東京大学から採用活動する企業へ要請 悪質な「囲い込み行為」に釘を刺す

12月13日、東京大学が学生を採用する企業に向けた文章「平成30年度本学卒業・修了予定者(平成31年3月卒業・修了予定者)の就職・採用活動について(要請)」を公式サイト上に掲載。悪質な採用活動に釘を刺すような内容に、SNSなどでは「さすが東大! 他の大学もこういうの書いてほしい」といった声が上がっている。


多項目に及ぶ大学から企業への“要請”


2016年3月の「平成28年度本学卒業・修了予定者の就職・採用活動についてのお願い」から始まり、毎回就活の時期に張り出される東京大学の要請。今回も「平成30年度~」が発表され、過去2回の要請と比べよりパワーアップしている。

まず違うのはタイトルで、平成29年度版が「~についての御願い」だったのに対し、今回は「(要請)」と明記。また内容も個別の案件についてより詳細に書かれており、例えば「職業の選択の自由を妨げる行為やハラスメント的な行為の自粛について」の項目では、ハラスメントの具体例として「内定通知後に過度な課題を課したり、アルバイトや研修と称して学生を拘束すること」を追加。近年問題になっている就職前の“研修合宿”や“バイト強要”といった、企業側の“囲い込み行為”にも対応した文面になった。

「インターンシップについて」の項目では、要請がより詳細に。「広報活動開始前に『インターンシップ』と称した会社説明会や実質的な選考活動とも捉えられるような行事等は慎むこと」という文面に加え、「インターンシップとして行われているプログラムには、1日限りで就業体験を伴わないもの(いわゆる『ワンデーインターンシップ』など)もあることから、これがインターンシップと称して行われることがないようにすること」「大学等との連携の下、可能な限り長期間のインターンシップを実施すること」と掲載している。

また、就活が学業の妨げにならないようにと明確なメッセージが記してある。「授業、試験、留学、教育実習等と採用選考活動が重複する場合には、学生からの求めに応じ、個別的な採用選考日時の変更などの対応をお願いします。また、土日祝日や平日の夕方の活用も取り入れるなど、学生の学修環境を損なうことのないように極力柔軟な対応をお願いします

東京大学を絶賛する声が続出!


ちなみに東京大学が発表した要請は、「就職問題懇談会」が5月12日付で定め各大学に周知した、「平成30年度大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」に基づくもの。そのため東京大学以外の大学も、似たような指針の要請を企業に行っている。

とはいえ“東京大学”の知名度が高いこともあり、SNSなどでは「さすが東大!」と話題に。「ルールを守らない企業が多いなかで大学が正論を表明するのは必要なこと」「書かれてることは当たり前のことだけど、この“当たり前”ってなかなか難しいよな」「うちの大学もこういう文章を掲載してほしい!」「“入社前の研修で学生を縛るな”は同意。
最近本当に目に余る」といった声が寄せられた。
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