくて、メダルを獲れない人達のために歌っている部分が、すごく大きいのかなと思って。なぜ自分はそこに行けなかったんだとか、いや、これから行ってやるんだって歌とか。発展途上というか、そうしたものがテーマになるなと思っていたんです。それで自然とコンプレックスという言葉が出てきたり、一生懸命に頑張っている人をゴキブリに例えて「Cockroach」で歌ったり。僕は虫ソングが幾つかあって、前に「蝉」という曲を出しましたよね。蝉も嫌われてるし、ゴキブリも嫌いでしょ、みんな。でもシンパシーを感じてしまうんです。分かる、みたいな。かわいそうに、俺もそうだよって。

――自分と向き合ったとき、ある種、ネガティヴの塊みたいな自分自身を知ったんですか?

高橋:僕は関ジャニ∞の大倉忠義クンという国民的なアイドルの方と一緒に、1年半以上、ラジオ番組をやらせてもらってるじゃないですか。“面倒くさい人だよね~”とか“屈折してる~”って何万人の方が聞いているラジオで言われるんですよ(笑)。それに対して“おもしろ~い”とかメールをいただいて、自分で読んでいるんです(笑)。あと飯を食っていてもそうですよ。例えばチャラそうに見えるヤツが、飲んでいくごとにマジメになっていくと、女性からモテるらしいんです。でも僕はその逆なんです。メガネを掛けてるし、髪も黒いし、マジメな人が来たと思われがちなんです。ところがしゃべっていくとチャランポランで。自分で言うのも気が引けるけど(笑)。適当なところもあるし、忘れっぽいところもあるし。そういう逆ギャップによって、引かれることも昨年の社交的キャンペーンで何度も経験していて。それに、なんだかんだ笑いになって終わったり。だから自分への嫌気というよりは、イヤなことに変わりないけど、こういう自分ですって、半ば、開き直れたというか。誰にもコンプレックスはあるでしょ、というふうになってきた。「産まれた理由」をリリースして、「さくらのうた」をリリースして、「明日はきっといい日になる」を歌ったら、なんかね、いい人そうじゃないですか?(笑) それを一度、「Mr.Complex Man」という曲だったり、「Cockroach」という曲で、ちょっと原点回帰じゃないですけど、自分を聴いてもらおうかなと思って。
高橋優が「君の背景」に見出した、人が抱きしめ合う理由/インタビュー2
撮影/田中純一

――「拒む君の手を握る」や「君の背景」などは、今まであまり歌にしてこなかった心情だと感じました。

高橋:「君の背景」は先週出来た曲で(笑)。しかも珍しくラブソングを。需要があるか分からないですけどね(笑)。

――何を言い出す(笑)。でも、そういう面も自分のパーソナルな思いから?

高橋:恋愛に関しての自分の哲学的なものがあるのか分からないけど、せっかく恋している人達の何かを描くなら、みんなが見たことがあるような景色から入りたかったんですよ。パーソナルって言ってくれましたけど、抱きしめ合ったことはある……でしょ?(笑) 

――急に照れた口調ですが(笑)。

高橋:でも抱きしめ合ったことのない人はいないと思いますよ。赤ちゃんのときに抱っこされているはずなんです。これ初めて話しますけど、この曲を思い付いたのは電車に乗っていたときなんです。僕は椅子に座っていて、前のほうを見たら、お母さんが赤ちゃんを抱っこしていたんです。お母さんは向こうを見ていたから、その赤ちゃんはずっと僕のほう見ているんですよ(笑)。僕、赤ちゃんとか好きだから、表情を変えたりして。するとキャハッとか笑ってくれるんです。で、お母さんがどうしたの?ってやるじゃないですか。僕はお母さんには見られたくなくて、平静を装うんです(笑)。お母さんが見てなかったら、また僕は赤ちゃんをあやすんです。そのときに曲を思い付いたんです。人は一人だと一方向しか見えないけど、相手がいると、自分には見えていない方向も見てくれている。それでお互いに360度見渡せる。人が抱きしめ合う理由は、ただくっつきたいだけかもしれないけど、視界が広がるっていう意味でもいいなって。その人が歩いてきた道のりも見れたり。あと手をつなぐこととか、恋愛の当たり前の行為を自分なりになぜなんだろうって、その理由に改めて着目して書いていったんですね。バッグとか、片方ずつ持って歩いたことないですか? カップルで。

――カップルではないかな。

高橋:あっ、男同士!? それ、テントとか重い荷物じゃないの? せぇ~の!って力仕事でしょ(笑)。でも僕のイメージでは、2リットルのペットボトルとか入ったレジ袋とかです。一緒に持とうとか言う人もいるじゃないですか? でも背の高さが違ったら、一緒に持っていることにならないんですよ。背の高いほうが重さを負担してることになるから。それに気を遣った女の子が、頑張って持ち上げながら一緒に持っている、みたいな。

――一瞬ごとの描写が細かい、ホントに。

高橋:こういうピンポイントのエピソードみたいなことって、経験したことある、もしくは想像できた人には、それぞれの相手を思ってくれたら、恋愛ソングとして成立するのかなって。

――思いを刺激してくれて、気持ちも豊かにしてくれますよね。

高橋:いいですね。音楽って気持ちを豊かにしてくれますよ、ホントに。だから曲を作り終わったときは、ホント、気持ちが貧しいですもん。豊かなものを曲に全部出しちゃってるから。

――インタビュー3へ




≪リリース情報≫
5th Album
『来し方行く末』
2016.11.16リリース

【期間生産限定盤】CD+DVD
WPZL-31246~47 / ¥3,900(税抜)

【通常盤】CD
WPCL-12461 / ¥3,000(税抜)

※その他、ファンクラブ限定盤<WPZL-31248~49 / ¥4,700(税抜)>あり

≪ライブ情報≫
【高橋優 全国ホール&アリーナツアー 2016-2017「来し方行く末」】
2016年12月3日(土)埼玉・狭山市市民会館(※FC限定販売公演)
2016年12月11日(日)石川・本多の森ホール
2016年12月17日(土)福島・郡山市民文化センター 大ホール
2016年12月18日(日)新潟・新潟県民会館
2016年12月20日(火)長野・ホクト文化ホール 中ホール
2016年12月21日(水)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2016年12月25日(日)沖縄・沖縄市民会館 大ホール
2017年1月7日(土)宮城・仙台サンプラザホール
2017年1月8日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2017年1月14日(土)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2017年1月15日(日)鹿児島・鹿児島市民文化ホール第一
2017年1月21日(土)香川・レクザムホール
2017年1月22日(日)高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
2017年2月3日(金)広島・広島文化学園HBGホール
2017年2月4日(土)山口・周南市文化会館
2017年2月10日(金)秋田・秋田県民会館
2017年2月12日(日)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2017年2月19日(日)熊本・荒尾総合文化センター
2017年2月20日(月)大分・ホルトホール大分
2017年2月26日(日)岡山・岡山市民会館
2017年3月11日(土)愛知・名古屋センチュリーホール
2017年3月12日(日)愛知・名古屋センチュリーホール
2017年3月18日(土)北海道・わくわくホリデーホール
2017年3月19日(日)北海道・わくわくホリデーホール
2017年4月1日(土)神奈川・横浜アリーナ
2017年4月2日(日)神奈川・横浜アリーナ
2017年4月16日(日)大阪・大阪城ホール

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