
■高橋優/New Single『ロードムービー』インタビュー(1/4)
『映画クレヨンしんちゃん』主題歌「ロードムービー」をリリース
5枚目のアルバム『来し方行く末』を携え、昨年12月から全国ホール&アリーナ・ツアーを行なっている高橋優。そんな中、16枚目のシングルとして『ロードムービー』を4月12日に発表する。出会ったことのない人との出会い、その喜び、生きていくことの素晴らしさ。ツアー中であることも反映され、届く力の強いメッセージ・ソングにも仕上がっている。またカップリングのひとつに、約10年前に書き、札幌の路上で歌い続けていた曲でもある「BLUE」を、当時のまま弾き語りで収録。その2曲は互いに呼応するように、歌い続けてきたからこその彼のロードムービーも描いているように感じる。ツアー・ファイナルを目前に控えた高橋優に聞いた。
(取材・文/長谷川幸信)
歌になった途端、聞き取りづらくなるっておかしな話だと思う
――5枚目のアルバム『来し方行く末』のとき、ギリギリまで作業して、どうにか発売日に間に合った感じでしたね。
高橋:そうでしたね。
――その後の曲作りは好調ですか?
高橋:好調ではないかもしれない(苦笑)。いつもギリギリですね。「ロードムービー」も、締切日ギリギリでどうにか、みたいな曲作りで。産みの苦しみはやっぱありますよね。
――その「ロードムービー」は、『映画クレヨンしんちゃん』の主題歌というのが大前提にあったうえでの曲作りだったんですか?
高橋:そうです。映画の台本を読ませてもらってから書きました。宇宙人シリリがやってくる話で、クレヨンしんちゃんがケツを封印するんじゃないかって言われてる。
――それはショッキングですよ。
高橋:ですよね、あのしんちゃんがケツを封印ですから(笑)。
――映画のストーリーはともかく、台本を読んで楽曲に向かうとき、どんなイメージが頭に広がったんですか?
高橋:映画の中身にはあまり触れないようにしますけど、大まかな概要は宇宙人シリリとしんちゃんが登場人物で、全く姿形の違う二人が知り合うわけです……、尻が合うってことと掛けて言ってみたんですが(笑)。映画の中で僕が印象的だったのが、鳥が飛んでいるシーンなんですよ。その鳥をしんちゃんとシリリが見ていて、「シリリの星でも鳥は飛ぶの?」ってしんちゃんが聞くんです。鳥が飛ぶのは、僕の地元の秋田では当たり前の景色なんですけど、東京では意外と見れなかったり。さらに全然違う国では全く見れないかもしれない。いろいろ状況の違う中で、違う二人が知り合う素晴らしさが、映画の中に隠れている気がしたんですね。見ず知らずの会ったこともない人が、今この瞬間、日本に行けばこういうことを見れるんだろうなとか、想像しているかもしれないとか。逆に僕もどこかの国を想像してみたりとかね。それが広がったイメージのひとつ。あともうひとつは旅するってこと。映画監督も、今回の映画はロードムービーにしたい、と言ってたんでね。僕も今、ツアー中で旅をしている最中。そういったところから「ロードムービー」のイメージやコンセプトが見つかっていった感じですね。

――歌詞で使われている言葉が、わかりやすくてシンプルだと思ったんです。聴いていて、余計な思考回路を働かせることなくスッと入ってくる。それは映画を観に来てくれる子供世代にも伝わるようにという、ちょっとした優しさライセンスも働いたんですか?
高橋:優しさライセンスはね、僕の中での曲作りのひとつのテーマなんですよね。『来し方行く末』に「アイアンハート」ってあったんですけど、<僕に今、必要なもの 寝る場所と食べられる物 あとは大好きな人たち それ以外はどうでもいい>ってことをゆっくり歌うんですよ。誰が聴いたって、言ってることがわかると思うんです。2014年のシングル『太陽と花』のカップリングでも「以心伝心」という曲があるんですけど、“思っていることを思ったまま言葉にしたい、でも言葉にできなくて寂しい気持ちになっちゃうときがある”みたいな歌で。しゃべっていることを、できるだけしゃべっているかのように。歌になった途端、聞き取りづらくなるっておかしな話だと思うんですよ。僕の場合、歌で言葉がより聞き取りやすくなったり、歌の中身と会話したくなるような言葉選びというのが、ひとつのテーマとしてあるんです。歌詞カードを読まなくても言葉がわかる歌。だから「ロードムービー」は、自分のリリック・ワークにおける延長線上にあるというか。詞を書く段階では、クレヨンしんちゃんが好きな子供達にも特別、わかりやすくというのはなかったです。今の子供達は賢いから、そんなに子供向けの内容にしなくていいなと思いましたね。自分の楽曲制作の精一杯を、新しい到達点を意識するほうがいいんじゃなかと思ってました。
――インタビュー2へ
≪リリース情報≫
New Single
『ロードムービー』
2017.04.12リリース
【期間生産限定盤】CD+DVD
WPZL-31280~81 / ¥2,000(税抜)
【通常盤】CD
WPCL-12609 / ¥1,200(税抜)
【クレヨンしんちゃん盤】CD
WPCL-12608 / ¥1,000(税抜)
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