企業の顧客対応全般の課題解決に向けて、コンサルティングからマネジメントまで、クライアント企業と消費者を繋ぐコールセンターを中心としたCRM事業を推進する「ベルシステム24」。コールセンター業務をメインとして発展してきただけに、もともと女性スタッフの割合が多く、女性が働きやすい環境の整備を進めてきました。現在、さらなる女性活躍推進を目的としたダイバーシティプロジェクトが実施されています。
今回は、男性上司の意識改革にも意欲的に取り組むダイパーシティプロジェクトについて、人材開発部 教育グループ 担当マネージャーの関口貴子さんにその背景と実態をお伺いしました。

どの社員も一度は在宅勤務へ! さらなる女性活躍を推進「ベルシステム24」の今
お話を伺った関口貴子さん


■全スタッフの75%が女性という母体 
「ベルシステム24」は、契約社員、無期契約社員など、さまざまな契約形態のスタッフがおり、全体の75%は女性です。この職場をさらに良いものにするべく5年ほど前に「Bell-Winプロジェクト」を立ち上げ、部門を超えた横断的な取り組みを開始しました。当初は、勉強会を行ったり、ダイバーシティを推進する外部講演会に参加したり、知見を深めることに注力していました。そして2016年に取り組み規模を拡大し、「ダイバーシティグループ」を設立しました。
現在、取り組んでいるのは女性管理職の比率をあげることです。全体では、女性の比率が高い一方、役職が上位になるに従ってその比率が低くなるという状況でした。ダイバーシティの考えに則り、こうした不自然な実態に対し、現在は管理職への選抜研修に女性を3割確保するなど、明確な数値を掲げて、課題を一つ一つクリアしているところです。

■女性管理職候補を対象とした育成プロジェクト始動!
数値目標を掲げるだけではなく、目標を実現するために、女性管理職候補者のみを対象とした育成プロジェクトも行っています。具体的には、キャリアプランを上司と共有したり、自身の強みを明確にしたり、人事部長との面談を定期的に設けるなどしています。
この取り組みを2年続けてきて、会社全体の意識が変わってきたのを実感しています。実際にアンケートのデータでも「キャリアアップしたいですか?」の問いに、以前は49%だったYESの回答が、直近のアンケートでは60%にまで上昇しました。また2014年に33名だった女性管理職候補者が2016年には45名に増えています。

どの社員も一度は在宅勤務へ! さらなる女性活躍を推進「ベルシステム24」の今


会社全体の意識改革には、当然、管理職の多くを占める男性管理職の意識改革も欠かせませんでした。関連する講演会への参加を促すほか、オリジナルの冊子「Bell Winレポート2016」を作成して、女性社員はどのようなことを考えているのかを詳細に見える化しました。また女性脳と男性脳の違いなどがわかるe-ラーニングのメニューも導入しました。
■産休から復帰したママのリアルな声を共有
どの社員も一度は在宅勤務へ! さらなる女性活躍を推進「ベルシステム24」の今

ダイバーシティ、女性活躍推進と言っても、社員にはそれぞれの事情があります。働くママだけ取っても、産休復帰から待機児童、小一の壁といった、子どもの年齢、人数によって、事情が異なっているのです。

現場のスタッフが抱えるそれらの悩みを吸い上げるために、「ランチでも食べながら」という気軽な横のつながりを会社として支援しています。たとえば出産を控え「5年後、働いている姿を想像できないといった不安」を抱えている女性社員がいた場合、産休復帰して5年経ったママと本音で話せる場を設けることで、どのようにして乗り越えるか、対処するか、その方法が見えてくるといった具合です。同じ悩みや体験を共有できる緩やかな繋がりの場を作ることで、目の前の不安が解消されるだけでなく、「子育てと仕事の両立をがんばっているのは、自分だけではない」といった安心感も生まれているようです。

■企業内保育所「ベルキッズ」が開園!
ベルシステム24は、全国に事業所を持っています。産休、育休明けの復職や育児と仕事の両立の支援を目的として、この春に企業内保育園「ベルキッズ」をはじめて開園します。

まずは待機児童が多いといわれる沖縄県に設置します。この施設は、雇用形態や性別を問わず全ての従業員が利用でき、従業員の復職を後押しするだけでなく、子どもと一緒に通勤できるといったように、子育ての負担を軽減することで、生産性の向上にも寄与できると期待しています。春からの運用を見ながら、ゆくゆくは全国各地でも展開していきたいと考えています。

■多様な人材のための多様な働き方の実現
ベルシステム24には、さまざまな働き方に対応した制度が設けられています。

例えば、在宅勤務制度、コアタイムのないフレックス制度、時短勤務制度……など。また、それらが評価され総務省から「テレワーク百選企業」にも認定されています。

どの社員も一度は在宅勤務へ! さらなる女性活躍を推進「ベルシステム24」の今


在宅勤務制度は、ほぼ全ての部署で利用可能です。実際に、現在、人事部のスタッフがこの制度を利用しており、例えば、乳児を育てながら9時から14時まで在宅勤務を行い、子どもを預けて15時に出社、ミーティング等をこなした後、再び帰宅して在宅勤務に切り替えるなどの事例があります。
在宅勤務では、電話の取次業務などが発生せず、資料作成などに集中して取り組むことができるといった利点等もあります。また、ワークライフバランスを重視して、在宅勤務は10時から16時までと制限を設けている部門もあります。
現在では、在宅勤務への理解も深まり、どの社員も一度は在宅勤務をしてみよう!という雰囲気になっています。

■コミュニケーションが苦手?大丈夫です
ベルシステム24がコールセンター事業者であると聞くと、ハキハキと受け答えができないと無理だと思う人もいるかもしれません。もちろん最初からコミュニケーション能力が高い方は問題ありませんが、何を隠そう私は学生時代、他人と話すのがとても苦手なタイプでした(笑)。だからこそ、いろいろな人とコミュニケーションをとりながらイキイキと輝いている先輩社員がかっこよく見え、入社したのかもしれません。コミュニケーションを生業とする企業だからこそ、コミュニケーション能力を高める教育の場がたくさん用意されていますので、気づけば私も人事としていろいろなことを発信できるようになりました。

ベルシステム24は、現在、さまざまな企業のコールセンター業務を担っていますが、中でも多いのは通販。通販では、食品や化粧品といった女性に親しみのある商品が多く、電話の向こう側のお客さまとも、具体的なイメージを持って会話することができます。このように女性が活躍しやすい環境があります。

また頑張りを適正に評価する制度も整備されています。評価制度は結果が重視されがちですが、ベルシステム24では、その目標の達成方法などプロセスも評価されるのです。

女性のさらなる働きやすさを追求しており、2020年を目途に女性管理職比率20%超を目指しています。

取材協力:ベルシステム24
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