
■X JAPAN/【復活10周年記念 X JAPAN LIVE 2018 アメリカフェス出演直前 PREMIUM GIGS ~YOSHIKI復活の夜~】ライブレポート
2018.04.11(WED) at 東京・Zepp Diver city (TOKYO)
(※画像5点)
ようやく開演を告げるSEが会場に鳴り響いたのは、予定時刻から65分過ぎのこと。客席フロアから起こる大歓声に包まれながらステージに現われたYOSHIKIは、ドラム椅子の上に立ち上がった。
X JAPANが4月10日(火)と11日(水)の2日間、Zepp DiverCity(東京・台場)で『復活10周年記念 X JAPAN LIVE 2018 アメリカフェス出演直前 PREMIUM GIGS ~YOSHIKI復活の夜~』を開催。その2日目、会場はもちろん、映画館でのライブ・ビューイング、WOWOWでの生中継も行なわれたので、ライブを体験したファンは多いはずだ。

YOSHIKIの踏むハイハットを合図に「JADE」からライブはスタート。YOSHIKIの叩くクリスタルドラムには、新たにLEDが組み込まれ、ブルーの光が幻想的な美しさも放っている。しかしメンバーの放つバンドサウンドは、グツグツしたエネルギーをたぎらせた凄まじくヘヴィなもの。その勢いのまま「Rusty Nail」に突入。ToshlがSUGIZOに絡んだかと思えば、ギターソロではセンターでPATAとSUGIZOが向き合ってユニゾンも決める。そして今度はHEATHとSUGIZOが絡む。
対してYOSHIKIはストイックなように見える。というのも、これまでだったら上半身をメトロノームのように左右に動かしながらリズムを取ったり、ヘッドバンギングしながら叩いたりしていたが、首の術後経過がまだ完璧ではないことから、上半身の激しい動きを抑えていたからだ。明らかにドラミングのフォームも改造していた。しかしそれはプレイへの集中力を高めることになったか、鳴らすにはパワーもキレも必要なクリスタルシェルのドラムを鳴らし切って、一発ごとの音がド迫力。YOSHIKI復活の夜をとことんまで感じさせる、逞しいドラミングだ。

その後、ライブはリンプ・ビズキットのウェス・ボーランド(Gt)がゲスト参加する「I.V.」やメンバーのソロなども挟みながらドラマティックに展開。そしてライブ中盤のこと、「この距離感でやるのって久しぶりだよね。全部、顔が見える」とYOSHIKIが穏やかな口調で話を始めた。首の手術についても「あの時ドラマーとしての生命が終わったのかなと思った」と漏らす。すると客席から「終わってないよ」と声が掛かった。それに対して「その時の話してんだよ!」とYOSHIKI。
「今日はいろんな発表がある」と話し始めれば、期待の声だってあがる。YOSHIKIからしたら圧を感じるくらいだったと思う。そこで咄嗟に出たのは「アルバムの話じゃないよ、安心して! もう、アルバムのアの字も聞きたくない(笑)。でも99.7%終わってるから」とデジャヴのようなお言葉。またビザ問題でSUGIZOが米フェス『Coachella 2018』の4月14日への参加が危ういことも伝えられていたが、YOSHIKIが「SUGIZOも行きます。さっき決まったんだよ、リハの最中に。開演が遅れたのはSUGIZOのせい(笑)」とリアルな状況も報告。「七転八起と言うけど、俺らの場合、百転百起ぐらい」と不屈の精神も言葉にした。

再び曲に突入した時には、ファンへの感謝、楽器をプレイできる喜び、バンドで音を出す嬉しさ、その全ての感情が濃厚に混ざりあいながら、ライブという最高の極みが作られていく。アンコールのラストでは、本編でもゲスト参加したウェスやガンズ・アンド・ローゼズのリチャード・フォータス(Gt)、MUCCのミヤ(Gt)が再び登場。HIDEやTAIJIの魂も含めて10人のX JAPANが、高らかに力強く「X」を決めていった。
「これからも気合い入れていくぞ! 一緒に頑張るぞ! 負けねーぞ! WE ARE!! WE ARE!! WE ARE!!」と力の限り叫ぶYOSHIKI。そして最後に「WE LOVE YOU!!」とロングシャウト。輝くような笑顔も見せた。
この後、X JAPANは『Coachella 2018』の4月14日と21日に、「MOJAVE STAGE」のヘッドライナーとしてライブを行なう。その模様はYouTubeのオフィシャルチャンネルにて全世界に生中継されることが決定。もちろん日本からも視聴可能になっている。
(取材・文/長谷川幸信)

≪セットリスト≫
1. JADE
2. Rusty Nail
3. Kiss the Sky
4. I.V.
5. DRAIN
6. Beneath The Skin
7. Forever Love
8. ART OF LIFE
9. 紅
<ENCORE>
1. ENDLESS RAIN
2. BORN TO BE FREE
3. X
≪ライブ情報≫
【Coachella Valley Music And Arts Festival】
2018年4月13日(金)~15日(日)、4月20日(金)~22日(日)
オフィシャルサイト:https://www/coachella.com/
YouTube視聴サイト:https://www.youtube.com/user/coachella
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