SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

■SHINee/【SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~】ライブレポート
2018.02.27(TUE) at 東京ドーム
(※画像10点)

SHINeeが2011年の日本デビューの際に掲げた目標が、「東京ドームでのライブ」だった。2012年から全国ツアーをスタートさせ、東名阪だけでなく日本全国のホールをまわるツアーで地道に動員を増やし、夢を叶えた2015年、初の東京ドーム公演でジョンヒョンとキーは子どものようにワンワン泣いた。
今や日本での公演数は120、動員数は168万人で、日本で年間BEST10に入るコンサート動員を持つグループに成長。今年も4年連続となるドーム公演『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』を開催し、京セラドーム2days、東京ドーム2daysで、約18万人を動員した。

韓国デビューしてから10年のキャリアの中、SHINee史上初となる“THE BEST”というタイトルを掲げた今回のドームライブは、日本活動の集大成であり、昨年12月にメンバー、ジョンヒョンを亡くしてから初めてのライブでもある。“FROM NOW ON=今までもずっとこれからも”というサブタイトル通り、SHINeeは5人であり、その輝きと素晴らしいパフォーマンスは“今までもずっとこれからも”変わらないことを示してくれた。

2月27日、最終日の東京ドーム。海に浮かぶ月と小舟の映像とともに、メンバー一人ずつの歌声が響き渡る。全員になるパートで逆光に浮かび上がったメンバーが登場し、<君への想いを持ち続け、一緒にこれからを歩いていこう>と歌う「Colors of the season」でライブは幕開け。暖かく心地よい歌声に包まれる東京ドーム。この曲こそ、“FROM NOW ON”につながるSHINeeからのメッセージだったのではないだろうか。
SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

ステージからメンバーが消え、コチコチという時計の秒針の音に乗って流れる彼らの10年の歴史を走馬燈のように振り返るサウンドコラージュVTR。そこにカウントダウンの声が響くとムードは一変し、ソリッドなダンスチューン「Stranger」がスタート。イントロからファンの大きな“SHINeeコール”が東京ドームにこだまする。


巨大なムービングステージでアリーナの中央に移動した「Everybody」では、ミンホがメンバーたち一人ずつ起動させる振付のジョンヒョンパートで空に向かってネジを巻き、テミンが「東京!」と雄叫びを上げて気合を入れる。さらにムービングステージはバックステージに移動し、布を使った幻想的なパフォーマンスの「Evil」、花道まで広がって「JULIETTE」を披露して会場の熱を集めた。

キーの「(今回のライブを)やると決めてから短い時間でしたが、皆さんに素敵な姿をお見せしたくて、一生懸命準備してきました。最後までよろしくお願いします!」という言葉に大きな歓声が上がると、「次のステージは、SHINee 5人の歌声を聴いていただきたいと思います」と、ジョンヒョンを感じられるセクションへ。ジョンヒョンの柔らかで優しい歌声のソロ曲「End of a day」に乗せて、彼らしいキュートな笑顔の写真と“ジョンヒョン 今日、君はここにいるよね?”“今日もあなたのことが大好きです”というメッセージが映し出されると会場からはすすり泣く声が聞こえてくる。
SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

生バンドに乗せたハートフルな「Love」からは、ジョンヒョンの歌声とオンユ、キー、ミンホ、テミンの声が重なる。「君がいる世界」では、メンバーが円になり中心を見つめると白い羽が舞い、「Diamond Sky」では昨年のツアー映像の笑顔のジョンヒョンが一緒に歌う。確かに感じる彼の存在に、ミンホがジョンヒョンの名を絶叫すると、メンバーの目にも光るものが。サビの歌詞では5万人がダイヤの形を作った手を空に向け、想いを届けた。

ここで、しばしのインターバル。「Ring Ding Dong~Ready or Not~Dynamite~Colorful」のEDM Remixでファンの無線コントロールペンライトと会場の照明で作り出すショーで気持を切り替えたあとは、SHINeeらしさがみなぎる歌、ダンス、笑顔、楽しさがあふれるステージがスタート。

ムービングステージでの「Sherlock」は、圧巻のパフォーマンス。
スタンドマイクで歌う「Hello」では、客席から大きなコールが上がり、「Dazzling Girl」「LUCKY STAR」「Downtown Baby」ではトロッコや気球に乗ったメンバーが、3階の客席までまんべんなく笑顔を届けてくれた。
SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

赤のミリタリー風衣装に着替えてスタートした後半は、パワフルでキレキレなパフォーマンスが光った。「Hitchhiking」でのミンホとテミンの息の合ったダンスに歓声が上がると、エモーショナルな「Why So Serious?」で盛り上がりは最高潮に。大人っぽさが増したニューアレンジの「君のせいで」では、ミンホとテミンがすれ違いざまにガッチリ手を合わせたあとは、会場の大きなファンコールと共にイッキに突き抜ける「LUCIFER」で本編の幕は閉じた。

アンコールは5万人の大合唱に迎え入れられた「Sing Your Song」から。SHINeeメンバーからもファンからも穏やかな笑顔があふれ、バラード曲「I'm with you」では、メンバー各人が温かな歌声を響かせた。

「SHINeeらしいステージをお見せるために準備してきましたけれど、いかがでしたか? このステージを通して、僕たちの気持ちが伝わるとうれしいです」と感謝を述べるミンホ。テミンが「皆さんの声と心が伝わりました。ありがとうございます。次の曲は僕たちSHINee全員で歌った新曲です」と紹介すると、ジョンヒョンのボーカルも入った新曲「Every Time」を披露。ジャズテイストの大人っぽいこの曲は、これまでのSHINeeにはない雰囲気。キーとテミンがしなやかなダンスを見せるなど、パフォーマンスも新境地といえるものだ。


最新曲の後に続くのは、デビュー曲「Replay~君は僕のeverything~」。10年経って少年から大人になったSHINeeの歌声を東京ドームに響かせると、5万人のファンからSHINeeへのサプライズとして曲の途中で客席に「FOREVER 5(S)HINee」の文字が浮かび上がる。SHINeeコールが沸き起こる客席を見渡すと、「SHINee World FOREVER」とファンクラブ名を使って返すミンホ、「Milky Wayの星みたい」とオンユが感嘆の声をあげた。
SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

そして最後に、彼らが心からの言葉を述べてくれたので紹介したい。

オンユ「いつものように、今日も一緒にステージを作ってくれて皆さんありがとうございます。僕たちと皆さんは同じことを感じて、(このライブを)共感できたと思います。これからも皆さんの幸せのために、僕たちは歌い、祈ります」

テミン「今まで、僕たちと皆さんで作ってきた想い出がよみがえってきてホントに幸せでした。今日は、皆さんいろんな気持ちがたくさんあったと思いますが、悲しい思いも、楽しい思いも、絶対忘れない想い出にしてくれますか。これからはまた幕を開けて、もっと絆が固くなったSHINeeとして、そしてテミンとして歩んでいきます。見守ってください!」

ミンホ「僕は、いつでも皆さんの力になれる強さがあると思っていましたが、その強さが正解ではないと気づきました。これからは、皆さんにもっと頼りながら、より近い存在になれるように頑張ります。このステージだけではなく、これからのステージも、いつでも5人で立っているという気持ちで臨みます。
そして、皆さん、ひとつだけ約束してほしいです。永遠に、永遠に、ジョンヒョンさんを忘れないでほしいです。どんな言葉でも表現できないけど、大切で大好きだったと言ってあげたいです。いつも、皆さんが僕の希望です。この希望が消えないように、僕は努力をしていきます!」
SHINee 集大成ドームで前に進む決意表明 「絶対、戻ります!」 5人での新曲も披露/レポート

キー「今日ベストライブとして、デビューから10年間の思い出を、皆さんと一緒に歌いながら踊りながら思い出すことができたと思いますし、これからも活動していくSHINeeの姿も想像できたと思います。一緒に歌ってくれて踊ってくれてホントにありがとうございます。このライブのタイトル、『FROM NOW ON』の意味と同じく、これからも頑張りたいですし見守ってくれたらうれしいです。あと今日のライブでジョンヒョンくんと一緒に歌うことができてすごくうれしかったです。皆さん、SHINeeは永遠に5人なので、ジョンくんを絶対に忘れないでください」

パールアクアグリーンのペンライトの光の海の中に、ファンが大合唱するデビュー曲「Replay~君は僕のeverything~」が響き渡る中、ダブルアンコールがスタート。5つのスポットライトが5本のマイクスタンドを照らすと、センターのマイクには赤いバラが一輪。中央を空けて白いスーツの胸に赤いバラを付けたオンユ、テミン、ミンホ、キーが並ぶと、ピアノとストリングスの音色が広がり、「From Now On」のテミンの優しい声のAメロから柔らかなジョンヒョンの声のBメロへ。そこからオンユ、ミンホ、キーへと一人ずつ歌い繋ぐバラードは、大サビで全員の声が重なる。
目をつぶってジョンヒョンの歌声を感じながら<そばにいるよ>と歌うメンバーたち。最後に胸のバラを自分のマイクスタンドに付けると静かにステージを降りていった。赤いバラの花ことばは、“あなたを愛しています”。そして5本のバラの花ことばは“あなたに出会えて本当によかった”だそう。そんな意味もこの演出にはあったのだろうか。


今回、ライブで披露されたのはダブルアンコール含めて24曲。“THE BEST”というだけあり、デビュー曲から日本オリジナル曲からこのツアーで初パフォーマンスする新曲まで、多彩なセットリストを組み立ててくれた。テミンが言うように、曲を聴くとそのころの彼らのことが思い出される。しかし、10年のキャリア、そして多種多様な曲をリリースしてきた彼らには、まだまだ見たい曲がいっぱいある。いつかまた、新旧とりまぜたライブを見せてほしい。涙が出る部分もあったが、それは、ただ悲しいだけの涙ではなかった。素晴らしい思い出をかみしめ、その思い出を作ってくれたジョンヒョンに対する感謝の涙であり、やり場のない複雑な思いを抱えていたファンの気持ちを浄化させてくれる涙であった。


SHINeeは、悲しみも涙も、頑張る姿も笑顔も、そして素晴らしいパフォーマンスも、彼ら自身が抱えるすべてを隠さずに見せてくれた。このライブでファンも、希望や未来、前向きな気持ちを感じることができたはずだ。それはSHINeeもきっと同じだ。最後にリーダー、オンユが「絶対、戻ります!」という言葉を残したが、この言葉はいろいろな意味のある大きな言葉だ。4月18日にはメンバー全員でレコーディングした新曲「From Now On」も収録されるベストアルバム『SHINee THE BEST FROM NOW ON』のリリースも決定した。すでに彼らは前を向いて進んでいる。キーが言った通り、SHINeeは永遠に5人である。輝く星には、5つの頂点があるものだから。私たちはジョンヒョンと一緒に輝き続けるSHINeeを見守っていきたいし、きっと彼らは私たちの期待を裏切ることはないはずだ。今までも、そしてずっとこれからも。
(取材・文/坂本ゆかり)

≪セットリスト≫
1. Colors of the season
2. Stranger
3. Everybody
4. Evil
5. JULIETTE
6. Love
7. 君がいる世界
8. Diamond Sky
9. Sherlock
10. Love Like Oxygen
11. Hello
12. TO YOUR HEART
13. Dazzling Girl
14. LUCKY STAR
15. Downtown Baby
16. Hitchhiking
17. Why So Serious?
18. 君のせいで
19. LUCIFER
<ENCORE 1>
1. Sing Your Song
2. I'm with you
3. Every Time
4. Replay~君は僕のeverything~
<ENCORE 2>
1. From Now On

≪リリース情報≫
Best Album
『SHINee THE BEST FROM NOW ON』
2018/04.18リリース
※SHINeeメンバー全員でレコーディングした新曲「From Now On」を収録

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