基幹となるたばこ事業だけでなく、医薬品、食品など幅広く国内外に展開しているJT。近年、新卒採用に際し、女性受験者が増えているという背景には、ダイバーシティ推進の積極的な取り組みがありました。
今回は、それぞれキャリアが異なる社員3名に、実際のJTとはどんな職場なのか? リアルな声をお聞きしました。

「JT」本気のダイバーシティ推進とは
お話を伺ったのは左から、たばこ事業本部 事業企画室 採用研修担当 課長代理 鈴木友輔さん、たばこ事業本部 事業企画室 採用・研修担当 次長 赤木直子さん、たばこ事業本部 事業企画室 課長代理 高橋麻梨さん

■積極的なダイバーシティへの取り組みが着実な成果に

赤木 私が入社した1999年は管理職に就いている女性は少なかったのですが、同期にも女性が多数いて、女性だからといって採用が敬遠されるようなことはなかったように記憶しています。ただ全社的に女性社員の数は少なかったので、各部署で初の女性社員配属というような拠点もあった時代でした。その頃から、性別に関わらず個性的な人がたくさんいて、イノベーションが生まれやすい自由な空気感があったように思います。現在は、新たなイノベーションを生むために更なる多様性が必要だという認識を持っています。

「JT」本気のダイバーシティ推進とは


高橋 たばこ事業が中核事業ですので、これまでは女性に親しみがなかったかもしれませんが、近年は、新卒採用のシーンで、女性学生の受験者が増えています。JTのダイバーシティに関する取り組みの積極性が年々増していることと、その取り組みについて、女性学生の皆さんに正しく情報を伝えることができている結果だと感じています。私が入社した2008年は、新卒での女性割合が2割でした。しかし、直近3~4年の新卒女性割合は、3~4割と増加しています。この先もJTのダイバーシティの取り組みはより一層加速していきます。その取り組みを広く知っていただけるように、これからも積極的に学生の皆さんに伝えていきたいと思います。

鈴木 JTには、男性が取得可能な育児休職制度があります。これまでも数週間から数ヶ月、男性社員が育児休職を取得してきた実績がありますが、私もこの春、育児休職を取得する予定です。実際に、自分自身が育児に参加する立場になるまでは、仕事を一生懸命やりたい、責任を持ちたいという思いが強く、会社に妻の妊娠を報告するときも、同僚に負荷をかけてしまうかもしれないと悩んだりもしました。しかし、そこで驚く一言が返ってきました。上司にさらっと「育休を取れば?」と言われたのです。男性の育児休職の取得には、パタハラ(Paternity Harassment)が問題になったり、休職申請をするときの気まずさがあるなどと耳にしますが、JTには、本当に多様な働き方を受け入れてくれる土壌があるのだと実感しました。制度の利用しやすさが現場レベルできちんと保たれているのです。


■本当の意味での「個」の尊重とは?

高橋 社会でダイバーシティ推進の機運が高まり、JTは先駆けてその取り組みを強化してきましたが、実は私個人は、複雑な思いを持っていました。男性だから、女性だから、という区別なく、自分の能力で道を切り開き、仕事に励んできたつもりだったのに、女性だからということで今までとは異なる待遇を受けるのかという不安がありました。しかし、数年前に、ダイバーシティ・マネージメントを支援するNPOへの参加や社会人女性向けのビジネススクールに通った経験から、真の多様性の意味や、女性が陥りやすいと言われている仕事での事象、個人としてどのように社会で成長していけるのかなど様々なことを学び、考え方が180度変わりました。現在は、自分の中でダイバーシティへの正しい理解が進み、JTという組織全体はもちろん、私個人としてもダイバーシティ推進を牽引していこうという思いでいます。

「JT」本気のダイバーシティ推進とは


赤木 JTでは、女性だから、障がい者だから、LGBTだから、日本人ではないから、という属性にとらわれることはなく、採用に際しても「それぞれの持つ個性」を見ています。そして、様々なバックグラウンドや価値観を持つ、多くの方との出会いを楽しみにしています。


■個性を尊重する社風は昔から?

赤木 現在も過去も、JTにはユニークな社員が本当に多くいます。皆がそれぞれに個性的なので、自分が意見を言うときも「変なことを言っていると思われないだろうか?」などという心配をしなくてよいのは気楽です(笑)。

高橋 自分の業務の傍ら、本を執筆し出版した人もいますし、映画を制作してしまった人もいます。企業に入社したら、仕事を中心とした人生という私の中にあった常識が完全に崩壊しました(笑)。個性を出してもいいという風土はずっとありますね。

赤木 社会人になると夢を語ることが少し恥ずかしく感じることもあるかと思いますが、JTでは、皆が真面目に「こうあるべきだ!」とか「私はこう考える!」なんて会話がよく行われています。

鈴木 入社以来、JTの社風は変わっていないように感じます。社会人一年生のときは、社会人として、また企業人としてどうあるべきか?とよく考えていたのですが、先輩からいつも訊かれていたのは「どうあるべきか?より、鈴木はどうしたいの?」でした。学生時代の友人たちと会うと、その会社に染まって「お前変わったな」なんて声があがるものですが、私はいつ会っても「お前変わらないね」と言われます。それぐらい、自分の個性が潰れない良い環境にいるのだ、と実感しています。

■意欲のある人に投資を惜しまない!
「JT」本気のダイバーシティ推進とは

赤木 JTは意欲がある人間に投資を惜しまない印象がありますね。私は入社6年目でMBA留学をさせてもらった経験があります。ずっと海外留学に行きたいと思っていて、受験に挑戦してみました。そこで、合格することができ、ダメ元で上司に合格通知を持って行き「合格したので留学に行かせてください」と申し出たら、「頑張っておいで」と言ってもらえたのです。驚きましたが、私の意欲を買ってもらえたことが本当に嬉しかったことを覚えています。

鈴木 私は入社以来、一貫して「人事に携わりたい!」「人事のスペシャリストになりたい!」と会社に伝えてきましたが、現在のところそれが叶っています。例えるなら、5教科中4教科は60点でもいいから、誰にも負けないと思える1教科で120点を出せる人になりたかったのです。誰しもが希望の仕事に就けるわけではない中で、自分の本気を受け止めて、チャンスを与えてもらっていることが大きなやりがいに繋がっています。

高橋 私は、鈴木とは異なる考えで、どんな仕事でもこなせるゼネラリストになりたいと思っていました。鈴木の言葉をかりるなら、5教科全部80~90点とりたいんです。入社以来、営業、企画、マーケティング、人事とさまざまな業務に携わる機会をもらえて、多様なフィールドで様々な人と関わりながら経験を積むことができました。本当にたくさんの刺激の中で、成長できた9年間だったと感じています。


■“働きやすさ”をベースに“働きがい”を。

赤木 JTは、長年嗜好品を扱ってきた中で、人の心の豊かさについて考え続けてきました。それゆえ、他者を許容するベースというものがJTの特徴として受け継がれているように思います。

高橋 縦横の繋がりはもちろん、部門を超えた斜めの繋がりがあるというところも、その特徴の表れかもしれません。それゆえ、ダイバーシティ推進の取り組みにもポジティブにスピーディーに取り組むことができているのだと思います。

赤木 ダイバーシティ推進の取り組みとして「多様な働き方の実現」は、JTの本気度が表れている施策の一つだと思います。例えば、育児と仕事を両立する社員に対し、ベビーシッター補助金制度や認可外保育料補助、子供が小学6年生になるまで利用できる時短勤務や育児フレックスなど、様々な制度の形を設け、社員一人ひとりが、その時々の状況に応じて柔軟に働き方を選択できるような仕組みを構築しています。

鈴木 育児と仕事の両立に関しては、経営のコミットも重要です。役員を皮切りにマネジメント職に対して、育児と仕事を両立する部下を支える上司育成を目指した「イクボス研修」なども積極的に実施しています。

高橋 JTは、異なる背景や価値観を尊重し、違いに価値を見出すことが、会社の持続的な成長に繋がると考え、多様化(ダイバーシティ)の推進を経営計画の課題のひとつとして位置づけています。“働きやすさ”をベースに“働きがい”を。そんな新たなJTの風土がつくられていくのだと思います。


■取材協力:JT
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