連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第20週「旅立ちのとき」第114回 2月17日(金)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎
「べっぴんさん」114 話。健ちゃん、さくらに告白「その時、はじめての感情が僕の心に生まれた」
イラスト/小西りえこ

114話はこんな話


東大を目指すことになった健太郎(古川雄輝)は、さくら(井頭愛海)に告白する。
そして、昭和38年。
健太郎もさくらも志望校に合格した。

「その時、はじめての感情が僕の心に生まれた」


健太郎(古川雄輝)の文語体の台詞。さすが、真面目キャラ。
中学のとき、さくらと彼女のことを「かわいい」という同級生に対して浮かんだはじめての感情とは何かを考え、「嫉妬」であると認識したという。なんて論理的な。東大を目指すだけはある。

そして、東大に行きたいと家族に言って許可を得た勢いで、さくらに告白までする健太郎。
話を聞いていた二郎(林遣都)は、カウンターにそっと隠れ、タイミングを見計らい、「わしからのおごり」とドリンクサービス。113話の明美(谷村美月)たちにもサービスしていたし、気前のいい男だ。

健太郎目線のさくらが、ものすごい美少女に撮られている。さくらはこの間までのうじうじキャラでなくなり、すっかり押し出しの強い明るい子になった。お母さんと何もかもそっくり。

健ちゃんに送ったイラストの応援メッセージがかわいい。
目が切れ長で黒目が多いところが、意外と似ている。
この絵は誰の絵をモデルにしているんだろう、と考えると、切れ長感が松本零士で、黒目感がその妻・牧美也子(神戸出身)が浮かんだが、ほかにもっと似た感じの絵があるような・・・。
この時期、少女漫画は、昭和26年に「少女ブック」が出て、「なかよし」が昭和29年、「りぼん」は昭和30年、「マーガレット」が昭和38年、とじわじわと盛り上がりを見せている。

さて、健太郎。東大行きは、学びたい学科があるという理由だが、さくらが東京に行くことも理由のひとつだろう。二郎を一心不乱に追うさくらを心配していたが、いつの間にか感化されてしまった気がする。いいふうにとれば、自分の気持ちに正直になったのだろう。

送り出すのも親のつとめ


さくらの思い込んだらすぐ行動に出てしまう性格は相変わらず。
健太郎の親たちにもまだ言えてない、京大ではなく東大に行きたいという気持ちを、先にすみれ(芳根京子)と紀夫(永山絢斗)に話してしまう。
「別れはつらいわ、でも送り出すのも親のつとめ」とすみれは言い、紀夫は「親は大海を渡ってもらいたいと思うもの」と言い、健太郎の背中を押す。
結果、意外と君枝(土村芳)夫婦も応援モードで、おばあちゃん琴子(いしのようこ)も昔ほどのお姑キャラではなくなっていた。良かったね、健ちゃん。余談だが、坂東家の栗ご飯美味しそうだった。


今日の、紀夫くん


子供達が合格したことを聞いて、キアリスの外に出て「バンザイ!」と大声で叫ぶ。「喜んでいるのです」とは言わなかったけれど、やっぱり微笑ましい。
(木俣冬)
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