初日はシンガーやパフォーマー等様々なラインナップだったが、2日目はバンド系。
オープニングアクトはLenny code fiction。迸るエネルギーを前面に押し出し、疾走感溢れる痛快なロックンロールを聴かせる。片桐航の粘質なボーカルに、ソラの弾くギターが矢のように突き刺さるコンビネーションが絶妙。「この後、出演する素晴らしいバンドに追いつき追い越すために日々努力していきます!」とコメントし、20分のステージを締めた。
ここでバカリズムとマギーの二人がステージに登場。1組目のバンドを紹介し、バズリズムLIVE、2日目がスタート。椎木知仁の「よろしく!」という第一声とともに大きな歓声が上がり、My Hair is Badのライブがフルスロットルで始まる。自らの言いたいこと、伝えたいこと、聞いてもらいたいこと、止め処なく溢れる歌詞をマシンガンのように放ち、全身全霊でぶつかってくる椎木の姿は鬼気迫り、その言葉ひとつひとつがオーディエンスのハートに刺さる。圧巻だったのは中盤の「フロムナウオン」。ゆったりとアルペジオをつま弾きながら、魂の叫びを鋭い言葉の矢として降り注いだ。
続いてはBLUE ENCOUNT。田邊駿一は「やばい! ちょーいい景色! ずっとここに来たかった!」と広い会場を見廻して感無量。「準備できてる? 始まるよ!」とトップギアで「Survivor」がスタート。「1曲目から楽しすぎるんだけど」と早くも大興奮の田邊は、「いきなりだけど新曲やっていい?」と11月29日リリースのブランニューナンバー「VS」を披露。あとは息をも尽かさぬ激しいアップ・チューンを次々に畳み掛けていく。
何よりもいいのは、メンバー全員がこのステージを心底、楽しんでいるという表情を臆面もなく発信するところ。「LIVER」では、後半の段取りが飛ぶほど、タオル回しに熱中して楽しんでしまったらしいが、「でも、音楽はそれでいいと思います!」とキッパリ。あくまでもお客さんと一緒に楽しむことがいちばん大事だという彼らの信条が人気の秘訣であろう。
また、この日はアップチューンな曲中心の構成であったが、ラストには「俺にしか歌えない歌を歌います」と壮大なバラードナンバー「はじまり」を披露。田邊の驚異的なハイトーンヴォイスが、横浜アリーナの隅から隅まで響き渡ると、超満員の会場の観客はその声に酔いしれ、また同時に彼らの奥深いポテンシャルをも見せつけた。
ここで前日に引き続いて、アーティストとしてのバカリズム、「バカリズムと」。昨夜はバンドを従えて、当夜は7人のダンサーを引き連れてのステージ。曲は水野良樹(いきものがかり)と共作のメジャー第2弾の「白が人気」。金色のGretschのセミアコを抱え、首にはブルース・ハープをかけたバカリズムは、この日も多くの観客の期待をよそに、最後まで「オチ」なしの大真面目歌唱。本人も「歌ってて、お客さんの表情がすごく気になった」そうだが、「思い残すことありません、夢が叶いましたよ」とソロミュージシャンとしてのパフォーマンスに大満足していた。
さあここでいよいよ人気者、WANIMA。バズリズムLIVEには3年連続出場で、初年度はオープニングアクト、昨年は1組目と、順調にステップアップしてきた彼ら。そのお礼か、冒頭KENTAはステージ左右の花道をダッシュしながらお菓子を投げ込むファンサービスを敢行し、恒例の「WANIMA開催しまーす!」のかけ声でステージがスタート。待ってました!と言わんばかりの歓声と拳を突き上げて観客はノリノリ。
1曲目が終わると、KENTAは観客に各々のスマホライトの点灯と着席を促す。客電が落とされた真っ暗な会場で、聴衆のそれぞれが点灯させたスマホを掲げ、最前列から順に席を立っていくと、前方から後方へ続く、1万を裕に超す光の海のウェーブが、感動的な光景となった。WANIMA渾身の人力演出だ。
後の2曲は再びのアップテンポで、会場が縦に横に大きく揺れそうなくらいに盛り上げて「来年もここに戻ってこれるように、みんなよろしくね!」と締めた。
オオトリは昨年同様、UVERworldだ。この日誕生日を迎えたドラマーの真太郎が、横浜アリーナのキャラクター「ヨコアリくん」の被り物で登場しドラムソロでスタート。TAKUYA∞の「35分! たった8曲! 2100秒に全てを込めるぞー!」で、会場にはレーザーが飛び交い「ナノ・セカンド」が始まる。「のっけからクライマックスのように行こうぜ!」との言葉通り、1曲目から会場は総立ちでヒートアップ状態に。「一滴の影響」では、キャノン砲から金色のテープが勢いよく宙に舞い、場内の熱狂に拍車をかける。
MCでは客席を煽りに煽るが、彼らの真髄は歌詞。地を這うようなヘヴィなサウンドに乗せ、TAKUYA∞は絞り出すように真摯に歌い込む。ステージのモニターには各曲の歌詞がグラフィカルに映し出され、彼らがいかに言葉を大切にしてるかの証左だ。さらに彼らはオーディエンスをもパフォーマーに巻き込む。
最後は「後悔のない生き方を俺たちはこう呼んでます!」とバラード「7日目の決意」で締めくくった。と、ここで終わると誰もが思った感動のフィナーレの後、ドラマー真太郎がセンターに。「会場のみなさん、出演者のみなさん。本日はバズリズムLIVEという名の真太郎生誕祭の為にお集まりいただきまして、ありがとうございました!」とまさかの締めの挨拶。これにはバカリズムも「素敵な生誕祭でしたね!」と苦笑い。バカリズム、マギーとともに「寄り道しないで帰ってね! また来年!」と送り出し、2日間で24000人を動員したバズリズムLIVE2017全てが無事終了した。
なお、この日のライブの模様は日本テレビ『バズリズム02』で12月1日(金)深夜(一部地域で異なる)に、CS放送『日テレプラス』では12月23日(土)に放送を予定している。
≪セットリスト≫
■Lenny code fiction(オープニングアクト)
1. OPENIG
2. Showtime!!!!
3. Alabama
4. Key-bring it on, my Destiny-
5. 世界について
■My Hair is Bad
1. アフターアワー
2. 元彼氏として
3. 真赤
4. 告白
5. フロムナウオン
6. いつか結婚しても
7. 音楽家になりたくて
■BLUE ENCOUNT
1. Survivor
2. VS
3. LIVER
4. NEVER ENDING STORY
5. LAST HERO
6. もっと光を
7. はじまり
■バカリズムと
1. 白が人気
■WANIMA
1. オドルヨル
2. ともに
3. ヒューマン
4. 1106
5. THANX
6. Hey Lady
■UVERworld
1. ナノ・セカンド
2. WE ARE GO
3. 一滴の影響
4. PRAYING RUN
5. 零HERE ~SE~ IMPACT
6. Q.E.D.
7. ALL ALONE
8. 7日目の決意
■バズリズムLIVE 2017 オフィシャルサイト