人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


1日24時間で足りていますか?
「時間短縮」という言葉でさえ「時短」と短縮される忙しない毎日。時間を少しでも有効活用したいです。
そのために要するのは、ふたつのことを同時にこなす力。

人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


セリフを言いながら人形を操る人形劇団員さんは、まさにふたつのことを同時にこなしています。今回は地域の小学校や公民館などで公演を重ねてきた経験のある50代の元人形劇団員さんにマルチタスクのコツを教えてもらいました。


練習あるのみ!「組み合わせ」も鍵?


人形劇は器用じゃないと出来ない、とかは全くありません。コツはひたすら練習あるのみ、なのです。
人形劇で、動きと台詞を同時にこなすには、やはり台本を先に頭に叩き込んでおきます。
あとは自分が担当する人形の、その場その場の気持ちを自分のものとして、どう動かせばその感情が表せるのか、仲間と話し合い確立していきます」

人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


どちらも不慣れなものに同時に取り掛かると、てんやわんやになること請け合い。どちらか一方が、自分にとって慣れていることだと、ふたつのことを同時に進めやすいということですね。練習量に加え、組み合わせの工夫もコツをつかむ鍵のようです。

イメージするとスムーズに!


人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


「台詞合わせのときにはもう、ふたつのことを同時にやっています。台本を読んだ時点で、ここはこんな動き、というイメージがあり、人形を動かしながら仲間と意見を出し合い、決めていくので」

人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


先にふたつのことを同時にやっているところをイメージしてみると、スムーズにこなせるかもしれません。


「ただの作業」にならないように!


「ふたつのことを同時にやるときは、ふたつのことを両方成功させることが大前提。どちらも失敗…はもちろん、どちらか失敗でもいけません。ひとつずつ取り掛かっていた方が早く終わった…という後悔につながり兼ねません」

人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


――ふたつとも同時に成功させるために気を付けるべきことはありますか?

「当たり前の事ですが、どちらかひとつに気を取られてはいけません。
例えば緊張して台詞が出てこないときに人形も止まってしまうと、その時点で観客(子どもたち)には今まで舞台で大活躍だった小僧さんが、ただの人形になってしまいます。
なので、そんなときには困った素振りを見せつつ、アドリブをかまします(笑)」


人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


意識がどちらかに偏ってしまうと、ひとつのことをこなしているのと同じこと、またはそれ以下の状況になってしまいますね。小僧さんがただの人形になるということは、ただの「作業」になってしまうということ。日常生活においても、ふたつ同時に意識して進めていかないと、後で内容を把握できていなかったり、雑な仕上がりになっていたり…台詞がとんだ小僧さんのように困ってしまいます。


いざとなったらできるもの!?


人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


「複数の事柄を同時にこなすというのは、周りの皆さん日常的に結構やっていますね。音楽聴きながら勉強して、さらにおやつも食べるとか、魚焼きながら味噌汁と玉子焼き作ったり。
『時間の使い方が上手な人』と言い換えることもできそうですが、必要に迫られれば嫌でも複数を同時にこなすのでは?と思います。

我が子が幼い頃、歩きながらジュースを飲むことが出来なくて、飲むときは立ち止まって飲むので、他のお母さんから『不器用で可愛い』と笑われましたが、実は私も出来ません。器用、不器用、もあるかもしれませんね


(ここにきてそれ言っちゃいますか!)人形劇は不器用でもできるという話をお聞きしたときに、「不器用でもふたつのことを同時にこなせるんだ」と安心していたのですが、日常生活はやはり人形劇とは少し違うようです。

しかし「練習あるのみ」は日常生活においても言えることかと思いますし、最悪「いざとなったら嫌でもできるもの!」だと信じ、気楽に構えようと思うのでした。歩きながら飲み物飲むことできない人が、ここにもひとり。

人形劇団員さん教えて!マルチタスクで仕事をこなすコツ


(武井怜)
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