会場に入るとカップルのお客様が多い。金曜の夜なので、男性陣は仕事帰り、スーツ姿の方も多かったが、女性陣はこの日のスペシャルライブのためにお洒落も楽しんでいる様子でドレス・アップした方が多く、いつも華やかなコットンクラブが、いつにも増して華やいでいた。そして、3連休目前の金曜日ということで、開演までの間、美味しいお酒と食事を楽しみながら、会話を弾ませている。中でもこの日の特別メニュー「TRUE LOVE」というカクテルが人気で、幸せな空気を演出してくれていた。
定刻の21時、MCが登場し、今夜の主役・藤井フミヤを呼び込むと、大きな拍手の中、スーツ姿の藤井フミヤがステージに登場。フミヤは今年デビュー35周年なのだが、実はコットンクラブでのライブは初だという。そんなフミヤが「今夜はコットンクラブの雰囲気に合わせて、ロマンティックな曲をたくさん歌います」と告げると大きな拍手が巻き起こり、1曲目の「Some kind of Love Song」が始まった。
この日は選曲に合わせて、ギター、ベース、ヴァイオリン、ピアノという編成。フミヤの圧倒的な歌とバンドの優しく優雅な演奏がコットンクラブという空間にマッチしている。
2曲目、早くも「TRUE LOVE」が演奏され客席からため息が漏れる。ヴァイオリンがフィーチャーされた「TRUE LOVE」は普段よりSWEETで、肩を寄せ合うカップルも多く、とても素敵な景色だった。
「TRUE LOVE」を歌い終わったフミヤもMCであおる。
ライブ中盤は“青春”をキーワードにしたラヴ・ソングを3曲披露。カップルやご夫婦でいらしていた方々は、2人が出逢って当時のことを思い出していたのではないのだろうか? なんとも素敵なフミヤからの歌のプレセントだったと思う。
青春をキーワードにした3曲明け、MCでフミヤがアメリカン・エキスプレスの想い出話を披露。「僕が最初にカードを手にしたのは90年代の後半だったのですが、それがアメリカン・エキスプレスでしたね。それで何だか大人になれた気がしたし、アメリカン・エキスプレスがあったお陰で素晴らしい想い出がたくさん生まれました。今夜も素敵な想い出になればいいなぁ」と話すと、1st Stageでは披露しかなったカヴァー曲を2曲も披露。1曲目はMISIAの「星空の片隅で」、2曲目は中島美嘉の「雪の華」。
そして、フミヤの「バンド・メンバーの中に来週結婚する人がいるんです!」という温かいMCの後に、ピアノの岸田が演奏を始めると、フミヤとオーディエンスの皆から岸田に向けて祝福の拍手が送られ「Be with you」というハッピーなラヴ・ソングが演奏された。会場内は幸せな空気に包まれて行く…。続けて「君に会えてよかった」が歌われ本編は終了。
だが、鳴りやまない拍手。拍手に応えてフミヤがアンコールに歌ったのが「夜明けのブレス」。オーディエンスみんなが、この幸せな時間をかみしめながら、歌を一緒に口ずさむ。そして、歌い終わったフミヤにスタンディングオベーションで応えた。
開場前の予感は現実のものとなった。この日のスペシャルなライブは、オーディエンスみんなにとってスペシャルな夜になったようで、帰路に就く誰もが特別な笑顔だった。
(取材・文/ジョー横溝)
≪セットリスト≫
1. Some kind of Love Song
2. TRUE LOVE
3. Another Orion
4. 君が僕を想う夜
5. 青春の道
6. 青春
7. 大切な人へ
8. 星空の片隅で(MISIA)
9. 雪の華(中島美嘉)
10. Be with you
11. 君に会えてよかった
<ENCORE>
1. 夜明けのブレス