「電話営業」は時代遅れなのか? 新入社員の言い分で議論に
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「プレジデントオンライン」に掲載された「“入社4日目”で退社した新社会人の言い分」という記事に、“電話営業”に違和感を覚えたという新社会人のインタビューが掲載されている。これをきっかけにSNSでは「電話営業は時代遅れか」に関する議論が巻き起こっている。

電話営業は非効率!?


プレジデントオンラインの記事によると、中堅私立大学卒の新社会人女性は不動産関連会社を4日間で退職したのだそう。いったいどのような仕事を任されていたのか、彼女は同誌のインタビューに「簡単に言えば富裕層に賃貸運営を勧める仕事。とにかくテレアポです。新卒採用は10年ぶりで、新人は私を含めて3人。残りは30代の中途採用です」と答えていた。

しかし入社して2日目に違和感を覚え、その時の心境を「『税金を取り戻しませんか』と顧客に電話しているのを見て『これはダメかも……』と思ってしまいました。会話すら成立せずに断られていることもあり、こんなに世の中に必要とされていない仕事があるのかと落胆しました」と説明。さらに入社3日目で実際に電話をかけた時のことを振り返り、「営業用の原稿があって、それをひたすら読み上げるんです。でも、電話をかけてもすぐ切られ、精神的にどんどんすり減っていきました」とも語っている。

この記事をめぐり、SNSでは「辞めて正解」「早く決断できてよかった!」との声が。また「まだ電話営業なんて原始的な方法を採用している会社があるのか…」「電話をかける方も受け取る方も苦痛なのに誰が得してるの?」「WEB広告とかSNSでの情報発信に比べて明らかに非効率的では?」と、“電話営業不要論”が浮上した。

現代ビジネスにおける電話営業の有用性


ブロガーのイケダハヤトさんは「電話営業とか訪問営業とか、スパムメールみたいなもんだと思うけどね。会社が儲かるからって、世界中にスパムメールをバラまくのはいいんですか?という話。なんで肯定されているのか謎すぎる」と痛烈に批判。



電話営業を「過去の遺物」とする人がいる一方、マーケティングの手法としては未だに有効だとする意見も。例えば「インサイトフォース」の代表取締役・山口義宏さんは、自身のTwitterで「マジレスすると、BtoBビジネスでもBtoCビジネスでも、電話営業はビジネスをスケールさせるのにいまだにめちゃくちゃ効くんですよ。スモールビジネスならプルだけでも成り立つけど。そこを理解せず煽ってる人は、ビジネスの実態を知らなさ過ぎる」と主張している。



また山口義宏さんは「これだけいっておいて私の会社も、スケールさせる意図がないため、プッシュ電話営業は一切していません。ただ、好き嫌いの話はおいておき、実際に事業規模をスケールさせるうえでは、有効な業種がたくさんあるのは事実です」とも注釈。ビジネスの“手段”として電話営業を必要としている現場はまだまだ多そうだ。


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