都内のビルのワンフロアにあるフェイスブック ジャパンのオフィスでは、InstagramとOculusのチームも一緒に働いていて、今回のリノベーションによって各チームごとに微妙に異なっていたオフィスデザインの統一をはかったという。
受け付けだった場所は軽食スペースに
今年2月に、災害や有事の際に安否確認ができる機能「災害時情報センター」の取材でお邪魔した際には、まだリノベーション完了前で一部区画が工事中だった。今回あらためてオフィスに伺ったところ、受け付けからガラリと変わっていてびっくり!
以前は金剛力士像をモチーフにした絵がお出迎えしてくれていたのに、現在は「融合」をテーマにしたアートが壁一面に展開されてる。
Facebookは、社員それぞれが重要と考える問題の解決と素早い意思決定を促す環境づくりに注力していて、オフィスデザインはその中軸となるもの。社内には福利厚生の設備が整えられているほか、壁には日本人アーティストが手がけたアート作品が至るところに見られ、クリエイティビティを刺激するようにしている。また、天井はあえてむき出しにして「まだ未完成」=「進化し続ける」ということを表している。
入り口だった場所は軽食スペースに統合されていて、食べ放題のお菓子やカップ麺などをつまみつつ、チームの垣根を超えた意見交換が活発に行われているそう。
軽食スペースでは、他にもシリアルやフレーバーティーが飲み食い放題。コーヒーマシンが何台も置いてあり、なんとお酒もあった!(もちろん飲みながら仕事はしないそうです)
ふと軽食スペースの柱を見上げると、"GOT AN HR QUESTION?"という言葉の下にクエスチョンマークとメールアドレスが書かれたハガキサイズの紙が何色も貼られていた。
実はこれ、福利厚生の制度についてわからない時に質問を送ると教えてくれる社内サービス。親切かつ合理的なシステムだ。
隣接する休憩スペースには、緑茶や缶コーヒーからビールまで、まるでコンビニのドリンク売り場のような光景が広がっていた。こちらももちろん飲み放題だ。
なんと、キーボード、イヤホン、スマホケースが買える自動販売機も! しかも代金は購入した人の所属部署から経費で支払われるという。
本・雑誌も読み放題
本・雑誌がたくさん取り揃えられたスペースも。書籍は社員が持ち寄ったものではなく、社員のリクエストベースで定期的に入れ替わっている。
リノベーション前は一人掛けのソファが置いてあったり、観葉植物が目の高さに置いてあったりしたが、周りを会議室に囲まれているため、打ち合わせ前に立ち話ができるようデザインを少し変えていた。
フェイスブック ジャパンには、Facebookの“つながり”を具現化したような「Facebook Wall」という書き込み自由な壁が存在する。さまざまな企業や著名人が、来社した証としてサインや企業ロゴなどを書き込んでいくそうだ。このFacebook Wallも以前は会議室スペースへ向かう通路にあったが、現在は休憩ラウンジの前へ移動していた。
ガチャガチャを回すとおなじみのボタンが…
休憩ラウンジにはガチャガチャが置いてあり、つまみを回すと……
「すごいね」「ひどいね」といったリアクションボタンのマグネットが手に入る。筆者は2回連続で「ひどいね」が出てしまったので、オマケでもう1回だけ回して出てきた「うけるね」に交換させてもらった。
会議室の名前はすべて和製英語
Facebookチームが来客対応やミーティングで使う会議室には「SALARY MAN(サラリーマン)」「JET COASTER(ジェットコースター)」「FREE DIAL(フリーダイアル)」など、すべて和製英語が付いている。
部屋のデザインもそれぞれ異なっていて、例えば「DON'T MIND(ドンマイ)」は畳が敷いてある和風な会議室。
四角い卓を囲うように座椅子が4つ並んでいるが、これは麻雀卓。
手前の箱にはFacebookのロゴが入った麻雀が収納されていた。聞いたところによると、海外のFacebook社員と麻雀で国際交流したこともあるとか。
VR技術の開発を担っているOculusチーム側のスペースにも会議室が設けられているが、こちらの部屋は、物語にVR技術が大きく関わっている人気ライトノベル『ソードアート・オンライン』に関連する名前が付けられている。
主人公の「KIRITO(キリト)」やヒロイン「ASUNA(アスナ)」、作中で登場するVRマシン「NERVEGEAR(ナーヴギア)」の名前も。
より働きやすくする施設も増設
リノベーションで最も変わったのは、より働きやすい環境を整える2つの施設ができたこと。1つは外回りで汗をかいたり、海外出張から帰ってきた社員のために完備されたシャワールーム。
バスタオルだけでなく、ドライヤーやシェーバーもあって、まるでホテルのようだった。
もうひとつは出産直後に職場復帰した女性社員が人目を気にせず搾乳できるように作られた「mother's room」だ。
取材時は入ることはできなかったが、室内には冷蔵庫とレンジも備わっているという。
まさに至れり尽くせりのオフィス環境だったフェイスブック ジャパン。次回は福利厚生の制度面と、効率的な働き方について社員の方に聞いたインタビューをお送りする。
(茶柱達也)