19歳の起業家が仕掛ける「謎の箱」ビジネスに注文殺到の理由


最近では20代で起業するのは当たり前、10代で起業する若者も珍しくはない世の中になりました。そんな若手起業家の中で、そのビジネスモデルの斬新さから注目されているのが、坂内綾花さん(19)です。


何が入っているか届くまでわからない


坂内さんが販売するのは「フォーチュンボックス」と呼ぶ「謎の箱」。中にはおもに地方の中小メーカーが作った食品や日用品が5~8点ほど入っています。購入者は何が入っているかはわかりません。なにやらわくわくしそうですが、実際にお金を出して商品を買いたい人はいるのでしょうか。

「18才のときにクラウドファンディング(購入型)を始めました。SNSもやっていなくて、知り合いもほとんどいない状態でのスタートでしたから、もしかしたら1個も売れないかもしれない、と不安でしたが、開始したその日のうちから10件以上の注文をいただき、少し自信を持つことができました」と坂内さん。

19歳の起業家が仕掛ける「謎の箱」ビジネスに注文殺到の理由

「謎の箱」はその勢いのまま売れ続けて、その後3か月間で注文数は1,000件を突破。


坂内さんがこのユニークなビジネスモデルを思いついたのは、中学卒業後に新潟から東京に出てきてルームシェアしていた友人に届く実家からの仕送りがきっかけでした。「何が入っているかわからないけど、とにかく楽しそうでうらやましかった」という坂内さんは、その楽しさをビジネスに出来ないかと発想。今回のフォーチュンボックスのアイデアへと結びつきました。

気になるのは実際の購入者の感想ですが、坂内さんのところには直接「箱を開けていくワクワク感、たまりませんでした」「子供の頃に感じたような、何かお祭りに行ったような楽しさがありました」「頑張っている日本メーカーさんの支援になるのもいい」といった感想が届いているそう。

Twitterには「会社で受け取ったので、まだ開けずにいるんだけど、中身が気になって仕事にならない」「SNSネタバレ禁止なのが悔しいくらいには堪能しました……。」など、購入者のものと見られる投稿もちらほら。かなり好評のようです。


「情報が多すぎて商品を選ぶのに疲れた人も多い」


そんな反応を受けて坂内さんは「最近は情報が多すぎて商品を選ぶのに疲れた人も多いと思います。でも、生活に少しの変化や刺激は欲しい人も多い。そんな人の気持ちに応えようとしたのがウケた理由だと思います。ワクワクだけではお客様は飽きますし、リピートしていただけません。メーカーさんにも協力してもらって、中身の品質、新しさ、面白さで勝負したいです」と冷静に分析。

顧客満足度を維持しながら、できるだけ早いスピードでの事業拡大を狙い、将来的にはメーカーにとって「新商品を広めるための流通市場の一つ」と認識されることを目指している19歳。


自身が経営する会社フォーチュンファクトリーの公式サイトに「どうせなら歴史を作りたい」と明記しているように、将来的には世界的経営者を目指しているという坂内さん。柔らかい空気の中にも芯の強さを感じました。

(行田ビン太)